PCTニュースレター 03/2018: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
国際出願の提出時に支払う手数料
Q: 国際出願の提出時に支払う手数料にはどのようなものがあるのか教えてください。また額が変更になる可能性があるのか否か、変更があるとすればいつなのかを教えてください。
A: 国際出願に関連して受理官庁へ支払う手数料には3種類あります。
1. 送付手数料: 当該手数料は国際出願が提出されるときに、受理官庁へ支払われます。送付手数料は、国際出願の受理及びチェック、国際事務局(IB) への記録原本の送付及び国際調査機関(ISA) への写しの送付といった受理官庁が行う任務の遂行に係る費用を賄います。いくつかの受理官庁は送付手数料を徴収していません。そして電子形式の出願を受理する受理官庁の一部は、電子形式での国際出願について手数料を減額しています。またいくつかの受理官庁は小企業により提出される出願に関し手数料を減額しています。
送付手数料は、受理官庁による国際出願の受理の日から一ヶ月以内に支払われるべきです。出願の受理の日と支払日の間に送付手数料の額に変更がある場合には、出願人は当該出願が受理された日に適用されていた額を支払う必要があります(PCT規則14参照)。
2. 国際出願手数料: 当該手数料の額はPCT締約国(PCT同盟) によりスイス・フランで定められており、PCT規則に付属する手数料表に記載されています。30枚を超える国際出願の用紙1枚ごとに支払う手数料に関して追加の規定があること、また配列表を含む国際出願に関して特別な規定が適用されることにご留意ください。国際出願手数料は、IBのための手数料として受理官庁へ(当該官庁が定める通貨で) 支払われ、IBが各種任務を遂行するために生じる費用を賄います。それらの任務には、国際出願の公開や、特許性に関する国際予備報告(PCT第I章) のISAに代わっての発行(該当する場合)、並びに、出願人、受理官庁、ISA、国際予備審査機関、及び指定(選択) 官庁への各種通知の送付を含みます。
国際出願手数料の額は長年変わっておりません(2008年7月から同額のまま) が、他の通貨で支払われる換算額は変更になる場合があります(以下を参照)。国際出願手数料は、国際出願の受理の日から1ヶ月以内に支払われるべきです。出願の受理の日と支払日の間に国際出願手数料の額(若しくは受理官庁が受理する他の通貨での換算額) に変更がある場合には、出願人 は当該出願の受理の日に適用されていた額を支払う必要があります(PCT規則15参照)。
3. 調査手数料: 当該手数料の額は各ISAにより定められており、管轄ISA (2以上の管轄ISAがある場合には、出願人が選択したISA) によって異なります。調査手数料は、国際調査の実施、国際調査報告及びISAの見解書の作成、またISAとして与えられたその他のすべての任務を遂行する、ISAのため手数料として受理官庁へ支払われます。
調査手数料は国際出願の受理の日から1ヶ月以内に支払われるべきです。国際出願の受理の日と支払日の間に調査手数料の額(若しくは受理官庁が受理する他の通貨での換算額) に変更がある場合には、出願人は当該出願の受理の日に適用されていた額を支払う必要があります(PCT 規則16 参照)。
支払額、若しくは他の通貨での換算額の変更
送付手数料の額は通常、受理官庁が所在する国の現地通貨で定められており、関係官庁の実務に応じていつでも変更可能です。受理官庁は前もって額の変更を知らせます。国際出願手数料及び調査手数料は、通常、受理官庁が所在する国の現地通貨でも支払うことができます。当該通貨がこれらの手数料が定められている通貨と同じでない場合には、二つの通貨間の為替レートの変動により現地通貨での支払額が変動する可能性があります。
換算額は、"所定の手数料の換算額の決定に関するPCT 総会の指針" (2010年7月から発効) により決定されており、定期的に見直されています。毎年10月に、WIPO 事務局長は関係官庁との協議後、10月最初の月曜日の為替レートに従い、国際出願手数料及び調査手数料(該当する場合には補充調査手数料や取扱手数料も) の新換算額を決定します。またいずれの変更も、通常は翌年の1月に発効します。
加えて、スイス・フラン(国際出願手数料の場合) 若しくは定められた通貨(調査手数料の場合) と、適用される所定の通貨間の交換レートが、4回連続した金曜日で継続して最後に適用された為替レートより少なくとも5%高い、若しくは少なくとも5%低い場合には、WIPO 事務局長は関係官庁との協議後、4回連続した金曜日以降の最初の月曜日に適用される為替レートに従い、それらの手数料の新換算額を決定します。新たに決定された額は通常、公示(PCT公報) の発行日から2ヶ月後に適用されます。
国際出願の提出時に支払う手数料の額はどこに記載されているのか
送付手数料、国際出願手数料及び調査手数料の額は、以下のリンク先のPCT手数料表からご覧いただけます。
www.wipo.int/pct/en/fees.pdf
送付手数料及び国際出願手数料の適用額は、PCT出願人の手引の附属書Cでもご覧いただけます。また調査手数料の適用額は、附属書Dでご覧いただけます。
例えばePCT出願若しくはPCT-SAFEを利用して電子形式で国際出願を提出する場合、すべての関連する情報を入力 入力 した時点で、可能な場合(例えば、手数料が固定額である場合、支払う通貨がスイス・フランでの額に相当しない場合、または手数料減額の条件が容易に適用可能な場合) には手数料の支払額が自動的に計算されることにご留意ください。電子出願ソフトウェアで計算される手数料は大抵正確ではありますが、依然として受理官庁による確認の対象となります。紙形式で出願する場合には、願書様式に付属する手数料計算用紙に記載する必要があります。手数料計算用紙の備考が貴殿の手助けとなるでしょう。
手数料減額の利用可能性
電子形式1での国際出願の提出を認める受理官庁に対して電子形式で国際出願を提出する場合、
PCT手数料表(PCT規則に付属する) は、利用される電子形式に応じて、国際出願手数料の総額から以下の減額を規定しています。
- 100スイス・フラン(若しくは国際出願手数料が受理官庁へ支払われる通貨での相当額); 願書、明細書、請求の範囲及び要約の記述が文字コード形式ではない場合(項目4(a) 参照)
- 200スイス・フラン(若しくは相当額); 願書は文字コード形式であるが、明細書、請求の範囲及び要約の記述が文字コード形式ではない場合(項目4(b) 参照)
- 300スイス・フラン(若しくは相当額); 願書、明細書、請求の範囲及び要約の記述が文字コード形式である場合(項目4(c) 参照)
特定の低所得国であって、特定の条件下で他の要件を満たす国の国民であり、かつ当該国の居住者である出願人は、国際出願手数料(及び補充調査取扱手数料や取扱手数料) の減額の資格を有する場合があります。2人以上の出願人が居る場合は、全ての出願人が必要な基準を満たす必要があります。さらに、そのような基準を満たし、受理官庁としてのIBに対し国際出願を提出する出願人は、送付手数料も免除されます。減額対象となっている国の確認、また詳細に関しては、以下のリンク先をご覧ください。
www.wipo.int/pct/en/fees/fee_reduction_july.pdf
調査手数料に関し、いくつかのISAでは以下のような特定の状況において減額が利用可能です。
- 特定の国々からの出願人
- 個人、又は小企業若しくは零細企業による出願
- 国際出願が特定の言語で提出されている場合
特定のISAに関して適用される調査手数料の様々な減額に関する情報は、PCT出願人の手引の附属書Dをご覧ください。
手数料の支払方法
ePCT出願若しくはPCT-SAFEソフトウェアを利用して出願する場合、手数料支払に選択可能な支払方法は、関連する画面で選択される受理官庁により異なります。詳細は以下のリンク先から、
PCT eServices (電子サービス) サポートページに掲載されている情報をご覧ください。
www.wipo.int/pct/en/epct/support.html ("ePCT Filing" を選択してから"PCT fees and payment" を選択してください)
他の出願の場合、ROに対する手数料の支払方 法に関する情報は、手数料計算用紙及びその備考からご覧いただけます。又は受理官庁へお問い合わせください。受理官庁としてのIBに対する手数料の支払に関する情報は、以下のリンク先をご参照ください。
www.wipo.int/pct/ja/filing/modes.html
特定の状況下では、上述されていない他の手数料も国際段階において支払われることにご注意ください。詳細は、PCT出願人の手引の附属書B (IB)、C、D、SISA及びEの関連部及びPCTに基づく実施細則の第113号をご覧ください。
一部のPCT出願人及び代理人がWIPO国際事務局からの通知ではなく、PCTに基づく国際出願の手続に関係のない手数料請求書を受け取る事態について、この場を借りて改めて注意喚起させていただきます。そのような偽の請求書においてどのような登録サービスが提供されていたとしても、それらはWIPOや公式な公開とは一切関係ありません。上述しましたように、全てのPCT出願について公開を行うのはIBのみであり、公開の費用は国際出願手数料から賄うため、当該サービスに関するさらなる手数料は要求されません。詳細は以下のリンク先をご覧ください。
www.wipo.int/pct/ja/warning/pct_warning.html