【プレスリリース】顧みられない熱帯病に関する研究を目的としてWIPO Re:Searchに基づき締結された最初の契約

2012/10/29

ジュネーブ、2012年8月23日
PR/2012/719

アストラゼネカは、 WIPO Re:Search(WIPOリサーチコンソーシアム)を通じ、i Themba Pharmaceuticals(南アフリカ)、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(米国)、ダンディー大学(英国)と契約を締結したため、8月、顧 みられない熱帯病の治療薬を開発する研究に進展が見られました。

3件の契約は、WIPO Re:Searchイニシアティブに基づき成立した最初のパートナーシップであり、世界知的所有権機関(WIPO)、大手製薬会社、学術・国立研究所、 バイオベンチャーズ・フォー・グローバルヘルス(BIO Ventures for Global Health)が参画する顧みられない熱帯病の治療薬発見と開発を推進するためのかつてない連携です。世界保健機関はWIPO Re:Searchに関して、WIPOへ専門的なアドバイスを提供します。

「あるパートナーから別のパートナーに技術を移転するためのこのような契約も、発足後1年に満たないWIPO Re:Searchの成功を判断する重要な手がかりである」そして、「当初からWIPO Re:Searchのメンバーであるアストラゼネカが、この最初の契約を締結することに成功したことは誠に喜ばしく、来るべき数週間、数カ月間でより大きな成果が出ることを楽しみにしている」と、フランシス・ガ リWIPO事務局長は語りました。

アストラゼネカ感染症革新的医薬ユニットを率いるManos Perros氏は、「顧みられない熱帯病に苦しんでいる、十分なサービスを受けられない人々のニーズに対処することによって、WIPO Re:Searchを通じ、世界の人々の健康を真に改善することができるすばらしい機会を我々は産業界として与えられている。この3つのパートナーシップは、アストラゼネカにとって、我々が一致団結し、専 有情報を共有し、可能な解決策について協力し合うことで、このような難病の治療の研究開発をいかにスピードアップしていくことができるかを示す手始めにすぎない」と述べました。

2011年10月の発足以来、WIPO Re:Searchは当初の30の参加団体から現在は、全5大陸に及ぶ50の参加団体へと成長しています。WIPO Re:Searchの条件に従い、参加団体は、顧 みられない熱帯病、マラリア、結核に研究の重点を置くことを条件に、知的財産(例えば、製薬成分、新薬発見技術、規制データ、ノウハウなど)を、世界中の有資格研究者に使用料無料(ロイヤリティ・フリー)で 提供することに同意しています。また、この研究から生まれた製品は、後発開発途上国(LDC)における販売に関して、使用料無料です。

顧みられない熱帯病は149カ国で蔓延し、世界中の10億人以上の人々が侵されています。利用可能な関連知的財産、情報、資源の検索可能な公開データベースを提供することによって、WIPO Re:Searchは新しい研究パートナーシップを促進しています。パートナーシップ管理のハブ的役割を担うバイオベンチャーズ・フォー・グローバルヘルスは、参加団体間のパートナーシップ機会を積極的に見出し、 顧みられない熱帯病、マラリア、結核の新薬開発を推進するための提携の円滑化を進めています。

この取り組みにより アストラゼネカはシャーガス病、睡眠病、住血吸虫症(巻貝熱)、結 核の新たば治療を研究する研究機関と提携することになりました。具体例は次の通り:

  • カリフォルニア大学サンフランシスコ校 (UCSF):当初は、変 形性関節炎のために開発されたアストラゼネカの成熟型カテプシン阻害剤が、2つの寄生虫病(住血吸虫症とキネトプラスト症)に関する生化学・表 現型スクリーニングによりUCSFの研究者によってその活性が試験されます。住血吸虫症は内蔵に害を与え、子供の成長と知的発育を阻害し、尿路型は成人の膀胱がんのリスクを高める可能性があります。キ ネトプラスト症には睡眠病とシャーガス病が含まれます。
  • ダンディー大学:研究者は、シャーガス病、リーシュマニア症、睡眠病の原因である寄生虫に対して、 グリコーゲン合成酵素キナーゼ(GSK)-3阻害剤(当初はアルツハイマー病の潜在治療薬として開発された)の一部を試験します。
  • iThemba Pharmaceuticals:アストラゼネカは、結 核の最新治療薬として意図された化合物であるiThembaのイソクエン酸リアーゼ抑制剤の開発のために算定と医化学の側面からiThembaを支援します。

「我々は、アストラゼネカがWIPO Re: Searchにコミットした最初の結果が分かることにワクワクしている」そして、「これらの連携は、WIPO Re: Searchのパートナーシップ・ハ ブにとって、重要な到達点であるとともに、結核、住血吸虫症、リーシュマニア症、アフリカ睡眠病、シャーガス病の治療薬の開発を加速するための第一段階である」と、バイオベンチャーズ・フォー・グ ローバルヘルスCEOのドン・ジョゼフは語りました。

WIPOについて

世界知的所有権機関(WIPO)は、好ましい変化を達成するためのイノベーションと創造性を促す力として、知的財産を推進する主導的グローバルフォーラムです。

WIPOは国連の専門機関であり、進化し続ける社会的ニーズを満たすため、バランスのとれた国際的知的財産の法的枠組みの発展において、WIPOの185の加盟国を支援しています。W IPOは複数国で知的財産権を取得し、紛争を解決する業務サービスを提供します。キャパシティ・ビルディング・プログラムを提供し、開発途上国が知的財産を使用することで利益を得る手助けを行います。また、独 自の知的財産情報知識バンクへの自由なアクセスを提供します。

WIPO Re:Searchについて

WIPO Re:Searchはバイオベンチャーズ・フォー・グローバルヘルス (BVGH)とのパートナーシップによりWIPOが主導する取組みです。 このコンソーシアムは多数の世界的大手製薬会社、研究機関、政府、非政府組織で構成されています。官民セクターの組織は、 WIPO Re:Searchを通じ、顧みられない熱帯病の有資格研究者が、貴 重な知的財産及びその他の資源を使用料無料で世界のどこからでも利用できるようにしています。WIPO Re: Searchの参加団体は、顧みられない熱帯病、マラリア、結核の予防、診断、治 療のための製品を開発するために協力する。

バイオベンチャーズ・フォー・グローバルヘルスについて

バイオベンチャーズ・フォー・グローバルヘルス(BVGH)は、開発途上世界の満たされない医療ニーズに取り組む生物医薬品業界による新薬、ワクチン、診 断法の開発を加速することで命を救うことをその使命とする非営利組織です。この組織は、グローバルヘルスコミュニティの目標と生物医薬品会社の実利的ニーズの間に共通点を見出すために、バ イオテクノロジーとグローバルヘルスが交わる領域で活動しています。詳しくは www.bvgh.orgをご覧ください。

詳しい情報については、WIPOのメディア関係課にお問い合わせください。

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