PCTハイライト

国際特許制度

PCT 制度の最新及び今後の動向

新 PCT 締約国

カーボベルデ (国コード: CV)

カーボベルデが 2022 年 4 月 6 日に PCT の加⼊書を寄託し、これにより 156 番⽬の PCT 締約国となりました。カーボベルデは 2022 年 7 月 6 日より PCT に拘束されます。その結果、2022 年 7 月 6 日以降に出願される全ての国際出願は、当該国の指定を⾃動的に含むことになります。またカーボベルデは2022年7月6日をもってPCT 第 II 章にも拘束されることになるため、当該日以降に出願される国際出願についてなされる国際予備審査請求では、当該国を⾃動的に選択することになります。

イラク (国コード: IQ)

イラクが2022 年 1月 31 日にPCT の加⼊書を寄託し、2022 年 4 月 30 日より PCT に拘束されます。その結果、2022 年 4 月 30 日以降に出願される全ての国際出願は、当該国の指定を⾃動的に含みます。またイラクは2022年4月30日をもって PCT 第 II 章にも拘束されるため、当該日以降に出願される国際出願についてなされる国際予備審査請求では、当該国を⾃動的に選択することになります。

ジャマイカ (国コード: JM)

ジャマイカが、2021年11月10日にPCT の加⼊書を寄託し、2022年2月10日より PCT に拘束されています。その結果、2022年2月10日以降に出願される全ての国際出願は、当該国の指定を⾃動的に含みます。またジャマイカは PCT 第 II 章にも拘束されているため、当該日以降に出願される国際出願についてなされる国際予備審査請求では、当該国を⾃動的に選択します。

パリ条約への加⼊

カーボベルデ (国コード: CV)  

カーボベルデが 2022 年 4 月 6 日にパリ条約の加⼊書を寄託し、2022 年 7 月 6 日よりパリ条約に拘束されることになります。これによりパリ条約の全締約国数は 179 となりました。PCT 規則 4.10(a) に従い、優先権の主張はパリ条約の締約国において/について、又は同条約の締約国ではないが世界貿易機関 (WTO) の加盟国である国において/についてなされた一つ以上の先の出願に基づく優先権を国際出願において主張することによって行うことができます。なおカーボベルデはすでに WTO の加盟国です。

キリバティ (国コード: KI)

キリバティが、2021年11月5日にパリ条約の加⼊書を寄託しました。2022 年 2 月 5 日より、パリ条約に拘束されています。またPCT 規則 4.10(a) に従い、優先権の主張は当該日以降にキリバティにおいてなされた一つ以上の先の出願に基づく優先権を国際出願において主張することによって行うことができます。

広域特許条約: ARIPO

セーシェル (国コード: SC)

セーシェルが、2021年10月1日に、アフリカ広域知的所有権機関 (ARIPO) の枠組みにおける特許及び意匠に関するハラレ議定書の加⼊書を寄託しました。これにより、ハラレ議定書はセーシェルに関して2022 年 1 月 1 日付けで発効しました。この加⼊を受けて、当該日以降になされる全ての国際出願は、国内特許に加えて、ARIPO 特許についてセーシェルの指定が含まれます。

2021年のPCT出願

2021 年の PCT の利⽤は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響にもかかわらず伸び続け、出願件数は推定 277,500 件に達し、これまでの最多出願件数を記録し、2020 年⽐で 0.9%の増加となりました。中国が引き続き PCTの最⼤ユーザであり、69,540 件が出願され (2020 年⽐で 0.9%増) 、続いて⽶国が 59,570 件の出願件数 (1.9%増) で第 2 位となりました。日本 (50,260件で0.6%減)、韓国 (20,678 件で3.2%増) そしてドイツ (17,322 件で6.4%減) が、2021年もそれぞれ第 3 位、第4 位と第 5 位を占めました。

上位 10 か国における各国の合計出願件数と、全出願件数に対する各国のシェアは以下の通りです。

1. 中国 69,540 25.1%
2. ⽶国 59,570 21.5%
3. 日本 50,260 18.1%
4. 韓国 20,678 7.5%
5. ドイツ 17,322 6.2%
6. フランス 7,380 2.7%
7. 英国 5,841 2.1%
8. スイス 5,386 1.9%
9. スウェーデン 4,453 1.6%
10. オランダ 4,123 1.5%

詳細は、PCTニュースレター 2022年2月号PDFをご参照下さい。また、プレスリリースPR/2022/886「イノベーション活動がパンデミックの混乱を克服 ― WIPOにおける国際IP出願件数が過去最高レベルに到達」が配信されました。

PCT総会

第 53回 (第23回通常) PCT 総会が、2021 年 10 月 4 日から 8 日まで開催されました。本総会はPCT規則の修正を採択しました (文書 PCT/A/53/3)。

規則修正は、以下の通りです。

  • PCT 規則 5、12、13 の 3、19 及び 49: WIPO 標準26 の実施 PCT における「XML (拡張マークアップ言語)を使用したヌクレオチド及びアミノ酸の配列表の表記に関して推奨される標準」。これらの規則修正は、2022 年 7 月 1 日に発効予定であり、当該日以降の国際出願日を有する国際出願に適用されます。
  • PCT 規則 82 の 4: PCT 規則に定める期間の遵守に影響する全般的な混乱発生時における 出願人及び第三者を対象とした救済措置の強化 (文書 PCT/WG/14/11 )。これらの修正も 2022 年 7月1 日に発効し、当該日以降に満了する期間に適用されます。

また、本総会は、ユーラシア特許庁を PCT に基づく国際調査機関及び国際予備審査機関として選定しました (文書 PCT/A/53/1)。この選定は、運用機能が整備された時点で、当該官庁が通知する将来の日付から発効することになります。

詳細は、PCTニュースレター 2021年10月号及び会合文書をご参照下さい。

WIPO 標準 ST.26 の実施日: 2022年7月1日

第 54 回 WIPO 総会は、「XML (拡張マークアップ言語)を使用したヌクレオチド及びアミノ酸の配列表の表記に関して推奨される標準」である WIPO 標準 ST.26 の実施日を、国内、広域及び国際レベルで 2022 年 7 月 1 日とすることを承認しました。この承認を受けて、WIPO 標準 ST.26 への移行は、2017 年に開催された第 5 回 WIPO 標準委員会にて 以前決定された日付から 6 か月後に実施されることになります。WIPO ST.26の実施に関する詳細は、ST.26の実装に関するよくある質問をご覧下さい。

PCTサクセスストーリー

PCT のサクセスストーリーを共有したい方はいらっしゃいませんか? みなさんの発明を保護するために PCT がどのように役立ったかについての成功談を WIPO や PCT ユー ザと共有できる場が設けられました。WIPO は、投稿されたサクセスストーリーの一部を PCT ウェブサ イトや WIPO ソーシャルメディア上で紹介していきます。詳細はPCTサクセスストーリーの特設ページをご覧下さい。

2021 年 WIPO PCTユーザ満⾜度調査

PCT 制度の全側⾯におけるユーザ満⾜度を定期的に評価する目的で、WIPO は隔年で実施しているユーザコミュニティへのアンケート調査を2021年12月に実施しました。WIPOは、調査に参加されたPCTユーザの皆様に感謝いたします。調査結果のまとめは、PCTウェブサイトに掲載されています。過去のPCTユーザ調査のアーカイブは、こちらからご覧下さい。

PCT作業部会

第14回PCT作業部会が、2021年6月14日から17日の期間でジュネーブにて、ハイブリッド型会議として開催されました。

議長による要約報告書及び会議文書が利用可能です。

PCT制度を紹介するビデオ: 海外での特許取得を目指して

PCT制度の概要を紹介するこの新しいビデオ  Video (PCTウェブサイト上でPCT10公開言語により提供。PCTウェブサイト日本語版の画面右横から本ビデオの日本語版を視聴可能) は、経営者、個人発明家や学生を対象としています。また、海外で特許取得を目指す際の利用可能な選択肢について、弁理士の方々がクライアントに説明を行う際にもお使いいただけます。

また、PCT制度を初めてご利用する方への案内ページ、PCT制度の案内及びPCT制度の概要(はじめての方向け)が利用可能です。

国際機関会合 (MIA: Meeting of International Authorities)

第29回国際機関会合が2022年6月20日から22日の期間ジュネーブにてバーチャル会合として開催予定です。議題の草案及び会合文書が閲覧可能です。

ePCT及び電子出願の最新情報

ePCTでは、有用な最新機能が多くリリースされています。外部署名機能 (External Signature Function) についての情報は、ビデオ Video をご覧下さい。また最新版には、WIPOの新しいIP Portalのナビゲーションバーが導入されています。今般、IP Portal に新しいMENU機能が追加されました (PCTニュースレター2020年11月号PDFをご参照下さい)。2021年には、新たな決済プラットフォームが導入され、所定のPCT関連手数料やWIPOに対するその他の手数料のオンライン決済が可能になりました。本プラットフォームWIPO Pay並びにePCTの新しいランディングページも開設されました。

緊急用アップロードサービス (Contingency Upload Service) が、2018年に開始されました。FAXサービスの制限が発表されたことを受けて、2020年1月1日から、緊急事態 (特にePCTが利用できない例外的な場合) における国際事務局に対する代替の通信手段として導入されました。(詳細は、緊急用アップロードサービス及びFAXサービスの制限参照)。

ePCTシステムのePCT出願機能を利用して提出される国際出願を受理する官庁については、ePCT出願を受理する官庁の一覧をご利用下さい。

ePCTは最高レベルの検証機能を備えており、出願データの点検は全て出願が作成された時点の国際事務局で保有されているデータベースと照合して行われます。ePCTシステムはこちらからアクセスいただけます。出願人向けの新機能に関する情報はこちらに、官庁向けの新機能に関する情報はこちらに掲載されています。2022年4月に新しい高度な認証方法であるプッシュ通知機能が追加されました。またIP官庁及び出願人向けの新しいePCTビデオチュートリアルシリーズが公開されています。

なお受理官庁としての国際事務局 (RO/IB) は2021年7月1日以降、PCT-SAFEを利用した電子出願の受理を終了します。したがってIBは2022年7月1日をもって、PCT-SAFEの更新、配信及びサポート業務を終了します。詳細はPCTニュースレター 2021年7-8月号PDFをご覧下さい。現在も PCT-SAFE を利用されているユーザの皆様には、可能な限り早急にePCTプラットフォームへ移行され、PCT出願の作成、提出及び管理作業をされるよう強く推奨いたします。PCT-SAFEに比べて本プラットフォームには多くのメリットがあります。また必要な際はePCTの担当者がサポートいたします。

ePCT出願の参加庁におけるPCT出願の電子出願や出願管理並びにePCTの処理設定に関する技術面と参照データについては、特に詳細な官庁プロフィールが入手可能です。なお官庁プロフィールには、ePCT出願を受理していない官庁の情報も掲載されています。

お知らせ

Learn the PCT (PCTを学ぶ) ビデオシリーズ

WIPOのPCT法務・ユーザ関連部副部長Matthias Reischle-Park氏の案内による短編ビデオ29本 (それぞれ約15分) から成るシリーズ [YouTube] を提供しています (中国語、韓国語、日本語及びロシア語の字幕付きビデオの本数は増えており、ブラジル国立工業所有権機関提供のポルトガル語字幕版、サウジ知的所有権機関 (SAIP) 提供のアラビア語字幕版 も利用可能です)。本シリーズは、

  • PCT手続の国際段階及び国内段階に関する主要トピックや重要事項について基本的な概要を紹介するものです。
  • PCT基礎セミナーで紹介された題材に沿う内容で構成されており、セミナーに参加していない方や中小企業、また開発途上国や後発開発途上国に居住のPCTユーザやPCTの利用を検討している方々に特に役立つものです。

外部提供によるウェビナーシリーズの一環として、米国拠点のPCTに熟練した特許弁護士であり、WIPOのコンサルタントでもあるCarl Oppedahl氏講演による全15回 (無料) にわたるアーカイブ動画 (並びに関連資料) も、ウェブページのリンクから視聴可能です。

PCTウェビナー

  • PCTウェビナーでは、PCT関連情報、研修や最新情報についてPCT10公開言語で無料配信しています。ウェビナーの録音は、PCTウェビナーからご視聴下さい。またPCT上級者向け “Exploring the PCT” ウェビナーシリーズも2021年4月から、全PCT10公開言語により開始されています。
  • WIPO講演者によるPCTのインハウスセミナーも提供しています 。一般参加が可能なセミナーについては、PCTセミナーカレンダーをご参照下さい。2020年5月から開始したRoving Webinars形式によるWIPOのサービスやイニシアティブについてのPCT情報を提供するウェビナーが追加されました。さらに、2020年10月と11月には、開催された地域ごとに対象を絞った上級者向けウェビナーの録音も追加されました。

WIPO IP Diagnostics の公表

WIPO は、ビジネス分野への支援プログラムを強化するための継続した取り組みの一環として、国際貿易センター (ITC) 及び国際商業会議所 (ICC) と共同で、最新のオンラインリソースである WIPO IP Diagnostics を 公表しますした (公表の詳細はこちら)。 WIPO IP Diagnostics は、無料の包括的な自己評価ツールです。本ツールは、中小企業が自社の IP 資産を特定し、これらの資産をどのように保護、管理、そして活用して新たな商機を開拓するのかを判断するための支援となるよう設計されました。

PCT及びIPデータ報告書2021年

グローバル・イノべーション・インデックス 2021 年: 本報告書は、WIPOと企業パートナーの協力により共同で発行され、世界の大半の経済圏のイノベーション・エコシステムにおけるイノベーションパフォーマンスの評価指標及びランキングについて年次の概要を提供しています。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックにもかかわらず、2020年におけるイノベーションへの投資は回復を見せ、スイス、スウェーデン、米国 (U.S.)、英国及び韓国が上位を占め、中国は上位10位に僅差となりました。本報告書のハイライトは、プレスリリースをご覧下さい。

世界知的財産指標2021年: 本報告書では、世界中の IP (知的財産) 活動を分析しています。国内及び広域 IP 官庁と WIPO からの 2020 年の出願、登録や更新に関する統計を使用し、特許、実用新案、商標、意匠、微生物、植物品種保護、地理的表示の分野を網羅しています。また、本報告書では調査データや業界の情報源をもとに、出版業界の活動状況も紹介しています。 本報告書のハイライトは、プレスリリースをご参照下さい。

PCT年次報告2021年版が発行されました。今年は、a first insight into the impact of the COVID-19 pandemic on PCT applications filed in 2020 (新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミックが、 2020 年の PCT 出願に与えた影響に関する 第一次見解) と題し、本報告の特別テーマとしています (本報告の7から14ページ参照)。世界的な景気後退にもかかわらず、同年の PCT 出願件数は4% 増加しました。

PCTディスタンスラーニングコース

このDL101PCTの4時間コースでは、PCTの紹介及び概要が提供されています。このコースでは、理解度と進捗度を測るための自己評価ツールがコース全体にわたって戦略的に設けられており、PCT公開10言語で提供されています。

補充国際調査

  • 国際段階手続中に一又は複数の補充国際調査(SIS)を請求することで、調査される文献の対象範囲が言語面及び技術面で拡大されます。
  • SISは、国内段階移行後に新たな先行技術が発見されるリスクに対するPCT出願人の懸念に対処するものです。また、発明の商業的価値に照らして、国際段階における追加費用の支出が理にかなうと出願人が判断する場合に、追加の調査情報を提供します。
  • SISの概要を紹介する短編ビデオ Video が視聴可能です。又は、出願人の手引の関連する章もご参照下さい。

PATENTSCOPE検索エンジン

DAS

WIPOデジタルアクセスサービス (DAS) は、優先権書類や類似書類をDASにDAS参加IP官庁の間で安全に交換することができる電子システムであり、PCT出願において使用することもできます (詳細)。DASは通常は無料であり、以前は紙媒体で行われていた優先権書類の交換を簡素化するものです。多くの官庁が近年DASに参加しています (WIPO DAS News参照)。

PCT-特許審査ハイウェイ (PCT-PPH) 試行プログラム

PCT-特許審査ハイウェイ (PCT-PPH) は、出願人が早期審査の請求を行うことを可能にする枠組みです。

  • PPH全体の50%がPCT-PPHです。
  • 一部官庁のデータでは、PCT-PPH請求は全出願の平均に比べて、より高い特許査定率と一次審査段階(first action)でのより高い特許査定率も示されています。また、PCT-PPH請求から最終処分までの平均期間は、全出願の平均に比べて短かったことが示されています。最新の統計については、日本国特許庁のPPHウェブサイト、及びPCT年次報告の2021年版 PDFのC.28をご覧下さい。
  • Carl Oppedahl氏によるユーザ体験談のビデオが視聴可能です [YouTube]。

官庁間のその他のワークシェアリングスキームについては、こちらをご覧下さい。

WIPO GREEN

WIPO GREENは、環境にやさしいテクノロジー (ESTs: Environmentally Sound Technologies) の所有者と、ライセンスや業務提携による技術利用を希望する者のマッチングを可能にするプラットフォームです。WIPO GREENプラットフォームでの環境技術の登録は無料で行うことができ、ライセンスや業務提携の希望者を探すための実用的な支援ツールとして利用可能です。

WIPO仲裁調停センター

裁判外紛争処理 (Alternative Dispute Resolution: ADR) サービスでは、紛争の少なくとも一方の当事者が、公開されたPCT出願の出願人又は発明者として記載されている場合には、登録手数料及び実施手数料が25%減額されます (PCTニュースレター2012年6月号の7ページ参照 PDF)。

WIPO発明者支援プログラム

WIPO発明者支援プログラム (Inventor Assistance Program: IAP) は、発展途上国の発明家や小規模ビジネスと、ボランティアで法的支援を提供する特許弁護士/弁理士とのマッチングを目的としたプログラムです。

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PCT制度の主な進展や動向の要点をまとめて「PCTハイライト」として配信しています(年1~2回)。

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