注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

欠落している優先権主張の追加を請求する

Q: 先の2つの出願(出願日はそれぞれ2018年2月5日、2018年2月19日) の優先権を主張する予定をしていた国際出願を2019年1月15日に提出しました。しかし残念ながら、2つのうちの早い方の出願に関する詳細が願書から省略されていました。欠落している優先権主張を願書へ追加することはできますか?もしできるのであれば、追加するのに適用される期間はどうなりますか?またそのような請求はどのようにするのでしょうか?

A: 優先権主張を追加する旨の請求がPCT規則26の2.1(a) に定める期間内に行われる場合には、出願後にその請求を行うことができます。PCT規則26の2.1(a) は以下を規定しています。

"出願人は、優先日から16カ月の期間又は、優先権の主張の補充若しくは優先権の主張の願書への追加により優先日について変更が生じる場合には、変更された優先日から16カ月の期間のうちいずれか早く満了する期間内に... 優先権の主張の補充又は追加をすることができる。ただし、当該書面が国際出願日から4カ月を経過する時までに提出することができる場合に限る"

あなたのケースでは、願書に追加されるべき優先権主張(2018年2月5日)はすでに願書に含まれていた優先権主張(2018年2月19日)より早いので、欠落している主張を追加するための請求は、2つの主張の早い方の日付である2018年2月5日から16カ月が経過する前に(すなわち2019年6月5日までに) 受理官庁または国際事務局(IB) に到達しなければなりません。(PCT規則26の2.1(a) に基づく代替の期間は国際出願日から4カ月で2019年5月15日にあたり、より早く満了するためこの特定の事例では考慮する必要はありません。)

欠落している優先権主張を追加する旨の請求は、受理官庁(特に、先の出願が当該受理官庁に提出され、かつ当該官庁に関連する優先権書類の写しをIBに対し提出するよう請求する予定がある場合) またはIBのいずれかに提出することが選択できます。ただし、国際出願がまもなく公開される予定の場合には、直接IBに送付するほうがより望ましい点にご留意ください。欠落している優先権主張を追加する請求は、権限を有する人、すなわち代理人または共通の代表者によって署名される必要があります。この請求を行うために支払うべき手数料はありません。

ePCTからの国際出願へのアクセスをすでにお持ちの場合には、IB (またはePCTを介して書類を受領可能な受理官庁)による迅速な受領を確実にするため、"ドキュメントアップロード" ("Upload document") 機能を活用し請求をアップロードするようお勧めします。ePCTからの出願へのアクセスはまだできないけれどもWIPOアカウントをすでにお持ちの場合には、ePCT (https://pct.wipo.int) にサインインして"ドキュメントアップロード" 機能を利用しIBに請求を提出することができます。ePCTで利用可能な機能すべての利益を受けるには、WIPOアカウントでePCTにサインインし、高度認証を設定するためのリンクに進むことをお勧めします。高度な認証設定では、安全に出願し管理するためにセキュアなオンラインアクセスを行います。アカウントの設定およびePCT機能の活用に関する詳細は、以下のPCT電子サービスヘルプページのよくある質問(FAQs) をご覧ください。

www.wipo.int/pct/en/epct/support.html

ePCTを利用するためのWIPOアカウントをまだ持っておらず、請求できる期間がまもなく満了するために緊急にIBに対し請求を提出する必要のある場合には、IBのPCT緊急用アップロードサービス(PCT Contingency Upload Service) を以下のリンクから利用することもできます。

https://pct.wipo.int/ePCTExternal/pages/UploadDocument.xhtml

詳細については、PCT Newsletter 2018年12月号の1ページ目をご参照ください。しかしながらIBに対し定期的に書類を提出する場合には、より迅速かつ簡単な方法であるWIPOアカウントの作成を強くお勧めします。

優先権主張の追加(または補充) によって優先日に変更が生じる場合には、先に適用された優先日から起算してまだ満了していない期間は、変更された優先日から起算されます(PCT規則26の2.1(c))。あなたの事例では、先の優先権主張の追加を請求すると、あなたの優先日は2018年2月19日から2018年2月5日に変更されます。これは、PCTのいくつかの期間もそれに応じて変更することを意味します。例えば、最も早く国際公開される可能性のある日付、ならびに国内段階移行のための期間は
2週間早くなります。

欠落している優先権主張に関する先の出願の認証謄本(優先権書類) を提出していない場合、またはその2月5日付の出願が提出された官庁に対して優先権書類を提出するよう請求をしていない場合には、優先権書類がPCT規則171に基づき新たに起算された期間内に提出されることを確実にするため、この行為に関連する管轄機関に連絡を取ることです。先の出願がWIPO優先権書類デジタルアクセスサービス(DAS) の提供庁として行動する官庁へ提出された場合には、第一国出願官庁(OFF: Office of First Filing) へ先の出願をDASで利用できるようにすることも請求できます。そしてIBに対し、国際公開の日前に優先権書類をDASから入手するよう請求することができます(PCT規則17.1(b)および(bの2))。

PCT規則26の2.1に基づく優先権主張を追加するための期間を徒過した場合には、優先日から30カ月を経過する前に特別手数料の支払を条件として、IBに当該事項に関する情報を公表するよう請求することができます(PCT規則26の2.2(e))。この情報は、公開された国際出願の"書類" ("Documents") タブの下の欄に"後に提出された優先権主張の補充/追加の請求の公表" ("Publication of Late Submitted Request to Correct/Add Priority Claims") という書類名でPATENTSCOPEに公表されます。これはあなたの出願に優先権主張を追加することにはなりませんが、国内(または広域) 段階で指定(または選択) 官庁に優先権主張を追加したい場合には(もし、適用する国内(広域) 法令で許容されるのであれば) 役立つことがあります。

優先権主張が国際段階で確認される範囲についての情報は、PCT Newsletter 2019年1月号の"実務アドバイス"をご参照ください。

  1. 優先権書類は(早い方の) 優先日から16カ月以内に出願人がIB又は受理官庁に提出する必要があります。ただし、当該期間の満了後にIBが受理した優先権書類が国際出願の国際公開の日前に到達した場合には、当該期間の末日にIBが受理したものとみなされます。