ハーグ制度物語: 株式会社クボタ– 未来を見据えたデザイン

株式会社クボタは、1890年、当時19歳だった久保田権四郎により、ダクタイル鉄管を含む金属鋳造品の製造・販売を行う鋳物メーカーとして創業されました。現在、クボタは、農業機械・小型建設機械・エンジンの分野における世界的リーダーのひとつに成長しました。また、クボタは、120を超える国々で、食料・水・環境の分野における持続可能なソリューションを提供しています。クボタの2020年度の売上高は1兆853億円 (約170億米ドル) でした。

1世紀以上前に創業者から受け継いだクボタの精神は、そのデザイン・意匠に具現化され、今なお生き続けています。クボタの企業理念とは何でしょうか。それは、普遍的な美観と卓越した技術を兼ね備えたユニークな製品を提供することです。

1890年頃のクボタの従業員の写真
Photo of a Kubota graphical user interface

今と昔 – 1890年頃のクボタの従業員。130年後の今では、クボタの建設機械で現代的なグラフィカルユーザーインターフェイス (GUI) が使用されている (国際登録 DM/209 365)。(写真提供: クボタ)

「壁」を乗り越える。「夢」を実現する。

世界各国で見かけるクボタの製品は、いまや農業・建設機械から配管システム・水処理施設にまで及びます。米カルフォルニアの耐震型水道管から、タンザニアのフード・セキュリティ (食料安全保障) 対策まで、高すぎる「壁」はないようです。これを可能にしているのは何でしょうか。それは、汎用的・機能的なデザインと、顧客との密なコミュニケーションの融合によって実現されています。

Kubota brand statement – For Earth, For Life

「For Earth, For Life」 – クボタグループは、美しい地球環境を守りながら、人々の豊かな暮らしをこれからも支えていくことを約束します。

クボタの製品デザインに対する現場主義的な基本姿勢は、130年以上前から受け継がれており、同社のデザイナーには、顧客の視点からしっかりと未来を見据えることが求められます。現地のターゲット市場における変わり続けるニーズや将来的なニーズに対応すべく、デザインを常に変化させ続けています。クボタの企業理念によれば、「デザイン」とは、かくあるべきと考えられます。

  • 未来志向 – 未知の課題を見つけ出し、解決していく。
  • 機能的 – 機械のデザインがどんなに先進的なものであっても、使いにくければ、全く役に立たない。
Photo of a Kubota digger
Photo of a Kubota tractor
Photo of a Kubota combine harvester

"Built to perform and built to last" (よく働き、よく持つよう造る) – 世界中で使用されているクボタの製品は、どれも、効率・パフォーマンス・使い心地・耐久性を念頭に置いてデザインされています。 (写真提供: クボタ)

ユーザの皆様には、真のイノベーションがもたらす「価値」を体感していただきたいと思っています。「価値」を左右するのは、なにより、実用性のある道具です。イノベーションにおける「デザイン」の役割は、そこにあります。

クボタ

未来を見据えたデザイン

2020年にそのデザインが発表されたクボタのコンセプトトラクタ「夢のトラクタ」は、クボタのデザイン理念を端的に具現化するものです。

一見すると、そのデザインは旧来の意匠とはかけ離れていて、まるでSF映画から飛び出したもののようです。全自動・電動で遠隔監視可能なグリーンテック (環境保全) 型の「夢のトラクタ」は、クボタにとって「スマート農業」の未来を象徴します。

Photo of Kubota's concept tractor
クボタのコンセプトトラクタは「スマート農業」の未来を象徴する。 (写真提供: クボタ)

「夢のトラクタ」は、クボタの最先端の革新的デザイン・技術力を見せつけるだけでなく、サステナビリティ関連の諸問題を解決するゲーム・チェンジャーとしての未来への志を表します。

意匠保護 – 田舎道から国際高速道路まで

クボタの機械製品 (トラクタ、コンバイン、田植機、建設機械等) には、すべて、クボタの企業ロゴ (「Kubota」の文字と、楕円に「K」のマーク) が付けられています。クボタでは、統一されたデザインとオレンジ色のカラーパレットを全製品に使うという「ファミリー・ルック」戦略を採用し、企業のブランド価値を高めるための手段として「デザイン・意匠」を利用してきました。

これまでクボタは、まず日本国特許庁に対して国内意匠出願をしてから外国での保護を求めてきましたが、欧州市場での事業拡大を受け、その意匠保護のためにWIPOのハーグ制度を利用するようになりました。現在、クボタは34の国際登録を保有し、その恩恵を受けています。

Photo of Shinobu Nakanishi, Kubota, Japan
中西 忍氏 (写真提供: クボタ)

クボタでは、現在、主に欧州での保護を求めて国際出願をしていますが、1つのハーグ出願で多くの国を指定すれば、それだけ有利になると考えます。ハーグ制度では、1つの出願に複数の意匠を含めることができ、複数の国に出願できるため、明らかに出願料は減りましたし、出願手続もシンプルになりました。また、現地代理人によらず、eHagueを通じて迅速に出願することができます。当社では、意匠権を模倣品対策として有効活用しています。海外セールスが急激に増えているので、我々にとってはありがたい制度です。

株式会社クボタ 知的財産部 中西忍氏

クボタ - 人と地球が持続可能に共存共栄できるよう、一歩先の製品やサービスをデザインする。

ハーグ制度について

WIPOのハーグ制度は、1つの言語で単一の出願を行い、手数料一式を支払うことにより、同時に複数の国/地域において意匠権の出願・管理を行うことができる国際的枠組みを提供します。

詳しい情報

Author's note: My sincere gratitude to Kubota for making the writing of our very first Hague System story so straightforward. It's a pleasure to be collaborating up close with our Customers.