PCTハイライト
PCT 制度の最新及び今後の動向
PCT 出願件数は2025 年も増加
PCT 制度を利用して出願された国際特許出願件数は、2025年に世界全体で0.7%増加して 275,900 件に到達し、2年連続の増加となりました。
2024年と同様、情報通信技術がPCT出願の大きな割合を占めました。PCT出願全体の5分の1以上が、デジタル通信 (11.1%) とコンピュータ技術 (9.6%) に関連しており、デジタル通信と半導体分野の出願件数はそれぞれ6.1%増加しました。
| 1 | 中国 | 73,718 | 26.7% |
| 2 | 米国 | 52,617 | 19.1% |
| 3 | 日本 | 47,922 | 17.4% |
| 4 | 韓国 | 25,016 | 9.1% |
| 5 | ドイツ | 16,441 | 6.0% |
| 6 | フランス | 7,778 | 2.8% |
| 7 | 英国 | 5,809 | 2.1% |
| 8 | スイス | 5,012 | 1.8% |
| 9 | オランダ (王国) | 4,239 | 1.5% |
| 10 | スウェーデン | 3,857 | 1.4% |
最新情報のメール配信
PCT作業部会 – 第18回会合
当改正案では、国際出願手続のために電子メールアドレスと電話番号の提供を義務付けること、一般がアクセス可能な一件書類から特定の個人データの除外を認めること、優先日から30か月が経過した後でも通信用の住所変更を可能とするための根拠を規定しています (文書PCT/WG/18/8及び文書PCT/WG/18/20のアネックスI参照)。
- PCT手数料の換算額の設定
「所定手数料の換算額の決定に関する PCT 総会が定めた指針」について、換算額の設定プロセスを合理化し、為替レートの変動から新換算額の適用までの時間を短縮することを目的とした修正案 (文書PCT/WG/18/12及び文書PCT/WG/18/20のアネックスII参照)。
- 取下げの通知書 (様式PCT/RO/136) の写しを出願人に送付することの提案
本作業部会は、原則として、実施細則第326号及びPCT受理官庁ガイドライン322項の修正を承認しました。当修正では、受理官庁が、出願取下げの効力を発生させる通知書を国際事務局に送付する際に、出願取下書の処理状況を出願人にも通達する (訳者注: 取下げの通知書の写しを出願人に送付する) ことを希望する場合に、その通達を可能とする根拠を規定しています (文書PCT/WG/18/10及び文書PCT/WG/18/20のアネックスIII参照)。
さらに、本作業部会は以下の事項も協議しました。
- 指定官庁における国内段階移行手続の手段
国内段階移行の電子手段に限った手続に関する検討と、指定又は選択官庁が、所定の条件の下、出願人に対して国内段階移行の電子手段による手続を要求できるように認めるPCT改正案 (文書PCT/WG/18/4 Rev. 参照)。
- 国際公開関連の処理
国際調査報告と、第19条に基づき補正された請求の範囲に関する説明書を分けて国際公開する形式への変更案。当変更案により公開手続が簡素化され、テキストベースの処理が促進されることになります (文書PCT/WG/18/13参照)。
モルドバ共和国が欧州特許機構 (EPO) に加入
リマインダ: PCT規則改正 - 2026年1月1日発効
- PCT 規則 33 及び 64: 国際調査と国際予備審査のための関連先行技術の定義を拡張し、書面による開示以外の開示を含める改正。詳細は、文書PCT/WG/17/10 と文書PCT/WG/17/21 の 25 項、26項とアネックスIIを 参照。
- PCT規則34、36及び63:国際調査機関が国際調査を行う際に参照する最小限資料の定義の改正、及び国際調査機関、国際予備審査機関としての官庁又は機関の選定に関する必要最低条件の改正。
上記PCT規則の改正は、当該日以降に調査報告が作成された国際出願、又は第 17 条(2)(a) に基づく宣言がなされた国際出願に適用されます。
PCT国際機関会合
リマインダ: PCT規則改正 - 2025年7月1日発効
- PCT 規則 89 の 2.1 の改正により、受理官庁は紙による出願の受理を停止する選択肢を有することになります。但し、国際出願日を取得するため及び/又は期間を遵守するための目的において紙による出願の提出を認め、紙による出願がなされた場合には、2 か月以内に電子形式による出願書類の再提出を出願人に要求するという選択肢も有します。受理官庁としての国際事務局は、引き続き紙による出願を受理する義務があります(詳細は、文書PCT/WG/17/15 と文書PCT/A/56/2参照)。
- PCT 規則 92 の改正により、国際事務局は、従来当事務局が求められていた英語とフランス語以外の公開言語でも、出願人や官庁と連絡することができるようになります(詳細は、文書PCT/WG/17/6 と文書PCT/A/56/2)参照)。
- PCT 規則 26.3 の 3 の改正により、出願人は、図面の要約及び/又は図面の文言が、国際出願が公開される言語と異なる言語であるが国際調査機関が認める言語である場合、(公開言語にあわせるための)翻訳文の提出が求められます(詳細は、文書PCT/WG/17/7 と文書PCT/A/56/2参照)。
パリ条約の新規同盟国
モーリシャスが ARIPO 特許制度に参加(ハラレ議定書)
モーリシャス共和国が、2025 年 5 月 27 日に、アフリカ広域知的財産機関 (ARIPO) の枠組みにおける特許、実用新案、及び意匠に関するハラレ議定書への加入書を寄託しました。これにより、当該国は、2025 年 8 月 27 日より ARIPO が設立した広域特許制度の加盟国となり、ハラレ議定書の締約国数は 21となりました。
ePCT及び電子出願の最新情報
知的財産、遺伝資源および関連する伝統的知識に関するWIPO新条約: PCTへの影響
WIPO加盟国は2024年5月24日、知的財産 (IP)、遺伝資源および関連する伝統的知識に関する新条約を承認しました。この条約は、知的財産、遺伝資源や伝統的知識の間の接点を扱う初めてのWIPO条約であり、先住民や地域コミュニティを対象とした規定を含む最初のWIPO条約でもあります。
新条約に伴うPCTへの影響に関して、新条約の脚注4 (第7条) に記載されている合意声明は、「PCT締約国を指定するPCTに基づく国際出願を行う出願人が、PCT締約国全てに対して効力を有する国際出願の出願時に、又はその後締約国のいずれかの国内官庁に対する国内段階への移行時に、その適用される国内法令下で遺伝資源及び遺伝資源に関連する伝統的知識の開示を要求している場合、それらの開示要件に関連する方式要件に準拠する機会を提供することを目的として、PCT 規則及び/又は実施細則の改正の必要性を検討すること」を求めています。詳細はPCTニュースレター2024年6月号PDFをご参照下さい。
IPデータ報告書2025と2024年版
世界中の知的財産 (IP) 活動を分析した、世界知的財産指標報告書2025年版が公表されました。各国や広域の知的財産庁、WIPO から提供される 2024 年の出願、登録や特許更新に関する統計を使用し、特許、実用新案、商標、意匠、微生物、植物品種保護、地理的表示などを取り上げています。また、本報告書では、調査データや業界の情報源をもとにクリエイティブエコノミーの活動状況も紹介しています。
PCTサクセスストーリー
PCT が日常生活に貢献するマルチラテラリズム (多国間主義) の一例に挙げられる
お知らせ
Learn the PCT (PCTを学ぶ) ビデオシリーズ
- PCT手続の国際段階及び国内段階に関する主要トピックや重要事項について基本的な概要を紹介するものです。
- PCT基礎セミナーで紹介された題材に沿う内容で構成されており、セミナーに参加していない方や中小企業、また開発途上国や後発開発途上国に居住のPCTユーザやPCTの利用を検討している方々に特に役立つものです。
PCTウェビナー
- 2025年11月から、PCTレクチャーシリーズである全15回のウェビナーが、Carl Oppedahl(経験豊富な弁理士であり (Oppedahl Patent Law Firm LLC)、WIPO の PCT コンサルタント、またPCTユーザでもある)により配信され、録画動画が利用可能です。
- 2024年11月には、Carl Oppedahlによるベストプラクティスシリーズ全7回のPCTウェビナーが開催されました。録画動画がアクセス可能です。
- 2023 年3月には、Carl OppedahlによるePCT研修シリーズ全16回のウェビナーが開催されました。録画動画と使用された資料が利用可能です。
- 2023年12月には、Carl OppedahlによるPCT様式を解説したシリーズ全4回の無料ウェビナーが配信されました。全4回の録画動画がアクセス可能です。
- 2021年4月には、PCT上級者向け“Exploring the PCT”シリーズも全PCT10公開言語により開催されました。
- Roving Webinars形式によるWIPOサービスやイニシアティブについてのPCT情報を提供する録画動画も利用可能です。
PCTディスタンスラーニングコース
補充国際調査
- 国際段階手続中に一又は複数の補充国際調査(SIS)を請求することで、調査される文献の対象範囲が言語面及び技術面で拡大されます。
- SISは、国内段階移行後に新たな先行技術が発見されるリスクに対するPCT出願人の懸念に対処するものです。また、発明の商業的価値に照らして、国際段階における追加費用の支出が理にかなうと出願人が判断する場合に、追加の調査情報を提供します。
- SISの概要を紹介する短編ビデオ 短編ビデオ が利用可能です。又は、出願人の手引の関連する章もご参照下さい。
中小企業向けサポート資料: WIPO知財診断ツール、中小企業ビジネスの支援、PCTニュースレターのSMEサポートシリーズ
PATENTSCOPE データベース
- PATENTSCOPEは、1億2700万件の特許文献コレクションの一部である540万件以上のPCT出願に無料でアクセスできるサービスです。
- 83の国内官庁や広域官庁により提供される国内特許データコレクションを収録しています。
- インターフェイスでは多くの有用な機能を備えており、多言語検索や化学化合物検索 (部分構造検索やマーカッシュ検索を含む)、国際調査報告のXMLデータと引用文献へのハイパーリンク、さらに自動翻訳などを行うことも可能です。この度、パテントファミリーに関する情報及び非特許文献も追加、拡張されました。また、標準必須特許 (SEP: Standard Essential Patent) の宣言も追加され、検証済みSEPデータへと拡張されました。
- 国内段階に移行したPCT出願についても視聴可能です、84官庁により提供されるデータが利用可能です。グローバルドシエ (Global Dossier) 公開データは、10官庁に関するデータが利用可能です。
- 特許登録簿ポータル (Patent Register Portal) の新バージョンでは、200以上の国内及び広域官庁のリーガルステータスに関する情報を提供しており、PCT出願番号を用いての検索機能も備えています。新しいツールである WIPO INSPIREは、特許のデータベースが提供する様々な機能に関する情報をまとめたものです。
DAS
PCT-特許審査ハイウェイ (PCT-PPH) 試行プロジェクト
- PPH全体の50%がPCT-PPHです。
- 一部官庁のデータでは、PCT-PPH請求は全出願の平均に比べて、より高い特許査定率と一次審査段階(first action)でのより高い特許査定率も示されています。また、PCT-PPH請求から最終処分までの平均期間は、全出願の平均に比べて短かったことが示されています。最新の統計については、日本国特許庁のPPHウェブサイト、及びPCT年次報告 2024年版 [PDF] のC.28をご利用下さい。
- Carl Oppedahl氏によるユーザ体験談のビデオがご利用いただけます [YouTube]。
WIPO GREEN
WIPO仲裁調停センター
WIPO発明者支援プログラム
WIPO発明者支援プログラム (Inventor Assistance Program: IAP) は、発展途上国の発明家や小規模ビジネスと、ボランティアで法的支援を提供する特許弁護士/弁理士とのマッチングを目的としたプログラムです。