PCTニュースレター 11/2023: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
ePCTを利用した第19条補正の提出
Q: 当方は弁理士事務所の新人パラリーガルです。クライアントのためPCT第19条に基づき国際出願の請求の範囲の補正書を提出するよう指示されました。補正書を提出する正しい方法は何でしょうか?
A: 出願人は国際調査報告 (ISR) を受け取った後、PCT第19条に基づき、国際出願の請求の範囲について一回に限り補正をすることができます。補正書は、以下のうちいずれか遅く満了する期間内 (PCT規則46) に (受理官庁でも国際調査機関 (ISA) でもなく) 国際事務局 (IB) に提出しなければなりません。
- ISRとISAの見解書の送付日から2か月、又は
- 優先日から16か月が満了する前1。
請求の範囲の補正書の提出には、ePCTの「アクション」を利用してテキスト形式 (DOCX又はテキストベースのPDF形式) で行う方法が最も効率的です。

テキスト形式ではない第19条の補正書については、「ドキュメントアップロード」機能を利用することができ、ePCTにおける国際出願の高度な認証やアクセス権は不要です。しかしながら、出願人の皆様には完全なアクセス権を有するePCTを利用して、テキスト形式で第19条の補正書を提出することをお勧めします。そうすることにより、全ての要件が満たされているかを確認するリアルタイム検証チェックを受けることができます。
以下のいずれかの事由により第19条の補正書が提出できない場合には、ePCTシステムは手続を中断します。
- ISRがまだ発行されていないか、少なくともIBではまだ受領されておらず、ePCTにアップロードされていない場合。
- 補正書が既にIBに受領され、処理されている場合。
- 期間が満了し、国際公開の準備が完了している場合。
- ISAが第17条(2) に基づきISRを作成しない旨を宣言した場合 (PCT出願人の手引014項参照)。
請求の範囲の補正に関する提出書類には、以下を含めて下さい。
(i) 最初に提出した請求の範囲を差し替える請求の範囲一式
補正された請求の範囲一式の提出が必要なことにご留意下さい。補正された請求の範囲は、国際出願が公開される言語で記載され、差替え用紙として提出される必要があります。補正された請求の範囲を含む差替え用紙には、マークアップテキストは含めずに、クリーンテキストのみを含めて下さい。
また、PCT第19条に基づき、補正は出願時の国際出願の開示を越えてはならないことに留意することも重要です (ただし、指定国の国内法令がこれを認めている場合はこの限りではありません2)。
ePCTアクションを利用して補正書を提出する場合には、補正された請求項の合計数を記載する必要があります。DOCXファイルの場合にはシステムが請求項の合計数を抽出し、可能であればテキストベースのPDFファイルが添付されている場合にも合計数を抽出します。そうでなければ、補正された請求項の合計数を手動で記載することもできます。請求項が削除される場合には、他の請求項の番号を付け直す必要はありません。ただし、請求項の番号を付け直す場合には、連続した番号に変更する必要があります。
サンプルファイルやテンプレートへのリンクは、それぞれ以下からPCT全公開言語でご利用いただけます。
- https://pct.wipo.int/DocConverter/pages/amendedClaimsSampleFiles.xhtml 及び
- https://pct.wipo.int/DocConverter/pages/amendedClaimsTemplateFiles.xhtml
(ii) 書簡には出願時の請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違点、さらに補正の根拠を記載すること
第19条と規則46に準拠するためには、(PCT実施細則第205号に従い) 補正後の請求の範囲には、出願時の請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違点を説明し、且つ出願時における国際出願中の補正の根拠を表示した、英語かフランス語の書簡を添付して提出する必要があります。この書簡には国際出願に記載した各請求項に関して、次の事項を表示して下さい。
- 請求項は、変更しません。
- 請求項は、削除します。
- 請求項は、追加です。
- 請求項は、出願時の一つ以上の請求項と差し替えます。
- 請求項は、出願時の一つの請求項の分割の結果です、等。
補正の根拠を示すことにより、審査官は出願に記載された詳細な補正の根拠を参照し、補正が出願時における国際出願の開示を超える主題を含むかどうかを評価することができます。「出願時の明細書を参照」や「出願時の請求の範囲を参照」のような非特定的な表示は、通常は十分であるとはみなされません。補正後の請求項の合計数として示された数字をもとに、変更されない請求項を含めて、各請求項の番号が一覧に記載されていることを確認して下さい。(詳細は/pct/en/faqs/amendments_19_and_34.htmlをご参照下さい)。
また、PDF形式の書簡を添付することも可能です。しかしながら、全ての補正に確実に説明がなされるように、ePCTインターフェースを利用して標準書式による添付書簡を作成することをお勧めします。システムは、変更に関する根拠の表示が必須である各請求項について、"Amended" 「補正後」又は "New"「追加」と表示される説明がなされていることを確認します。
必須項目が全て入力されると、添付書簡がプレビューできるようになり、アクションがIBに提出される際に、補正された請求の範囲に添付される文書としてレンダリングされます。
(iii) 第19条に基づく説明書 (任意)
出願人は補正された請求の範囲を提出する際、補正並びにその補正が明細書や図面に与えることのある影響について、第19条に基づき簡単な説明書を任意で添付することができます。説明書は英語か仏語で作成し、英語や英訳の場合は500語以内とします。この説明書もPDF形式で添付することができますが、ここでも同様に、ePCTの「説明書を作成」機能を利用して、インターフェースへ直にテキストを入力することをお勧めします。そうすることにより説明書の書式やレンダリングが自動化されます。
「アクション」を提出する前に、署名オプションのいずれかを選択してアクションに署名する必要があります。ご自身が出願人若しくは出願の代理人である場合、又はご自身が署名権者が署名した添付書簡をアップロードした場合には、ご自身で署名することができます。そうでない場合には、「外部署名」オプションを選択すると、署名権者はePCTシステムにアクセスすることなく、ePCTに保存されたアクションの下書きに署名することができます。ePCTで署名オプションとして「外部署名」を選択すると、一意の文書識別子コードに加えて専用ウェブページへのリンクが記載された電子メールが署名者に送信されます。署名者はそのウェブページにてテキスト文字列の署名を入力するか、署名を含んだイメージファイルを添付することができます。なお、外部署名依頼の送信先電子メールアドレスは、共有のものではなく、個人の電子メールアドレスであることを確認して下さい。署名されると、請求の範囲の補正書が提出されます。
より詳細な説明は、第19条に基づく補正書の提出方法に関する手引と
/pct/en/faqs/amendments_19_and_34.html
ePCT FAQ (よくある質問) の "Action - Amendments under Article 19 (text format only)" に掲載されています。
https://pct.eservices.wipo.int/direct.aspx?UG=4&T=en&N=840