小規模な仕立て屋から世界規模で保護されるブランドへと成長したダウンウェアのグローバルブランドBosidengは、職人技と知財戦略を礎としています。
1976年、高徳康氏は、中国江蘇省常熟市で、10人の職人と8台のミシンを使い、小さな仕立て屋を開業しました。そのつつましい工房は、やがて世界最大級のダウンウェアブランドであるBosideng International Holdings Limited(ボシデン、波司登) (以下「Bosideng社」) へと成長しました。
高氏は当初、他社ブランドの衣料品を製造していましたが、すぐに自社ブランドを構築することの重要性に気づきました。1992年、同氏は「Bosideng」という商標を登録しました。この名前には、世界に「温もりをもたらす」という、シンプルでありながら強力な抱負が込められています。

同ブランドは今もその使命に全力を注ぎ、職人技を磨き続け、技術を革新し、デザインを高めています。その結果、Bosideng社は、世界最大級のダウンジャケットメーカーとして広く認知され、30年以上連続で、中国で最も売れているダウンウェアブランドとなっており、2年連続で、ブランド価値が1,000億中国元 (約145億米ドル) を超える中国ブランドの一つとなっています。
中国のダウンウェアブランドをグローバルなファッションの舞台へ
Bosidengは、50年かけて技術を進歩させ、中国南部の小さな企業から世界的に認められたブランドへと進化し、72か国で冬に温もりをもたらしています。技術的な専門知識を、安定した温もり、軽量で快適な着心地、人間工学に基づいたフィット感といった具体的な体験に変えることで、都市の日常でも大自然の中でも、人々が自由に、そして自信を持って生活を楽しめるよう支援しています。
Bosideng社は、機能的なテック系ファッションのグローバルなパイオニアとなることを目指しており、ニューヨーク、ミラノ、ロンドン、パリの4つの主要な国際ファッションウィークすべてでその地位を確立し、世界の舞台で中国のダウンジャケットのイメージを高めています。

Bosideng社は、「温もり」の意味そのものを広げる努力もしています。国連グローバル・コンパクト (UNGC) のメンバーである同社は、持続可能な開発目標を積極的に支持し、生産のあらゆる段階で炭素削減の取り組みを実施し、温もりにさらに深い意味を与えています。
ファッションブランドがなぜ自社の商標を国際的に保護すべきなのか
Bosideng社は、グローバル市場に照準を合わせる中、未開拓の市場における商標冒認出願や偽造品リスクが常に存在するという、多くの野心的な中国ブランドが同様に立ち向かっている困難な課題に直面しました。
ブランドの価値がすべてであるファッション業界では、極めて重大な事態です。悪質な商標登録が主要市場で1件でもあれば市場参入が阻まれ、偽造品が1点でも出回れば、数十年かけて築き上げた消費者の信頼が損なわれかねません。
50年の伝統をもち、職人技と世界的な名声を誇る中国のブランドにとって、戦略的な知的財産 (IP) 保護を後回しにすることはできず、国際的な拡大の基盤とする必要がありました。
Bosideng社がいかにしてグローバル商標ポートフォリオを管理しているか
この課題を解決するために、Bosideng社は、WIPOのマドリッド制度に目を向けました。これは、単一の出願で複数の輸出市場を保護できる制度であり、多数のブランドを擁するダイナミックなファッショングループのニーズに完全に合致するソリューションでした。

Bosideng社は、1997年に最初の国際商標出願を行い、50の輸出市場で保護を求めました。この登録は現在も有効であり、ほぼ30年経った今でも完全に保護されています。
- コスト効率: 多数の商品カテゴリーにわたって複数のブランドを管理するグループにとって、各国で個別に出願する場合と比べ、大幅なコスト削減につながります。
- プロセスの合理化: Bosideng社は、中国国家知識産権局 (CNIPA) に直接中国語で単一の出願を行うことができるため、対象国ごとに個別の翻訳、公証、現地の法律顧問を用意する必要がなくなります。
- 一元管理: マドリッド制度により、Bosideng社は、国際商標登録の状況と更新期限をすべて単一のポータルから監視し、期限を逃さないようにすることができます。
- 柔軟な拡大: Bosideng社は、グローバルに拡大するファッションブランドの成長速度に完全に対応できる柔軟性を備えたマドリッド制度の事後指定手続きを通じて、いつでも保護を新しい市場に拡大できます。
戦略的なグローバルブランディングでBosideng社の規模を拡張
マドリッド制度を通じて、Bosideng社は、14件の有効な国際商標登録のポートフォリオを構築しており、そのほとんどすべてで世界の数十の輸出市場を指定しています。注目すべきことは、これら14件の国際登録によって、何百個もの個別の国における権利を一元管理された単一のシステムで保護し、管理し、更新することができることです。
この強固な基盤のおかげで、Bosideng社は、「商品輸出」から「ブランド輸出」へと、抜本的な戦略的変革を遂げることができました。同社はもはや、単に衣料品を海外に輸出するだけでなく、ロンドンに旗艦店をオープンし、パリでファッションショーを開催し、伝統的な中国の文化的要素を国際的に保護されたデザインに統合するなど、グローバルなブランド価値を構築しています。
「マドリッド制度を知財戦略の要 (かなめ) として活用することで、Bosidengブランドがどこに進出しても保護されるという確信のもと、私たちが最も得意とすること、すなわち世界トップクラスのダウンウェアの製造に集中することができています。これにより、世界中の消費者に温もり、スタイル、そして中国の職人技をお届けするというビジョンを、自由に追求できます。」
Bosideng社
Bosideng社の歩みは、本物の職人技、大胆なイノベーション、そして先見性のあるグローバルな商標保護が一体となって機能することで何が可能になるかを雄弁に物語っています。これは、地域での成功からグローバルな現象へと至る、実証済みの道筋です。
Bosideng社の国際商標登録の詳細をご覧ください。
マドリッド制度について
マドリッド制度は、単一の言語による単一の出願を提出し、単一の通貨で一括して手数料を支払うことで、130を超える国で商標を登録することができる、便利で費用対効果の高いソリューションです。