V'ghn

V'ghn: グレナダのソカ・ミュージックの王子であり、WIPOの最新のIPユースアンバサダー

著者: WIPOアカデミー 

2025/04/23

共有

グレナダは賑やかな音楽シーンの本拠地であり、ジャズ、レゲエ、ダンスホールやソカのアーティストが世界の舞台で競い合います。Jevaughn John氏は、V'ghnの愛称でも知られる28歳のソカのミュージシャン、ソングライター兼プロデューサーです。Spotifyで全世界に約10万人のリスナーがおり、最近ではVirgin Recordsと契約を結びました。彼に、音楽業界で育った経験から得た重要な教訓を語っていただきました。

子供の頃、Jevaughn John氏は毎晩父親がギターを弾くのを聴き、午後はグレナダのグヤヴェにあるSpices Dance Companyで踊っていました。彼は6年間経ってパフォーマーとなり、11歳でソカのデュオとして作曲を始めました。

16歳でグレナダで開催された2013 National Soca Monarch (2013年全国ソカ・モナーク) コンペティションでソロアーティストとして評価を受けました。その6年後、トリニダード・トバゴで開催された International Soca Monarch (ソカ・モナーク国際) コンペティションで優勝し、グレナダ出身の音楽家として初めてトップ3入りを果たしました。彼の曲「Trouble in the Morning」はGroovy部門で受賞しました。

同年、V'ghnはグレナダ、カリャク、プティット・マルティニークの文化大使に任命され、若くして彼の国の音楽業界に貢献したことが認められました。2025年4月には、世界知的所有権機関 (WIPO) の最新のIPユースアンバサダー (IP Youth Ambassador) に就任しました。

「グレナダのWIPO IPユースアンバサダーになれたことを誇りに思います」と、V'ghnはその知らせを聞いて述べました。「私のような若いクリエイターに良い手本を示すことで、私の業界が提供できるものを表現したいのです。」

赤と茶色の色調のキャップをかぶり、歌手がよく使うインイヤーモニターをつけたV'ghnのクローズアップぼんやりとした暖かい光に照らされた背景の前で、彼は微笑みながら遠くを見つめています
V'ghn

V'ghnはそれまでは個人で音楽制作・配信を行ってきましたが、2025年にVirgin Records傘下のレーベルであり、ロンドンを拠点とするEGA Distro Ltd社と10曲の契約を結びました。契約する前に、彼は知的財産 (IP) について深く研究し、できるだけ多くのことを学ぼうとしました。彼がマスター音源を保持してインディペンデントアーティストとして活動を続けるために、10曲の契約に落ち着きました。

「業界は容赦ないところがあります。そのため、アーティストができる最も重要なことは、自分自身を守り、知的財産を含む自分の権利について学ぶことです」とV'ghnは説明します。「音楽には年金はありません。アーティストは、スタジオでの録音よりも音楽ビジネスの方がはるかに重要な局面があることを覚えておく必要があります。」

私のようなアーティストにとっての知的財産は、著作権だけにとどまるものであってはなりません。

ほとんどのアーティストと同様に、彼は収入の60%をパフォーマンスから得ていますが、ストリーミングは15%にとどまっています。彼は、ブランドと提携して視聴者に製品を宣伝することも行っています。その経験を通じて、彼はIPの別の側面を学びました。

「私のようなアーティストにとっての知的財産は、著作権だけにとどまるものであってはなりません。」と彼はいいます。「商標も大切です。私の仕事のブランディングやビジネスの側面は、私が自分の将来を自分の音楽でどれほど支えられるか、を測ることができるものです」

ソングライターとして、彼にとって最も重要なことは、彼の仕事が評価を受けることです。「私はNadia Batson、Blaxx、Skinny FabulousやKonshensなど、業界の多くの友人たちのために曲を書いています。作ってくれと頼まれることもあれば、自らその友人たちに合っていそうな曲を考え付くこともあります。普段は歌詞に対する報酬を求めません。ただ私の貢献を認めてくれさえすれば満足です。」

V'ghnは、Eastern Caribbean Collective Organization for Music Rights (ECCO) Inc.のメンバーであり、この地域での彼の音楽の著作権についてはこの団体の支援を受けています。

「いつまでもステージに立つわけにはいきませんが、音楽のストリーミングは永遠に続きます。音楽は決して死なないのです。ですから、クリエイターとして重要なことは、自身のIPを著作権で保護し、管理することです。なぜなら、それは私たち自身に利益をもたらすだけでなく、私たちの次の世代に良い生活を送る機会を授けるものでもあるからです。」

彼は現在、2025年春にリリース予定の新しいEPに取り組んでいます。

IPユースアンバサダー (IP Youth Ambassador) は、WIPOアカデミーが運営する国際的な授賞プログラムであり、革新的で、エネルギッシュ、かつ創造的な若者に対して、彼らの創造性と革新への貢献について表彰を行っています。IPユースアンバサダーについて知識を深めたい方は、アンバサダーの全プロフィールをオンラインで閲覧することができます。