World Intellectual Property Organization

2012年、知的財産権の需要の強力な成長

ジュネーブ、 2013年3月19日
PR/2013/732

 

記者会見 Video, International patent, trademarks and industrial designs filings in 2012 ビデオ


国連認定のジュネーブ報道関係者に2012年の知的財産出願に
ついて話すWIPO事務局長(写真: WIPO/Berrod)。

WIPOが管理する知的財産(IP)制度の下で特許、商標、産業意匠の国際出願は2012年も引き続き増加しました。

2012年には 特許協力条約(PCT)の下での国際特許出願は2011年から6.6%増加しました。1 日本と米国が2012年に出願された194,400 件のPCT出願の48.8% を占めました(Annex 1Annex 1)。2 中国の通信会社ZTEが3,906件のPCT出願公開があり、2012年最大の出願人でした。3

マドリッド制度の下で出願された国際商標出願は2012年に4.1%増加しました。4 フランス、ドイツ及び米国が2012年に出願されたマドリッド出願の44,018 件の36.5% を占めました(Annex 1)。スイスの製薬企業のノバルティス社が176件の国際出願で2012年のトップの出願人でした。

ハーグ制度 の下での国際産業意匠出願は2011年から3.3%増加しました。5 2012年に出願された2,604件の出願は、12,454 件の個別意匠を含み、2011年から3.5%の増加を示しました(Annex 1)。6 フランス、ドイツ及びスイスが全体の意匠の62.8%を占めました。スイスのSwatch AGが81件の出願をして、2012年の最大の出願人でした。

「昨年同様、低迷する経済状況にもかかわらず、WIPOの国際知的財産出願制度への需要は増加した。」とWIPO事務局長のフランシス・ガリは述べました。そして「回復の兆しが見えつつあるので、景気低迷の期間に強力な無形資産を構築したこれらの企業は新たな市場の機会から最も多くの利益を得るであろう。」としました。

PCT制度

PCT制度のトップの出願国


解説図:2012年に誰がPCT特許出願を最も
出願したのか?PDF, Infographic, PCT applications 2012

PCT出願上位15カ国では、2012年はオランダ(14%増)、中国(13.6%増)、大韓民国(13.4%増)、フィンランド(13.2%増)そして日本(12.3%増)が2桁の伸びを示しました。オランダはここ2年間、出願件数が落ち込んでいましたが、もっとも大きい増加を記録しました。中国の2012年の増加はここ2年間の増加よりは低いものでした。これは2009年以降の中国の出願件数は急激な増加を一部反映しています。なぜなら出願数が増大すれば、相対的な増加率は自然と減少するからです。一方、カナダ(6.7%減)、スペイン(2.4%減)、オーストラリア(1.8%減)といった高所得国では2011年より2012年の国際出願が減少しました。

大規模中所得国のトルコ(16.3%減)、メキシコ(15.6%減)、インド(9.2%減)、南アフリカ(5.3%減)そしてロシア(4%減)では2011年は増加を記録していましたが、2012年は減少に転じました。例外的な国の一つがブラジルで、2011年(15.6%増)に続き2012年(4.1%増)も増加を示しました。

米国(51,207件)は最多PCT出願国で、日本(43,660件)、ドイツ(18,855件)、中国(18,627件)そして大韓民国(11,848件)と続きます。全出願件数に占める割合では、日本(1.1ポイント増)、中国(0.6ポイント増)そして大韓民国(0.4ポイント増)は増加しましたが、ドイツ(0.6ポイント減)と米国(0.6ポイント減)はやや減少しました。Annex 2 Annex 2に全ての国についてのデータが示されています。

PCT 制度のトップの出願人

2012年に最も多く公開された出願人は中国のZTE Corporation(3,906件)(Annex 3 Annex 3)で、日本のパナソニック株式会社(2,951件)、日本のシャープ株式会社(2,001件)、中国のHuawei Technologies Co. Ltd (1,801件)そしてドイツのRobert Bosch Corporation(1,775件)が続きます。2012年に最大の増加幅をみせたのは、ZTE Corporation(1,080件増)で、続いてパナソニック株式会社(488件増)、富士フイルム株式会社(477件増)です。最大の減少幅をみせたのは大韓民国のLG Electronics Inc.(242件減)で、続いて米国のQualcom Incorporated(189件減)となっています。2012年のPCT出願人上位50には、20の日本出願人、15の米国出願人が含まれています。

2012年の教育機関による出願で最多の出願人はカリフォルニア大学で国際公開件数は351件でした(Annex 4 Annex 4)。そして、マサチューセッツ工科大学(168件)、ハーバード大学(146件)、ジョンズ・ホプキンス大学(141件)と続きます。上位50教育機関には、米国の大学が27あり、続いて日本と大韓民国がそれぞれ6大学です。

技術分野別のPCT出願

2012年に国際公開されたPCT出願のうち最多の技術分野は全体の7.5%を占める13,293件の電子機器で、デジタル通信(7.1%)を追い抜きました。コンピュータ技術(7%)と医療技術(6.4%)も大きな割合を占めています(Annex 5 Annex 5)。7

2011年と2012年の間に、2つを除いて全技術分野で件数が増加しました。管理のためのIT技術(22.8%増)が最も増加し、マイクロ構造とナノテクノロジー(21.2%増)、コンピュータ技術(18.2%増)、運輸(17.5%増)そして電動機(17.1%増)と続きます。

マドリッド制度

マドリッド制度のトップの出願国

ドイツから6,545件(全体の14.9%)の出願があり、2012年のマドリッド制度で最大のユーザーでした。アメリカ(5,430件)が2位につけ、フランス(4,100件)、スイス(2,898件)、イタリア(2,787件)と続きます。トップ10はおおむね変更がありませんでしたが、中国が2011年の6位から7位になりました。


解説図:2012に誰がマドリッド商標出願を
最もしたのか?PDF, Infographic, Madrid trademark applications 2012

2012年のトップ15のうち、日本から最大の出願件数の増加(32.9%増)があり、イギリス(22.4%増)、トルコ(21.7%増)、スペイン(13%増)、オーストリア(12.5%増)と続きます。ロシア(8.5%減)、オランダ(7.6%減)、ドイツ(7.1%減)からのマドリッド出願は大幅に減少しました。Annex 6 Annex 6をご参照下さい。

マドリッドのトップの出願人

スイスのNovartis AGが176件の国際出願で2012年のトップの出願人でした(Annex 7 Annex 7)。ドイツのBoehringer Ingelheim Pharmaが2位(160件)で、フランスのL’Oreal(138件)、イギリスのGlaxo Group(127件)、スイスのNestlé(105件)が続きます。トップ10の出願人のうち、Glaxo Group(76件増)、L’Oreal(71件増)、 Boehringer Ingelheim Pharma(62件増)、World Medicine of Turkey(61件増)から2012年の最大の出願件数の増加がありました。ドイツのBMW(41件減)、ベルギーのJanssen Pharmaceutical(35件減)、スイスのAbercrombie & Fitch(29件減)、スイスのPhilip Morris(22件減)から2012年の最大の出願件数の減少がありました。トップ30のリストの中に、ドイツから13社、フランスから8社が入っています。

領域指定された加盟国8

2012年の国際登録の領域指定及び事後指定の全体数は1.3%増加しました(Annex 8 Annex 8)。中国が最も領域指定を受けたマドリッド加盟国であり全体の6.1%を占めます。欧州連合(EU)及びロシア(双方とも5.1%)、アメリカ(5%)、スイス(4.1%)と続きます。領域指定されたトップ10のうち、中国(7.5%増)及びロシア(6%増)への領域指定が最も増加しました。一方、トップ10のうちスイス(1.7%減)への領域指定件数だけが減少しました。中所得国のうち、タジキスタン(26.8%増)、カザフスタン(18.4%増)、トルクメニスタン(11.1%増)及びモンゴル(10.1%増)への領域指定件数が大きく伸びました。

国際登録の区分

国際出願の際には、出願人は保護を求める商品又はサービスを特定した上で、いわゆる「ニース国際分類」の国際分類システムに沿って区分する必要があります。2012年に記録された国際登録のうち最も多い商品及びサービスの区分は第9類(コンピュータハードウェアやソフトウェアなど)で全体の9%でした。第35類(業務支援、広告、事業管理などのサービス)の7.4%、第42類(科学、産業又は技術的エンジニアやコンピュータ専門家などにより提供されるサービス)の5.6%、第25類(被服、履物や帽子など)の5.3%、第5類(医薬品その他の医療目的の調合剤など)の4.6%と続きます(Annex 9 Annex 9)。

トップ20区分のうち2つの区分で前年比で最大の増加率を記録し、第42類(科学、産業又は技術的エンジニアやコンピュータ専門家などにより提供されるサービス)が8.4%増加し、第33類(ビールを除くアルコール飲料)が7.3%増加しました。

ハーグ制度

ハーグ制度のトップの出願国

3,953の意匠を含む 663件のハーグ出願によりドイツがハーグ制度の最大のユーザーでした。そして、スイス(2,447意匠)、フランス(1,425意匠)、そしてイタリア(926意匠)と続きます。 上位15の本国の中で、ルクセンブルグ(156.4%増)とスウェーデン(94.7%増)が2012年の意匠出願数でもっとも大きな伸びを示しました。一方、米国(68.4%減)、スペイン(15.2%減)及びベルギー(13.2%減)が最大の減少を記録しました。9 Annex 10 Annex 10にすべての国の報告が記載されています。


解説図: 2012年に誰が最も多くのハーグ
意匠出願をしたのか?PDF, Infographic, Hague design applications 2012

ハーグ制度のトップの出願人

スイスのSwatch AGが81件の国際意匠出願をして、米国のプロクター・アンド・ギャンブル社をトップの出願人として抜きました(Annex 11 Annex 11)。ドイツのダイムラーAG(75件)が第2位にランクインし、オランダのフィリップス社(67件)、プロクター・アンド・ギャンブル社 (57件)、そしてドイツのアウディAG(54件)と続きます。the latterは、トップの出願人リストに始めて登場しました。プロクター・アンド・ギャンブル社は2012年には、2011年より110件少ない出願をしました。米国のジレット社(27件減)及びトルコのヴェステル社(21件減)もまた2012年には出願がかなり少なくなりました。ダイムラーAG(20件増)、フランスの Saverglass社(20件増)、フランスの Hermes Sellier社(14件増)、そしてイタリアのThun SPA(14件増)がもっとも大幅の伸びを示しました。上位25のヘーグ出願人リストは、ドイツの8企業及びスイスの6企業を含みます。

指定国10

指定に含まれる意匠の数は2012年には66,449に上り、2011から15.9%の増加でした(Annex 12 Annex 12)。 9,489の意匠でEUが最も多く指定されたヘーグ加盟国でした。そして、スイス(9,208)、トルコ(5,381)、ウクライナ(2,993)と続きます。ノルウェーは2010年からヘーグの加盟国であるに過ぎないのですが、指定国として第5位の指定を受けました。上位20の指定されたハーグ加盟国は、モロッコとシンガポールを除いて、増加が見られました。

分類クラスによるヘーグ国際登録

輸送又は物品の取り扱いのための包装及び容器に関する産業意匠登録がすべての登録の中で最大のシェアを占めました(クラス9; 10.6%)。置時計、腕時計及びその他の計量器(クラス10; 9.9%)、輸送・ 引き上げ手段(クラス12; 8.5%)、そして家具(クラス6; 8.2%)と続きました。上位20のクラスの中で、照明器具(クラス26; 50%増)、及び、輸送・ 引き上げ手段(クラス12; 46.8%増)が2012年の出願においてもっとも大きな増加を示しました。その一方、医薬・化粧品(クラス28; 35.2%減)は最大の減少でした(Annex 13 Annex 13)。

PCT、マドリッド及びヘーグ制度の背景情報

PCT制度

PCT 制度は多くの国々で特許権の取得を促進するものです。複数の国々への出願の手続きを簡素化し、保護を受けようとする各管轄への個別の出願までの猶予が与えられます。しかし、特許権を付与するかどうかの判断は国内または広域特許庁に委ねられており、特許権の効力も特許権を付与した機関の管轄に限られます。現在、PCT制度の締約国は146あります。

PCT制度に関する2012年の実績に関するデータのアップデート及び更なる分析については2013年4月にWIPOウェブサイトのWIPO’s Intellectual Property Statistics websiteで公表されるPCT Yearly Review: The International Patent System in 2012をご参照ください。

マドリッド制度

マドリッド制度 は、出願人が、制度に加盟する国/地域の知的財産官庁にひとつの国際出願をすることで、多数の加盟国において商標出願をすることを可能にしています。保護を求めるそれぞれの国の官庁に個別に出願する手間を省き、国際的な商標登録手続を簡便化します。これによって事後的な管理も簡単になり、記録の変更や更新などを単一手続で行うことができます。

マドリッド制度に関する2012年の実績に関するデータのアップデート及び更なる分析については2013年5月にWIPOウェブサイトのIntellectual Property Statisticsで公表されるMadrid Yearly Review: International Registrations of Marksをご参照ください。

ハーグ制度

ハーグ制度は、出願人が単一の出願をWIPO国際事務局に提出することにより、複数の国で産業意匠を登録することを可能にするものです。一つの出願に100までの異なる意匠を含むことが許容されることにより、この制度は効率性の改善に顕著な機会を提供します。更に、保護を求める各ヘーグ加盟国/地域の知財庁に別々の出願をするための要件を削減することにより、多数国での登録の手続きを簡素化します。ハーグ制度はまた、産業意匠登録のその後の管理を合理化します。なぜなら、ハーグ制度は変更の登録や登録の更新を単一の手続きで行うことが出来るからです。

2012年のハーグ制度の実績に関するデータのアップデート及び更なる分析については、2013年4月にWIPOウェブサイトのIntellectual Property Statisticsで公表されるHague Yearly Review: International Registrations of Industrial Designsをご参照下さい。

  • Annexes PDF, Annexes to PR/2013/732

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1 PCT制度は、ユーザーが一つの国際出願により複数の国々で同時に特許保護を求めることを可能にするものです。
2 WIPOは2012年に国内官庁に出願されたPCT国際出願を2013年に引き続き受理しますので、PCT出願データは暫定値です。
3 機密保持のため、上位出願人と技術分野別の出願状況は、出願件数ではなく、国際公開公報 に基づいています。公開日に基づく統計情報は、国際出願日に基づく情報と比べて約6ヶ月の遅延が発生します。
4 WIPOの運用する標章の国際登録に関するマドリッド制度によって、ひとつの国際出願によって複数国での商標登録が可能になります。
5 WIPOの産業意匠の国際登録のためのハーグ制度は、出願人がひとつの国際出願によって複数国において100の産業意匠まで登録することを可能にします。
6 一つのハーグ出願は、100までの個別の意匠を含むことができます。
7 国際公開されたPCT出願の技術分野別の内訳はWIPOの国際特許分類と技術の対応表に基づいています。
8 国際出願において、出願人はその商標の保護を求める国又は地域(EU)を指定します。
9 (ハーグ制度の)非加盟国に居住する出願人は、ハーグ制度の加盟国/地域の領域内において現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有している場合には、産業意匠の国際登録のための出願をすることができます。
10 国際出願において、出願人はその産業意匠の保護を求める国又は地域(EU)を指定します。

 

更なる情報については、WIPOのメディア関連セクションにお問い合わせ下さい。

  • Tel: (+41 22) - 338 81 61
  • Fax: (+41 22) - 338 81 40
  • E-mail

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