PCTハイライト

国際特許制度

PCT 制度の最近及び今後の動向

新PCT締約国

サモア (国コード:  WS)

2019年10月2日、サモアがPCTへの加入書を寄託し、これにより153番目のPCT締約国となり、2020年1月2日よりPCTに拘束されます。その結果、2020年1月2日以降に出願されるすべての国際出願はサモアの指定を自動的に含むことになります。また、サモアはPCT第II章に拘束されることになるため、2020年1月2日以降に出願される国際出願についてなされる予備審査請求ではサモアを自動的に選択することになります。

さらに、サモア国民及び居住者は2020年1月2日よりPCT国際出願をする資格を有することになります。

WIPO IPポータルの運用開始

2019年9月17日、WIPOはIPポータルを新たに運用開始しました。IPポータルは、ePCT (出願人・第三者向けのePCT及び機関・官庁向けのePCTに改善機能あり) を含むWIPOのIP (知的所有権) サービスの機能一式を統合したワンストップのポータルです。詳細は、PCT Newsletter 2019年9月号参照。

PCT規則 (2020年7月1日) の修正提案がPCT作業部会で合意

本作業部会は2019年9/10月のPCT同盟総会(会合文書が利用可能)での採択のために、以下のPCT規則の修正を提出することに合意しました。

      • 誤って国際出願の要素および部分が提出された場合に、補充要素または部分を引用により含めるための規定
      • ある官庁が他の官庁のために集金した手数料を、国際事務局(IB)を介して送金するための法的根拠の規定
      • 国際予備審査機関が当該機関の保有する一件書類からIBへ特定の書類の写しを提供し、IBが選択官庁の代わりに公衆に利用可能にする場合の要件
      • 予測不能なIT機能の停止や予定されたITメンテナンスのように、ある官庁において利用可能な電子通信手段のすべてが利用できなかったことにより期間の遵守に遅れた場合に、当該官庁を救済するための法的根拠の規定
      • PCT規則4.11に定められる願書の記載に関して、国際段階において補充または追加する法的根拠の規定。

詳細情報はPCTニュースレター2019年6月号 (06/2019) をご覧ください PDF

PCT規則の修正 (2019年7月1日)

PCT規則69.1(a) の修正が、PCT同盟総会第50回会合にて採択され、2019年7月1日に発効されました。この修正により、国際予備審査の開始をPCT 規則54 の2.1(a) に定められる期間の満了まで延期することを出願人が明示的に請求しない限り、国際予備審査機関は、次の全てを受領した場合に国際予備審査を開始します。

      • 国際予備審査請求書
      • 関連手数料の支払い
      • 国際調査報告書またはPCT第17条(2)(a) に基づく国際調査機関による宣言、およびPCT規則43の2.1 に基づき作成された見解書

これらの修正は、2019年7月1日、またはその日以降に国際予備審査請求書が提出された国際出願に適用されます。

PCT年次報告 (2019年版)

PCT年次報告の2019年版では、2018年のPCTに関する動きや進展が要約されています。

2018年の国際特許出願件数は前年比3.9%増の253,000件となりました。米国に拠点を置く出願人が引き続き出願件数第1位を維持し、次に中国が僅差で続きました。

2018年出願上位5ヶ国

      • 米国 (56,142件、22.2%)
      • 中国 (53,345件、21.1%)
      • 日本 (49,702件、19.6%)
      • ドイツ (19,883件、7.9%)
      • 大韓民国 (17,014件、6.7%)

今年のPCT年次報告の特別テーマは「特許協力条約の40年」で、1978年からのPCTの国際段階および国内段階の長期的な動向を分析しています。

詳しくは、PCT年次報告2019年版、2019年3月のプレスリリース (英語版)、および記者会見をご覧ください。

PCT作業部会

第12回PCT作業部会が2019年6月11日から14日までジュネーブで開催されました。作業文書、議長による要約及び報告書の草案が現在ご覧いただけます。

国際機関会合 (MIA)

第26回国際機関会合 (MIA: Meeting of International Authorities) が2019年2月13日から14日までの期間、カイロ (エジプト) にて開催されました。作業文書(英語版)および議長による要約(英語版)が閲覧可能です。

PCT協働調査および審査 (CS&E): CS&Eの第3次試行プロジェクトが2018年7月1日から開始

第1次および第2次試行プロジェクトの完了を受けて (評価報告書PDF参照)、第3次の運用フェーズが2018年7月1日に開始されました。当フェーズでは最低3年間の運用が予定されています。詳細や関連する官庁における参加申請の受け付けに関する現時点での状況については、協働調査および審査 (ならびに文書PCT/WG12/15) をご参照ください。

ePCT最新情報

外部署名機能 (External Signature Function) を含む最新版リリースについての情報は、ビデオ Video をご覧ください。

新しい緊急用アップロードサービス (Contingency Upload Service) が、2019年12月31日のファクシミリの廃止に伴う国際事務局における代替の通信手段として (特に、ePCTが使用できないまれなケースのために) 導入されました (詳細)。

ePCTのePCT-Filing (ePCT出願)機能を利用して出願された国際出願を受入れ受け入れる官庁については、次の一覧をご覧ください。

ePCT出願を受入れる官庁 (一覧)

ePCTは最高レベルの検証機能を備えており、出願データの点検はすべて、出願が作成された時点での国際事務局データベースと照合して行われます。ePCTシステムへはこちらからアクセスいただけます。出願人向けの新機能に関する情報はこちらに、官庁向けの新機能に関する情報はこちら PDFに掲載されています。

PCT-特許審査ハイウェイ (PCT-PPH) 試行プログラム

PCT-特許審査ハイウェイ (PCT-PPH) は、出願人が早期審査の請求を行うことを可能にする枠組みです。

      • 2018年1月から6月の一部官庁のデータでは、PPH請求の特許査定率は全出願の統計に比べて15.8%~30%高く、一次審査段階での特許査定率は全出願の平均に比べて14.5%~34.9%高かったことが示されています。また、PPH請求から最終処分までの平均期間は、全出願の平均に比べて2.6~22.7ヶ月短かったことが示されています。詳しくは、日本国特許庁のPPHウェブサイトPCT年次報告の2019年版 PDFのC.26をご覧ください。
      • ユーザの体験談に関するビデオがCarl Oppedahl氏により提供されています [YouTube]。

官庁間のその他の連携・協働プロジェクトについては、こちらをご覧ください。

お知らせ

Learn the PCT (PCTを学ぶ) ビデオシリーズ

WIPOのPCT法務・ユーザ関連部副部長Matthias Reischle-Park氏の案内による短編ビデオ29本 (それぞれ約15分) から成るシリーズ [YouTube] を提供しています (ブラジル国立工業所有権機関提供のポルトガル語字幕版、サウジ特許庁提供のアラビア語字幕版も利用可)。本シリーズは、

      • PCT手続の国際段階および国内段階に関する主要トピックや重要事項について基本的な概要を紹介するものです。
      • PCT基礎セミナーで紹介された題材に沿う内容で構成されており、セミナーに参加していない方や中小企業、また開発途上国や後発開発途上国に居住のPCTユーザやPCTの利用を検討している方々に特に役立つものです。

PCTディスタンスラーニングコース

このDL101PCTの4時間コースでは、PCTの紹介および概要が提供されています。このコースでは、理解度と進捗度を測るための自己評価ツールがコース全体にわたって戦略的に設けられており、10言語で提供されています。

PCTウェビナー

PCTウェビナーでは、PCTの関連情報、トレーニング及び最新情報について10言語で無料配信しています。録画されたウェビナーはPCT Webinars又はPCTウェビナーからご覧いただけます。

WIPOの講演者によるPCTのインハウスセミナーも提供しています 。一般参加が可能なセミナーについてはPCTセミナーカレンダーをご参照ください。

補充国際調査

PCT手続の期間中に補充国際調査 (SIS) (複数可) を請求することで、調査対象の言語および技術範囲を拡げることができます。

      • 補充国際調査は、多大な費用をかけて国内段階へ移行した後に新たな先行技術が見つかる恐れに対する出願人の懸念に応じるものです。
      • 発明の商業的価値に照らして、国際段階における追加費用の支出が理にかなうと出願人が判断する場合に、追加情報を提供します。

PATENTSCOPE検索エンジン

      • PATENTSCOPEは、360万件以上のPCT出願や7,600万件の特許文献へのアクセスを無料で提供するサービスです。
      • 60の国内または広域官庁により提供される国内特許データコレクションを収録しています。
      • インターフェイスでは多数の有用な機能を備えており、多言語検索化学化合物検索 (部分構造検索を含む)、国際調査報告のXMLデータと引用文献へのハイパーリンク、さらに自動翻訳などを行うことも可能です。
      • 国内段階に移行したPCT出願についても、66官庁により提供されるデータが閲覧可能です。グローバルドシエ (Global Dossier) 公開データは、5官庁に関するデータが閲覧可能です。
      • 特許登録ポータルの新バージョンでは、200以上の国内および広域官庁のリーガルステータスに関する情報を提供しており、PCT出願番号を用いての検索機能も含んでいます。

WIPO仲裁調停センター

裁判外紛争処理 (ADR) に関するサービスにおいて、紛争の少なくとも一方当事者が、公開されたPCT出願の出願人又は発明者である場合には、登録手数料及び実施手数料が25%減額されます (PCTニュースレター2012年6月号の7ページ参照 PDF)。

WIPO GREEN

環境上適正な技術 (ESTs: Environmentally Sound Technologies) の所有者と、ライセンスや業務提携による技術利用の希望者のマッチングを可能にするプラットフォームです。WIPO GREENプラットフォームでの環境技術の登録は無料で行うことができ、ライセンスや業務提携の希望者を探すための実用的な支援ツールとしてご利用可能です。

WIPO発明者支援プログラム

WIPOの発明者支援プログラム (Inventor Assistance Program: IAP) は、発展途上国の発明家や小規模ビジネスと、ボランティアで法的支援を提供する特許弁護士/弁理士とのマッチングを目的としたプログラムです。

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PCTハイライト  – PCT制度の最近及び今後の動向についてのハイレベルな概説で、年1~2回発行されます。

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