PCTニュースレター 07-08/2025: 実務アドバイス

注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

Q: 米国の代理人が、カナダ国民且つ居住者であるクライアント (共同出願人なし) を代理して、ePCT を利用して受理官庁としての国際事務局 (RO/IB) にPCT 出願することができますか?

A: PCT規則83.1の2(a) は、PCT出願について受理官庁としての国際事務局 (IB) に対し代理人として業として手続をとる資格を有する者を定めています。具体的には、出願人 (又は二人以上の出願人がいる場合、少なくとも一人の出願人) がその居住者若しくは国民である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対し業として手続をとる資格を有する者に、その権能を付与しています。特定の国内又は広域官庁に対し業として手続をとる資格を有する者に関する決定は、PCT規則90.1に基づき各官庁が行います。この実務アドバイスのケースでは、代理人のクライアントはカナダ国民且つ居住者であることから、代理人として行動するためには、カナダ特許庁に対し業として手続をとる資格を有する必要があります。
ePCTを利用してRO/IBにPCT出願する場合、ePCTは、代理人が関連官庁に対し業として手続をとる権能を有しているか否かを検証し、ユーザに対しチェックボックス「この代理人は次の受理官庁に対し業として手続をとる権能を有している」に✓印を付し権能を有する旨を確認するよう指示します。
代理人が受理官庁に対し行動する資格を有することを確認することは、出願人の責任となります。従って、方式的欠陥について出願を審査する際、RO/IBは通常、特定の代理人の登録情報に関して国内登録簿を確認したり、ある特許代理人事務所が欧州特許庁に対し業として手続をとる資格を有するものとして登録されているか否かについて、欧州特許庁の登録簿を確認することはありません。但し、RO/IBが、関連する国内又は広域官庁に対する代理人の権能に疑義を抱く例外的な場合には、代理人として登録されている又は業として手続をとる資格を有すると代理人が主張する国内官庁又は広域官庁と可能な限り連携し、代理人に関する情報を確認します。
RO/IB自身による審査を通して、又は国内官庁若しくは第三者からの異議を受け、PCT規則83.1の2(a) に基づき、代理人が出願人を代理する権利を有しないと明らかになった場合には、RO/IBは、職権行為で代理人の権限を「通知のためのあて名」に訂正します。
代理人は、受理官庁が代理人の表示が誤りであると指摘していない場合であっても、国内段階において最終的に指定官庁がその表示を疑問視する可能性があることを念頭に置いておく必要があります。従って、出願時に代理人の表示が正しいことを確認することが重要です。

この実務アドバイスのケースのように、代理人が出願人を代理する権利を有しない場合には、自身を「通知のためのあて名」として表示するか、カナダ特許庁に対し行動する資格を有する代理人を選任するようクライアントに提案するかのいずれかを検討すべきです。「通知のためのあて名」と表示することにより、代理人はPCT規則に準拠しつつ、継続して通信を管理することが可能となります。
本トピックに関する詳細な説明は、以下のPCTニュースレターに掲載された「実務アドバイス」をご参照下さい。
− 出願人が PCT 出願を行える出願先と代理人資格者
PCTニュースレター2024年2月号
− 受理官庁としての国際事務局に対し業として手続をとる資格 (国際出願が他国の出願⼈に譲渡される場合)
PCTニュースレター2020年6月号
− 特に署名権者ではない者による ePCT を利用した国際出願の提出及び管理
PCTニュースレター2017年5月号