PCTニュースレター 10/2008: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
広域特許機構に最近加盟した国に対して PCT 経由で特許保護を求めることについて
Q: 2006 年 12 月 15 日に出願した先の出願に基づいて優先権を主張して、国際出願を 2007年 12 月 5 日に出願しました。2009 年 6 月 15 日よりも前に関係する色々な国に国内移行させるつもりです。自分の出願において、ノルウェーを国内特許のために指定しています。しかし、ノルウェーは 2008 年 1 月 1 日から欧州特許機構の締約国になりました。このことによって、ノルウェー工業所有権庁に対してノルウェーの国内段階に移行する手続きを取る代わりに、ノルウェーのために欧州特許を取得することは可能なのでしょうか。
A: PCT 規則 4.9(a)に基づき、願書の提出は、国際出願日に PCT に拘束される全ての締約国の指定、全ての種類の保護を求める旨の表示、広域特許及び国内特許の両方を求める旨の表示から構成されています。ご質問の国際出願は 2007 年 12 月 5 日に出願されていることから、欧州特許のための広域指定(EP 指定)とノルウェーの国内指定を含んでいることになります。しかしながら、出願時にノルウェーは欧州特許機構の締約国ではなかったことから、EP指定にはノルウェーは含まれません。ノルウェーは 2008 年 1 月 1 日に欧州特許機構の締約国になっており、確かに、その日は PCT 第 22 条(1)(又は第 39 条(1))に基づいた国内移行日より前です。しかし、どの国が指定されているのか、どの種類の保護を求めているのか、どの国内及び広域特許を求めているのかが決定されるのは国際出願日です(PCT 規則 4.9(a))。EP 指定は、PCT 出願の出願日に、欧州特許機構と PCT の両方の締約国である国に対する指定として有効です。該当出願の国際出願日より後に広域指定に国を加えることはできません(同様に、国内特許を得るために指定を加えることもできません。)。
PCT出願に基づいてノルウェーで特許保護を求めるのであれば、ノルウェー工業所有権庁に対して直接国内段階に移行することによって、国内特許の取得を目指すことが必要です1。
ノルウェーが欧州特許機構の締約国になった2008年1月1日以後に出願されたPCT出願は、国内特許とともに、欧州特許の取得を目的としたノルウェーの指定も自動的に含むことになります。よって、これらの出願の出願人はノルウェーに対して国内段階に移行するか、欧州特許によってノルウェーの保護を求めるのか選択することができます。
実際は、国内官庁に対して国内段階に直接移行することが必要な場合に、その国の広域特許が取得できると勘違いしないように、国内移行時に、出願人及び代理人は広域特許がどの締約国を含んでいるのか気を付けることが重要です。
- EP 指定に関して同じ状況がクロアチアにも該当します。クロアチアも 2008 年 1 月 1 日に欧州特許機構の締約国となりました。しかし、その日より前に出願された国際出願に対しては、国内段階において、クロアチアに対して欧州特許出願を拡張することが引き続き可能です。ただし、国際出願が国内特許のためのクロアチアの指定と EP 指定を含んでいることが必要です(つまり、クロアチアと EP の自動指定が取り下げられていないこと。)。クロアチアに対する欧州特許の拡張についての詳細は PCT Newsletter No. 05/2004 の 3 頁及び No.12/2004 の 7 頁をご参照ください。 http://www.wipo.int/edocs/pctndocs/en/2004/pct_news_2004_5.pdf http://www.wipo.int/edocs/pctndocs/en/2004/pct_news_2004_12.pdf