PCTニュースレター 12/2017: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
間違った⼜は意図したものでない情報が公開されるPCT出願に含まれるリスクを最⼩限に抑える
Q: 間違った⼜は意図したものでない書誌情報が、公開されるPCT出願の表紙に表⽰されるリスクを最⼩限に抑えるにはどのようにすれば良いでしょうか?
A: わずかな例外を除いて、国際事務局(IB) は優先⽇から18ヶ⽉の満了直後にPCT第21条に従い、各PCT出願を公開します。公開されるPCT出願の表紙を作成する際に、IBは願書において出願⼈によって先に提供された書誌情報を活⽤します。
公開される書誌情報における間違いの原因の⼀つとして考えられるのは、出願提出後に官庁によって⾏ われるデータの転写であり、これは出願⼈が画像ベースの願書を使⽤する際に起こります。このことは、書誌情報が⽂字ベース形式で提供されるような⽅法でPCT出願をすることの出願⼈にとっての利益を思い起こさせることとなります。例えば、電⼦出願システムを利⽤してPCT出願をする場合、例えばePCT出願であれば、出願⼈は⽂字ベース形式で書誌データを提供することができます。RO/USに出願する出願⼈にとっては、最善策は⽂ 字ベースの書誌情報を含む.zipファイルを作成し、そのファイルをEFS-Web出願システムへアップロードすることです(詳細は、PCT Newsletter 2016年5⽉号第5ページをご参照ください)。
これらの⽅法のいずれかを⽤いることによる望ましい成果は、出願⼈が⽂字ベースの書誌情報を提供したということにあります。したがって、そのような情報は官庁がその後、⼿で転写する必要がなく、PCT出願の公報の表紙を作成するためにIBが使⽤ するシステムへ⾃動的に送信されます。
ePCTシステムはまた、間違った⼜は意図したものでない書誌情報が、公開されるPCT出願の表紙に表⽰されるリスクを最⼩限に抑える更なる機会を提供します。以下に説明いたします。
出願⼈は、好ましくはPCT出願の出願中に、ePCTからの出願へのアクセスを可能にするための措置を取るでしょう。⼜はその代わりに、様式PCT/IB/301 (記録原本の受理通知) の受理にあたり、出願⼈はePCT1 からPCT出願へのアクセスを可能とするための必要な⼿段を取るでしょう。どちらの場合においても、次の段階はePCTにて出願の内容を閲覧することです。続いて"データ" 項⽬にある "Preview publication front page (公開公報の表紙のプレビュー)" をクリックします。当該機能は、書誌情報を含むPCTの公開公報の表紙のプレビューのPDFコピーをePCTユーザがダウンロードし閲覧することを可能にします。
ユーザは、この機会を利⽤してプレビューをチェックすることで、官庁職員によるタイプミス(画像ベースの願書が提出された場合) や、ePCT、PCT-SAFE若しくは他の電⼦出願ソフトウェアを利⽤する際の出願⼈による書誌情報の⼊⼒ミスを確認することができます。その場合、好ましくは対応するePCTのアクション機能を利⽤して、PCT規則92の2に基づく変更の記録要請を⾏うことにより、間違いの訂正をIBへ簡単に要請することができます。
ユーザは、出願⼈⼜は発明者へ確認のためプレビューを共有することも希望するかもしれません。例えば、発明者は公開公報の表紙にある発明者のリストについて、別の順序を好む場合があり得ます。あるいはこのような確認により優先権の主張が⽋落しており追加の必要性を認識するきっかけとなる場合があります。そのような問題は、⼗分早期に発⾒されれば、IBとの適切で適時の連絡により容易に訂正が可能です。
⽶国に拠点を置く弁理⼠であるCarl Oppedahl は、ePCTの公開公報のレビューページの精査を推奨しています。"あるケースにおいて、驚いたことに、PCT-SAFEで筆頭発明者の⽒名の綴りを間違えていたことを発⾒しました。もしプレビューページを確認していなかったら、発明者の⽒名の綴りが間違った状態で出願は公開されていたでしょう。出願後すぐに間違いを発⾒したため、綴りを訂正するための規則92 の2に基づく要請を提出する時間が⼗分にありました。出願は正しい発明者の⽒名の綴りで公開され、私はクライアントの前で恥をかくことを避けることができました。"