PCTニュースレター 08/2008: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
発明の単一性が欠如していると ISA が判断した場合の結果
Q: 国際調査機関(ISA)から様式 PCT/ISA/206(追加手数料、及び、該当する場合には、異議申立手数料の求め)を受理しました。その求めには国際出願に三つの発明が存在することが記載されています。つまり、各追加発明のために二発明分の追加手数料を支払うように求められています。ISA による発明の単一性が欠如しているという判断には同意できません。もし、追加手数料を支払わない場合には、どのようになるのでしょうか。もし、一発明分の追加手数料のみ支払った場合には、調査して欲しい追加発明を選択できるのでしょうか。ISAによる発明の単一性が欠如しているとの判断に異議を申立てることは可能なのでしょうか。A: PCT 規則 13.1 に従い、国際出願は、一の発明又は単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明についてのみ行う(「発明の単一性の要件」)ことになっています。調査手数料は ISA が国際出願についての国際調査を行うための費用を賄うためのものです。そして、国際出願が発明の単一性の要件を満たしているときのみ調査手数料で賄うことが可能です。したがって、要件を満たしていない場合には、ISA は請求の範囲に最初に記載されている発明について国際調査を行いますが、その発明以外の各発明については追加手数料を支払うことを出願人に請求することができます(PCT 規則 40.1 参照)。発明の単一性の要件については、PCT 実施細則の附属書 B 及び PCT 出願人の手引きの国際段階のパラグラフ 129-138 に記載されています。
www.wipo.int/pct/en/texts/ai/annex_b.html
www.wipo.int/pct/guide/en/index.html
追加手数料を支払わないことによる影響ご質問のケースでは、ISA は様式 PCT/ISA/206 を用いて出願人に追加手数料の支払いを求めていますが、ISA によっては、請求の範囲に最初に記載されている発明(「主発明」)に限定して(PCT 第 17 条(3)(a)参照)、「部分的な」国際調査の結果(国際調査報告(ISR)とは異なります)にこの求めを添付することがあります。
求めの日から 1 ヶ月以内に追加手数料が支払わなければ(この期間は延長できません。)、追加の発明の調査は行われず、ISR が作られる場合には、その ISR では請求の範囲に最初に記載されている発明のみが対象になります(部分調査が出願人に届けられている場合には、その部分調査の結果のみが ISR に含まれることになります。)。求められた追加手数料の一部が支払われた場合には、ISA は支払われた額に該当する数の発明を調査します。支払いによって、出願人は国際調査を希望する請求の範囲を ISA に特定することが可能です1。期限までに全ての追加手数料を支払ったならば、ISR はその出願の全ての発明に対する調査結果を含むことになります。
PCT 規則 40 に従って、ISA が行った発明の単一性が欠如しているとの判断(又は、支払いが求められた追加手数料の数(額))に同意できない場合には、PCT 規則 40.2(c) に従って、判断に異議を申立てることができます。
異議手続き、及び、該当する場合には、異議申立手数料
異議手続きを開始するためには、様式 PCT/ISA/206 において ISA によって決められた期限までに(1 ヶ月)、ISR を受理することを望む全ての発明に対して追加手数料を支払う必要があります。そして、国際出願が発明の単一性の要件を満たしている旨又は要求された追加手数料の額が過大である旨の理由を示した陳述書を送付します。手数料の支払いの後、異議は ISAの枠組みにおいて設置された検査機関によって審理されます。異議が正当と認められた場合には、追加手数料の全部又は一部を払い戻すことが命ぜられます。
PCT 規則 40.2(e) に従って、そのような異議は ISA への異議申立手数料の支払いを条件とすることができます(現時点で、5 つの国際調査及び予備審査機関がこの手数料を要求しています。PCT 出願人の手引きの附属書 D 参照)。追加手数料は発明毎に必要ですが、支払うことを求められた追加手数料の数にかかわらず、該当する場合には、異議申立手数料は一回分だけ支払えばいいことなります。異議が完全に正当と認められた場合には、異議申立手数料は払い戻されます。期限内に異議申立手数料を支払わなかった場合には、ISA はその異議申立ては行われなかったものとみなし、その旨を宣言します。