注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

国際出願の補正の根拠の表示

Q: PCT 第 19 条に基づく請求の範囲の補正の根拠を書簡に表示する追加要件に関する PCT規則 46.5 の改正の発効について、どのように表示すべきか説明いただけないでしょうか。この書簡と PCT 規則 46.4 に基づく説明書との違いは何ですか。

A: まず初めに、PCT 第 19 条に基づき請求の範囲の補正を提出する際、あるいは、国際予備審査の請求を行った場合には、PCT 第 34 条(2)(b)に基づき請求の範囲の補正を提出する際、出願人は、最初に提出したすべての請求の範囲と差し替えるために、完全な一式の請求の範囲を含む差替え用紙を公開言語で提出しなければなりません(PCT 規則 46.5(a)及び 66.8(c))。

2010 年 7 月1日付けで、PCT 第 19 条に基づく請求の範囲の補正に関する PCT 規則 46.5 の改正、及び、PCT 第 34 条に基づく請求の範囲、明細書及び図面の補正に関する PCT 規則66.8 の改正が発効されました。これらの規則改正の結果、出願人は、補正書に添付する書簡中に、出願時における国際出願中の補正の根拠の説明、すなわち、補正を裏付ける箇所の表示を含める必要があります。この要件は、請求の範囲の補正の場合に、最初に提出した請求の範囲と補正後の請求の範囲との相違について表示する、という添付書簡に対する現在の要件に追加するものです(PCT 規則 46.5 及び 66.8(c))。

補正の根拠に関しては、書簡において、明細書又は図面のある箇所について特定の言及をしなければなりません。これにより、審査官は、出願におけるこれらの明確な参照を参考にすることにより、補正が出願時の開示の範囲を超えた主題を含むかどうか評価することができます(PCT 第 19 条(2)及び第 34 条(2)(b))。したがって、「出願時の明細書を参照」、「出願時の請求の範囲を参照」といった不特定の表示は、一般的に補正の根拠の表示として十分ではないとみなされます。

以下は、請求の範囲の補正の根拠の説明の例です。

"Claim 1 amended; claims 2 to 7 unchanged; clams 8 and 9 amended; claims 10 to 14 cancelled; claims 15 to 17 unchanged; new claim 18 added.(参考訳「請求の範囲第 1 項は補正します、請求の範囲第 2 項乃至第 7 項は変更しません、請求の範囲第 8 項及び第 9項は補正します、請求の範囲第 10 項乃至第 14 項は削除します、請求の範囲第 15 項乃至17 項は変更しません、請求の範囲第 18 項は追加です。」)

(i) Basis for the amendment: Claim 1 has been amended at lines 4 and 11 to 14 and now indicates that the filter comprises a periodic backwashing means serially coupled to a first and second chamber. The basis for this amendment can be found in original claims 2 and 4 as filed.(参考訳「補正の根拠:請求の範囲第 1 項は、第 4 行並びに第 11 行乃至第 14 行が補正され、第 1 及び第 2 槽と逐次結合された周期的な逆洗手段を含むフィルタが示されている。この補正の根拠は出願時の請求の範囲第 2 項及び第 4 項に見られます。」)

(ii) Basis for the amendment: Concerning amended claims 8 and 9, the indication of 'quick-fire piston' is in paragraphs Nos. 2 and 19 in the description as field.(参考訳「補正の根拠:請求の範囲第 8 項及び第 9 項の補正に関し、出願時の明細書の段落 2 及び 19 に「速射ピストン」が示されている。」)

(iii) Basis for the amendment: Claim 18 is new, the indication is in drawing no. III of the original application."(参考訳「補正の根拠:請求の範囲第 18 項は追加で、当初出願の図面第 3 図に記載があります。」)

PCT 第 19 条に基づく補正の場合、国際事務局(IB)に提出しなければなりませんが、国際出願が添付書簡と同じ言語ではない場合(書簡は英語又は仏語で提出しなければなりません-PCT 規則 92.2(d)参照)、参照は国際出願の言語で行うことができます。それにより審査官が参照を容易に見つけることができるでしょう。例えば、

"Basis for the amendment: Concerning amended claim 2, the indication of "請求項 1 に基づくパーキングアシストシステム" is in paragraphs Nos. 23, 46 and 85 in the description as filed."(参考訳「補正の根拠:請求の範囲第 2 項の補正に関し、出願時の明細書の段落 23、46 及び 85 に「請求項 1 に基づくパーキングアシストシステム」が示されている。」)

出願人が国際予備審査を請求しない限り、国際段階では、出願の補正の根拠を表示した書簡の提出のための要件の実体面での順守性はチェックされません。国際予備審査機関が、差替え用紙に書簡が添付されていない、又は書簡に補正の根拠を表示がなされていないことを見つけた場合、訂正指令を出す義務はなく、特許性に関する国際予備報告(PCT 第 II 章)はその補正が行われなかったものとして作成することができます(PCT 規則 70.2(c の 2))。この要件の順守は国内段階で重要になるかもしれません。指定官庁によってチェックされ、要件の不順守により補正が認められない結果となる可能性があります。

PCT 出願人の手引きにおいて、補正の根拠に関する情報をどのように添付書簡に含めるかについてのアドバイスを間もなく更新する予定です。

補正書の添付書簡と PCT 規則 46.4 に基づく説明書との相違に関する質問について、添付書簡の目的が、補正が何の構成からなるものであるかを審査官が正確に理解するのを助け、新規事項が追加されていない点を確認するのを支援するツールを審査官に提供することであるのに対し、PCT 第 19 条に基づく請求の範囲の補正書には、出願人によって補正を行った理由の説明や明細書及び図面に及ぼす影響の表示を行った簡単な説明書を添付することができます。

書簡とは異なり、説明書は任意であり、かつ、国際出願とともに公開されます。PCT 第 19条に基づく補正書に添付する書簡は、英語又は仏語で記載されなければならないのに対し、説明書は国際出願が公開された言語で記載されなければなりません(説明書の作成に関する更なる情報は PCT 規則 46.4 を参照)。したがって、補正を説明した説明書は、出願時と補正後の請求の範囲の相違及び補正の根拠を表示する添付書簡と、混同されてはならず、明確に区別されなければなりません(この説明書は、国際予備審査の請求書の Box No. IV の「補正に関する記述( statement concerning amendments)」とは異なります)。このような理由により、説明書は、条約第 19 条(1)に基づく説明書(Statement under Article 19(1))といった見出しをつけることにより同定し、別個の用紙で行わなければなりません。