インドネシアのパーム油価値化プロジェクト:最初に特定されたニーズ

2021/07/01

WIPO GREENチームと現地のパートナーによるインドネシアでの促進プロジェクト2021の最初の3か月間の進展と、最初の4つの新しい環境技術のニーズについて紹介します。

促進プロジェクト2021:パーム油廃棄物の価値化

インドネシアは世界最大のパーム油生産国であり、国内で600以上のパーム油工場があり、2020年には約4,830万トンのパーム油を生産しています。この事業の環境面での課題の1つは、パーム油の生産時の副産物であるパーム油工場廃水(POME)に関するもので、これは水、油、固体粒子や繊維の無毒な混合物です。粗パーム油1トンにつき、最大7.5トンの水が必要とされ、この水の50%以上が最終的にPOMEとして排出されると推定されています。この廃水は有機物を非常に多く含んでおり、一般的にはラグーンとも呼ばれる大きな開放型の池に貯蔵されます。これは、非常に強力な温室効果ガスであるメタンの大量排出を引き起こす可能性があり、地域の河川システムに放出されたときに動植物に被害を与える可能性があります。しかし、有機物の含有量が高いということは、同時に、バイオガスの生産やその他の環境に優しいリサイクルの大きな可能性があることも意味します。

WIPO GREENは、環境NGOであるWinrock Internationalと協力して 、パーム油工場のPOMEの管理・利用に関する環境技術の解決策と、既存の技術的解決策とのマッチングを図っています。

注目のニーズ

嫌気性消化槽排水の分離技術

期限:2022年6月29日
場所:インドネシア、バンカ島

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写真:ウィンロックインターナショナル

設備容量が2メガワットのバイオガス発電所は、毎時35トンの処理能力を持つ工場からPOMEの供給を受けています。この工場は、汚泥またはケーキ(脱水処理の過程で生じる汚泥を処理して固めたもの)を排水から分離し、ケーキを肥料として使用し、排水を土地利用またはさらなる処理に使用することに関心があります。ケーキの品質をさらに分析して、ミネラルの含有量を調べる必要があります。また、乾季になると工場で水不足が発生するため、最終排水の再利用の可能性にも関心があります。

注目のニーズ

オープンラグーンを用いた既存のPOME処理による温室効果ガス(GHG)排出量の削減

期限:2021年12月30日
場所:ムアラブンゴ、ジャンビ州、インドネシア

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写真:ウィンロックインターナショナル

工場の能力は毎時60トンであり、1日の平均的な生の果房の処理量は700〜900トンになります。この工場は、メタン回収プロジェクトやその他のPOME処理技術の合弁事業スキーム(Build-Own-Operate-Transfer方式)を模索しています。メタン回収は、追加的な収益を生み出すことができるため、望ましい解決策です。工場には自前の植林地はなく、追加の電力需要もありません。投資家にバイオガスや堆肥などの強力な買い手がいる場合に限り、投資家との協力を歓迎します。

注目のニーズ

パーム椰子空果房の処理

期限:2021年12月30日
場所:ムアラブンゴ、インドネシア

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写真:ウィンロックインターナショナル

毎時60トンの生産能力を持つこの工場では、1日に約140〜180トンの空果房(EFB)が発生します。この固形廃棄物は、パーム油工場の負担となっています。害虫や病気が発生しやすい環境を作り、温室効果ガスを大気中に放出してしまうのです。工場では、この廃棄物を有機肥料に変え、持続可能な農業を促進する技術を探しています。EFBの処理は、堆肥化プロセスなどでPOME処理と組み合わせることができます。

注目のニーズ

硫化水素含有量を削減する技術

期限:2022年6月29日
場所:インドネシア、バンカ島

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写真:OKSEN / WIPO GREEN

設備容量が2メガワットのバイオガス発電所は、毎時35トンの処理を行う工場からPOMEを受け取ります。ここでは、エンジンまたは発電機に入る硫化水素(H2S)のレベルを500ppmから200ppm未満に下げることができる技術、メカニズム、または方法を必要としています。

該当する解決策をお持ちの方、またはご存じの方は、データベースを通じて探している方に連絡いただくか、WIPO GREENチームに連絡してください。

このプロジェクトのさらなる段階では、東南アジア地域のパーム油産業をより持続可能なものにするという最終的な目標に向けて、技術的な解決策のリストを作成し、その実用性と経済的な実現可能性を分析します。

中部ジャワの農業環境研究所(BALINGTAN)によるバイオ炭生産

農業省傘下のインドネシアの持続可能なパーム油規格(ISPO)の研究開発部門では、農業から出る副産物を簡単な熱分解プロセスでバイオ炭や活性炭に変換する方法を紹介しています。また、くん液も副産物として生成され、農薬やその他の目的に使用できます。この技術は、パーム油工場から出る主要な有機廃棄物である空果房にも適用できます。

WIPO GREEN促進プロジェクト

WIPO GREEN促進プロジェクトは、特定の地域や技術領域に焦点を当てています。その目的は、特定の分野における環境技術の展望に関する関連知識を生み出し、国内外の様々な商業ネットワークへの入口を作ることです。各プロジェクトでは、環境技術の希望者と提供者は、環境技術の展開や移転につながる可能性のあるコネクションを作ります。

促進プロジェクトの例:ラテンアメリカの環境技術

WIPOGREENについて

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