1年を振り返って: マドリッド制度125周年を迎えて

2016年12月14日

2016年に マドリッド制度は125周年 を迎えました。この記念すべき年に、マドリッド制度の著しい業績について振り返ってみたいと思います。

加盟国の増加と重要な経済市場の加盟

マドリッド協定(以後、協定)の発効以降、マドリッド制度の加盟国数は着実に増加しています。本年、ブルネイが98番目の加盟国となりました。

また、11月には、ブラジル開発商工省大臣が2018年中頃にマドリッド制度に参加する旨の意図を発表しました。ブラジルに加え、カナダ、東南アジア諸国連合(ASEAN)のうちの未加盟国、いくつかのアフリカやカリブの国々について、今後数年間のうちに非常に多くの国々が加盟することを期待しています。

ブラジル開発商工省大臣とWIPO事務局長 (写真:WIPO)

国際出願において、国際登録数が130万件を記録

加盟国の増加に伴い、国際商標登録数は130万件に達しました。130万番目の登録は、シンガポールに本部を置く企業Best World International Ltd社のスキンケア関連の商標である「SkinStudio」でした。

2016年11月末までに、マドリッド制度は、昨年同時期比9%以上の出願件数の増加があり、7年連続で成長を遂げています。これまでのところ、欧州連合(EU)からの出願件数が1位であり、米国とドイツが続いております。

(イメージ:WIPO)

マドリッド制度は1本化した条約制度へ

10月に、マドリッド同盟総会は、マドリッド協定14条(1)と(2)(a)の適用を停止することを決めました。これにより、新たな加盟国は協定のみに加盟するということはできなくなりました。マドリッド制度を効果的な単一条約の制度とすべく、すべての新たな加盟国は、マドリッド議定書(または議定書と協定の両方)に加盟することを求められます。ユーザーと締約国は、引き続き、議定書のユニークな機能と柔軟性による利益を享受することができます。

マドリッド議定書加盟に関する外交会議(写真: WIPO)

再構築されたオンラインサービスと新たなウェブコンテンツ

2016年を通して、知的財産庁やユーザーとの意思疎通に係る包括的な環境整備は重要な課題でした。この目的のため、国際商標登録の取得や管理に資するよう、いくつかの新たなオンラインリソースの作成、e-Madridの構築、新たに強化されたサービスを提供するためシステムの全体的なイニシアチブを集中的に行いました。

本年における発展は以下のとおり:

  • Madrid Goods & Services Manager」について、新しい機能とコンテンツを盛り込んだアップデート版を提供。
  • マドリッド制度への加盟を検討中の国々に対するサポートとして、ウェブサイト上のFuture Members(これから加盟する官庁向け情報)のページについて、ロードマップAccession Kit(加盟する際の検討事項など)といった様々な情報の拡充。
  • Madrid Monitorのベータ版」の開始-4つのオンラインツールの機能を1つの簡単で直観的なデータベースに統合したオンラインサービス。
  • 国際出願の方法国際登録の管理に関する豊富な情報を盛り込んだ新しい「How To」(ノウハウに関する)ガイド等、マドリッド制度に関するウェブサイトを再構築。

2017年を見据えて

いくつかの国が加盟間近となり、マドリッド制度は、その設立メンバーの構想に近づくとともに、商標登録のための本当のグローバルな制度となる方向へと進んでいます。翌年には、加盟国やユーザーは以下のことを期待できるでしょう。

  • 共通規則の改正を含む制度に係る規則や運用の発展。
  • ユーザーに、各国官庁マドリッド加盟国の新しい各国情報データベースの開始。具体的には、加盟国の知的財産業庁に関するコンタクト先や手数料、異議申立の手続等、様々な情報へのアクセスをユーザーに提供。
  • 標章のライフサイクルの段階を通じたユーザーサポートに資する「使い方のガイド」やビデオチュートリアルを含めた、マドリッド制度に係るオンラインリソースの拡大。

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