注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

国際出願を特定の国において特許以外の保護を求める出願として取り扱われるよう請求すること

Q: 特定のPCT締約国において特許以外の保護の請求を行いたい場合、国際出願する時に国際出願にその旨を明記するべきでしょうか?

A: 第一にご注意頂きたいのは、特許以外の保護は、指定官庁がその種類の保護を付与している場合に限り請求が可能なことです。各PCT締約国で取得可能な種類の保護については、PCT出願人の手引 附属書Bの該当部分、並びに以下のページ "Types of Protection Available via the PCT in PCT Contracting States" に掲載されています。

/pct/en/texts/typesprotection.html

特許以外の種類の保護の例としては、実用新案、実用証、小特許若しくは発明者証があります1

一般に出願人は、出願時に願書(様式PCT/RO/101) 又はePCT出願に、特定の国において求める具体的な種類の保護を表示する必要はありません。それはPCT規則4.9(a) に基づき、願書の提出は、国際出願日にPCTに拘束されている全ての締約国の指定、関係する各国を指定することによって取得可能な全ての種類の保護を求める旨の表示、そして該当する場合には、広域特許及び国内特許2を求める旨の表示を構成するためです。そのため国際段階期間では、特定の保護の種類を請求するための要件や機関はありません。ただし出願が追加特許、追加証、追加発明者証若しくは追加実用証 (PCT規則4.11(a)(i))、あるいは先の出願の継続出願若しくは一部継続出願 (PCT規則4.11(a)(ii)) として取り扱われることを希望する場合には、願書に特定の表示が要求されることがあります。

出願人が、国際出願がPCT第43条が適用する3 特定の指定国又は選択国において、当該指定国又は選択国の国内法令に定める、特許とは別の種類 (若しくは可能であれば特許に加えて他) の保護を求める出願として取り扱われることを希望する場合には、PCT第22条若しくは39条(1) に規定される、国内 (若しくは広域) 段階移行するための行為を行う際に、直接当該指定国又は選択国に対し選択した保護を表示して下さい。但し、出願人が希望する保護を表示すべき時期については、適用される国内法令によって異なり、例えば、一部の指定 (若しくは選択) 官庁は、国内移行の後でも出願人が保護の選択を表示できることを認めています (PCT規則49の2.2(b))。また、二種類以上の保護を求める場合には、主として求める保護の種類を表示するよう要求されることもあります (PCT規則49の2.1(b)) のでご注意下さい。PCT第22条に規定する行為を行っている際に、出願人が特許以外の種類の保護を希望する旨を明示的に表示しない場合には、指定官庁はその出願を特許を求める出願として取り扱います。

注意して頂きたいのは、国際出願において氏名が記載されている出願人が複数いる場合で、あるPCT締約国において複数の種類の保護を求めることが可能な場合であっても、それぞれの出願人がそれぞれ異なる種類の保護を求める表示はできないことです。ある指定国において国内及び広域特許の双方を求めることが可能な場合も同様です。

また出願人が特定の種類の保護を求めたとしても、官庁の多くは (例えば実用新案出願 (又は実用新案) から特許出願 (又は特許)、あるいはその逆のように) ある種類の保護を別の保護へ後日変更することを認めています (PCT規則49の2.2(b))。但し、この手続には特別な手数料の支払が必要となる場合があります。通常、変更は出願人によって行われますが、一部の官庁では、適切な場合には職権により出願の種類の保護を変更することができます。

異なる種類の保護を求める際や、ある種類の保護を別の保護へ変更する場合の指定官庁の特定の要件に関する詳細は、以下のPCT出願人の手引から該当する国内段階の章をご参照下さい。

/pct/en/guide/

(訳者注: ページ右上の言語切替ドロップダウンリストから日本語が選択可能)

  1. 一部の国ではその国内法令では特許以外の保護の付与を規定していても、「国内ルートを閉鎖」している場合がありますのでご注意下さい。つまり当該国の指定は広域特許を求める目的においてのみ可能であり、そのため当該国について他の種類の保護は、PCT経由では取得できません。他の種類の保護、例えばフランスの "certificat d'invention" (発明者証) は、直接国内出願する場合に限り請求可能です。なお上述した、PCT出願人の手引及びPCT締約国における保護の種類を記載した一覧には、PCT経由で取得できない種類の保護については記載されていません。
  2. 国内特許の種類を問わず、特定の国 (具体的にはDEドイツ、JP日本国、KR韓国) の指定を (取消不能で) 除外する必要がある場合、みなし全指定には例外があることを認識しておくべきです。出願時又は出願後にPCT規則26の2.1に基づく優先権主張が追加された場合、PCT規則4.9(b) がこれらの国のいずれかに適用され、国際出願が当該国においてされた先の国内出願の優先権を主張している場合には、当該指定の除外が強く推奨されます。当該国の指定を取り消すことにより、優先権を主張する先の国内出願が効力を失うという事態を回避することができるためです。
  3. PCT第43条は、ある国の国内法令が特定の種類の保護を与えることを定めている場合には、出願人は国際出願がその特定の保護を求める出願であることを表示することができる旨を規定しています。