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Inglot Cosmetics: 一人ひとりの個性を引き出し、メイクアップに革命を起こす

2023年4月

著者: Catherine Jewell氏、WIPO情報・デジタルアウトリーチ部 (Information and Digital Outreach Division)

1983年に設立されたポーランドのInglot Cosmetics社は、今では世界有数の化粧品メーカーとなっています。高品質な商品や豊富な色展開で知られるInglotの化粧品は、ブロードウェイだけでなく、90にも及ぶ市場のセレブリティや顧客の間で人気を博しています。Inglot Cosmetics社取締役会長、Zbyszek Inglot氏が、同社の起こりや、イノベーションを通じて顧客の期待に応えるための取り組み、今後の計画について語ります。

高品質な商品や豊富な色展開で知られるInglotの化粧品は、ブロードウェイだけでなく、90にも及ぶ市場のセレブリティや顧客の間で人気を博しています。(写真: Inglot Cosmetics社提供)

Inglot設立の経緯についてお聞かせください。

Inglotは、1983年に兄のWojciech Inglotによって設立されました。化学者であった兄は、ヤギェウォ大学在学中に化粧品の処方を研究し始めました。先見性のあるイノベーターであった兄は、カラーコスメの新しいアプローチを確立し、ポーランドの国内市場でも入手できるようにしたいと考えており、高度な科学的処方に基づいたメイクアップ商品を開発することにより、美と科学とを融合させることに使命を感じていました。

会社の現在の規模を教えてください。

メイクアップ、スキンケアの両方で、幅広い商品や色を展開しており、全部で約2,500点の商品を取り揃えています。当社の商品は、六大陸の90の市場における約900の拠点で入手することができ、シングルブランドストアやマルチブランドストア、空港の売店、当社のeショップ、オンラインのマルチブランドプラットフォームで販売されています。Inglotの全商品のうち、95%は研究開発部門があるポーランドのプシェムィシル工場で自社生産されており、98%はEU圏内で生産されています。

科学研究への取り組みとお客様のニーズを反映した高品質の商品を生産することが、当社の最優先事項の一つです。

メイクアップに対するInglotの「草分け」的なアプローチについて教えてください。

科学研究への取り組みとお客様のニーズを反映した高品質の商品を生産することが、当社の最優先事項の一つです。当社は、自分用にカスタマイズしたメイクアップパレットをお客さまが作ることができる「フリーダムシステム」を世界で初めて導入した化粧品ブランドです。空気や水分を通すことにより爪をベストコンディションに保つ高度な処方を採用した、通気性のあるネイルポリッシュを初めて発売したブランドでもあります。世界中のメイクアップアーティストに愛用されているDuralineのイノベーティブな処方の開発も行っています。当社の商品は、最高水準の品質を実現するため、安全な条件の下で配合され、包装されています。当社は、お客様とオープンに接し、お客様の期待以上のものを提供できるよう常に努力しています。

Inglotの化粧品はブロードウェイでも愛用されているとよく言われます。競争の激しい化粧品市場において、御社の商品を際立たせているものは何でしょうか?

科学研究への取り組みを行いお客様のニーズに応える
ため、Inglot Cosmeticsは、空気や水分を通すことによ
り爪をベストコンディションに保つ高度な処方を採用
した、通気性のあるネイルポリッシュを初めて発売した
ブランドとなりました。
(写真: Inglot Cosmetics社提供)

ブロードウェイミュージカルのメイクアップアーティストにとって、高性能なカラーコスメを有する当社は、あらゆる点で完璧なブランドであると言えます。トニー賞を受賞したミュージカル『ピピン』のスタッフから連絡があって以来、ブロードウェイ・シアターとの関わりをもっています。2013年から世界的なパンデミックが起きた2020年まで、『ライオンキング』『オペラ座の怪人』、『ウィキッド』、『シカゴ』、『マンマ・ミーア!』などの17のミュージカルでコラボレーションを行いました。

これらのミュージカルは3時間にも及び、通常、演劇よりも動きが多いため、長時間崩れないメイクをキャストに行うことが必要です。さらに、メイクアップアーティストは影響力をもっており、自分が担当しているプロジェクトに最もふさわしいと思う商品を選びます。当社の商品を選んでくれてうれしかったです。化粧品市場の競争が激化する中、よりイノベーティブな商品コンセプトや処方を導入する必要が増しています。当社は多くの市場に進出しているため、提供する商品や色の幅は非常に広いものとなっており、そのことにより、これらの市場のお客様の期待に応えることができます。当社の草分け的なコンセプトや象徴的な商品群によってお客様がブランドに対して魅力を感じ、当社の最高品質の処方によりリピーターになっていただいています。

ブロードウェイミュージカルのメイクアップアーティストにとって、高性能なカラーコスメを有する当社は、あらゆる点で完璧なブランドであると言えます。

テクノロジーとイノベーションは、御社において、また御社の商品開発において、どのような役割を担っているのでしょうか?

テクノロジーとイノベーションは、当社において非常に重要な役割を担っています。イノベーションへの取り組みを示す最たる例が、半年前から稼働している新しい近代的な研究所とR&Dセンターへの大規模な投資です。

当社は、例えばクラクフのAGH科学技術大学など、外部の科学研究機関とも連携しています。テクノロジーのお陰で、当社は新しい商品を生み出し、商品を改良することができます。例えば、通気性のよいネイルポリッシュの表面を顕微鏡で撮影することにより、スポンジのような質感が明らかになりました。

Inglot Cosmetics社は、テクノロジーとイノベーションへの取り組みを反映した新しいR&Dセンターを2022年にポーランドのプシェムィシルに開設しました。(写真: Inglot Cosmetics社提供)

新商品の開発にはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?

商品の種類によって異なりますが、コンセプト構築から発売まで、通常数か月かかります。多くの異なる部門が関与し、安定性、適合性、有効性、安全性評価、塗布試験などの複数の商品試験が行われる、複雑なプロセスですが、当社は生産とR&Dの機能を自社で有しているため、新商品を迅速に開発することができます。

コロナ禍は、御社の事業にどのような影響を与えましたか?

劇場や映画館、飲食店などが閉鎖されるなど、多くの理由によりカラーコスメへの関心がなくなり、購入しなくなってしまいました。当社が事業を展開しているほぼすべての国において、ロックダウンがあちこちでしょっちゅう起こったため、業務が制限されました。ロックダウンは頻繁に起こりましたが、予測することができませんでした。もちろん、オンライン販売の促進にも力を入れましたが、実店舗の閉鎖による損失を部分的に補うことしかできませんでした。原材料の入手が難しくなるなど、サプライチェーンの混乱に伴う困難のため、当社のプロセスや商品納入がより複雑になったことも特筆すべき点です。

知的財産 (知財) は御社の事業をどのように支えていますか?

当社の商標は、当社が事業を展開しているすべての市場において、現地の法的規制に基づき登録されています。当社が進出していない市場でも商標の保護を確実に行っており、特に主力商品の商品名保護に力を入れています。一部の市場ではブランドのロゴの違法な使用や模倣品が横行していることから、ブランドの保護は当社にとって極めて重要です。

ブランドの保護は当社にとって極めて重要です。

Inglotが一緒に仕事をしたファッションブランドやセレブリティについてお聞かせください。

コロナ禍までは、ニューヨーク、ミラノ、パリ、ロンドンの四大コレクションに積極的に参加しており、Badgley Mischka、Coach、Vionnet、Kenzoなどの高級ファッションブランドと仕事をしました。多くの市場に進出していることから、地元のセレブリティやインフルエンサーと提携し、さまざまな専用限定コレクションを立ち上げるチャンスに恵まれました。最も重要なパートナーシップのひとつは、ジェニファー・ロペスとのグローバルな提携です。ジェニファーは、自分のイメージをコレクションに単に使うのではなく、R&D部門の化学者たちと密接に協力し、コレクションを自ら形にしていきました。

InglotがV-Label、ハラール、GMPの認証マークを取得したきっかけは何ですか?

多様な市場で事業展開している当社にとって、これらの認証を取得することは自然なことであり、各市場におけるお客様の文化の道徳的規範に沿ったものです。

ここ数か月、「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS (パーフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物) の化粧品における使用を巡り、環境や健康への懸念が提起されています。この問題に対するInglotの見解と、こうした懸念に対してどのように対処しているかをお聞かせください。

当社は、PFASに分類されるあらゆる化合物のうち、ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテルをごく一部の商品で微量に使用しているだけです。この物質は、化粧品に制限なく使用することが許されています。ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテルが成分表に記載されている商品は、Inglotのすべての化粧品と同様に、安全な使用を確実にするために、独立した認定機関による安全性評価が義務づけられています。当社は、この問題に対する社会的関心が高いことを認識しており、ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテルを当社の商品から完全になくすよう取り組んでいます。

Inglotのダイバーシティ、インクルージョン、ジェンダー平等に対する考え方はどのようなものですか?

性別や肌の色、出自などに関係なく、あらゆる人のことを考えた化粧品を作ることが、当社の理念です。当社は、お客様一人ひとりの個性を大切にしており、ブランドとして、誰もが自分らしさを自分なりに表現する権利を持っていると信じています。メイクアップは、本当の自分、個性、創造性を表現する手段の一つです。当社では、可能な限り、平等やインクルージョンを促進する取り組みに参加しています。例えば、最近Netflixと組んで、ネイルポリッシュは女性だけのものではなく男性も使えるということを強調するキャンペーンをポーランドで行いました。キャンペーンの一環として、当社のブランドは、平等を実現するための様々なパレードに参加しました。

性別や肌の色、出自などに関係なく、あらゆる人のことを考えた化粧品を作ることが、当社の理念です。

「ブランドとして、誰もが自分らしさを自分なりに表現する権利を持っていると信じています。メイクアップは、本当の自分を表現する手段の一つです」と、Inglot Cosmetics社取締役会長、Zbyszek Inglot氏は語ります。(写真: Inglot Cosmetics社提供)

今年の世界知的財産の日キャンペーンのテーマは、「女性と知財―イノベーションと創造性を加速する力」です。女性がイノベーションのプロセスに参画することがなぜ重要なのであり、知財を意識する必要がなぜあるのでしょうか?

当社では、今の時代は、性別に関係なく、誰もが知財を意識すべきだと考えています。ダイバーシティとインクルージョンは、会社設立当初、これらの問題が世間で注目されるずっと以前から、当社のブランドの価値観にとって不可欠なものでした。

世界知的財産の日にあたり、女性たちにメッセージをお願いします。

女性たちは変化を起こすことができるのだから、自分自身に誇りをもち、自分が行っていること誇りをもちましょうと、世の中のすべての女性に言いたいです。Inglotの経営陣は、大半が女性です。当社のブランドの発展に女性がどれほど重要な貢献をしてきたかを、私自身の経験から知っています。

女性たちは変化を起こすことができるのだから、自分自身に誇りをもち、自分が行っていること誇りをもちましょう。

Inglotの今後の計画について教えてください。

当社は最近、長期にわたる会社の近代化と投資の期間を終えました。現在は、ブラジルや日本など、新しい市場への参入に力を入れています。今後は、オンラインプラットフォームやマルチブランドストアを通じて商品を販売することに注力していきます。

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