PCTニュースレター 02/2026: 実務アドバイス

注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

国際予備審査を請求した後のPCT第34条に基づく補正書の提出

Q: 国際予備審査の請求書を明細書と図面の補正書と共に提出したいと考えています。請求書を提出するための期間が満了間近となっています。補正書が準備できていない場合、その提出期間を延長することは可能でしょうか?

A: 国際予備審査は任意の手続であり、国際段階において出願人が国際出願の明細書、請求の範囲や図面を補正できる唯一の機会です。この補正をする機会はPCT第34条に規定され、同条は、出願人が国際予備審査機関 (IPEA) と口頭や書面で連絡する権利も定めています。従って、IPEAの審査官は、出願人が提出した補正書や抗弁を審査することが可能となり、これにより出願人は、IPEAが国際予備審査報告を作成する前に、PCT規則66.3及び66.4に基づき、補正をする追加の機会を得ることができます。これに対し、国際予備審査の請求をしない場合には、出願人は、PCT第19条に基づき、国際事務局に対し国際出願の請求の範囲を補正する機会が一度あるのみで、補正された請求の範囲は公開されるものの、その補正は国際段階では審査されません。国際予備審査は、PCT第II章の規定に基づく手続であることから、よく第II章の手続と呼ばれます。

国際予備審査の請求をするための期間は、(i) 国際調査機関 (ISA) による国際調査報告 (ISR) や見解書の送付日から3か月、又は (ii) 優先日から22か月の、いずれか遅く満了する期間となります (PCT規則54の2.1(a))。

IPEAは、原則として、国際予備審査の請求書、必要な手数料の支払、ISAのISRと見解書を入手次第速やかに審査を開始することができます。但し、PCT規則55.2に基づく必要な翻訳文が提出されている場合に限ります。審査が早期に開始されるほど、出願人は、IPEAが報告を作成する前に審査官と協議する時間がより多く確保できることから、国際調査の結果を受け取った後できる限り速やかに国際予備審査の請求をし、適用される手数料を支払うことが推奨されます。なお、PCT規則66.4の2に基づき、IPEAは、見解書又は国際予備審査報告の作成を開始した後に受領した補正書や抗弁は考慮に入れる必要はない点から、出願人には、請求書と同時にそれらの書類を提出することをお勧めします。

PCT規則54の2.1(a) に基づく国際予備審査の請求をするための期間が満了間近の時点で、補正書が準備できておらず、且つ、出願人がその補正書に基づいた国際予備審査の開始を希望するのであれば、少なくとも請求書をその期間内に確実に提出することが重要です1。出願人が、PCT第34条に基づいた補正後の明細書、請求の範囲又は図面を基礎とした国際予備審査の開始を希望する場合には、その旨を請求書に表示する必要があります (様式PCT/IPEA/401第IV欄)。その表示をしたにもかかわらず、補正書が実際には提出されていない場合には、IPEAは出願人に対し、補正書提出の求めに定められた期間内に補正書を提出するよう求めます (PCT規則60.1 (g)) (様式PCT/IPEA/431を使用)。IPEAは、補正書の受領、又は求めに定めた期間の満了のいずれかが先に生じるまでは、国際予備審査を開始しません (PCT規則60.1(g) 及び  69.1(e))。なお、補正書の受領の遅れ、又は期間の満了を待つことによりIPEAの審査の開始が遅れたとしても、IPEAはPCT規則69.2の定める期間内、すなわち (必要な翻訳が請求書と共に提出されている場合)、優先日から28か月、又は審査の開始から6か月の期間のうち、遅く満了する期間内に報告を作成する必要のあることから、出願人は、審査官と協議する時間が短縮される可能性のある点にご留意下さい。

追加の情報は、PCTニュースレター以下の号の実務アドバイスに掲載されています。

  • 2005年3月号: 予備審査を請求した場合における、ISA の見解書に対する公式な応答の期限
  • 2019年6月号: (PCT 規則 69.1(a) の修正を受けて考慮すべき) 国際予備審査開始のタイミング

1 請求書は、ePCTを利用して国際事務局に提出することができ、国際事務局はPCT第31条(6)(a) とPCT規則59.3に従い、請求書を管轄IPEAに送付します。この場合、請求書は、国際事務局が受領した日に管轄IPEAが受領したものとみなされます。