注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

PCT 規則 4.17 に基づく申立てが提出されるべきではない状況

Q: 法人の出願人の代理として国際出願を出願しました。国内段階移行の手続を促進するため、 国際出願と共に"出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する申立て"を含めました。 当該出願人は現在、他の企業へ当該出願の権利を譲渡しました。当方は記録された代理人のま まであり、PCT 規則 92 の 2 に基づく出願人の変更の記録を国際事務局へ要請します。新しい 出願人の氏名を含む二度目の申立ても提出できますか?

A: 新しい出願人が元の出願人に取って代わることの事実を考慮するために、PCT 規則 4.17(ii) に基づく出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する新しい申立て(以下:PCT 規則 4.17(ii)に基づく申立て)を提出すべきではありません。これは申立てが国際出願日より前に、 又は国際出願日に起こった事態にのみ適用され、国際出願日より後に起こる事態には適用され ないためです。

PCT規則 4.17 に基づく申立ては、PCTに基づく実施細則の第 211 号から第 215 号にそれぞれ 示されているような、(関連する申立てにより)許可されているいずれかの事項の必要な記載、 省略、繰返し及び並び替えによる文言で作成される必要があります。PCT規則 4.17(ii)に基づく 申立ての場合には、当該申立てにおいて特定された出願人が、国際出願日における、出願し及 び特許を与えられる資格1を有していたことに基づき、申立てがなされます。第 212 号に基づ き記載されている事項の記載、省略、繰返し、及び並び替えは、出願人の資格を説明するため に必要であるため許可されていますが、"国際出願日における"の文言を削除することは許可さ れていません。

したがって、この時点では、新しい出願人が貴殿を代理人として選任する旨の新しい委任状と 共に、PCT 規則 92 の 2 に基づく出願人の変更の記録の要請のみを国際事務局(IB)へ提出す べきです。しかしながら、国際出願の出願後、出願人の変更があった場合、いずれの指定(選 択)官庁も、PCT 規則 51 の 2.1(a)(ii)に基づき、新しい出願人の出願し及び特許を与えられる 資格に関する証拠を要求する資格を有します。それゆえ、国内段階移行時、又は関連する指定 官庁により許可される期間内に、上記の申立て又は他の証拠を直接関連する官庁へ提出するよ う、要求されることがあります。

出願し及び特許を与えられる資格に関する証拠をどの官庁が要求するかについての情報は、 PCT 出願人の手引 の各国内段階の概要をご参照ください。当該手引は、特別な要件を一覧に しており、要件がある場合には、国内段階移行に関連し満たされるべき要件や、関連する官庁 が出願人に要件を満たすよう求めるのかどうか、若しくは、求めがない場合、要件を満たす際 に適用する期間を、記載しております。とは言え、いずれの特別な要件も国内段階への移行を 行う時点で満たすことを強くお勧めいたします。その方がより効率的で後から要件を満たすこ とを忘れてしまうリスクを避けられます。なお、当該変更が、変更の記録の要請に従ったもの であり、IB からの通知(様式 PCT/IB/306"変更の記録の通知")に反映されたものである場合 には、幾つかの指定官庁はそのような証拠を要求しないことにご留意ください。

PCT 規則 4.17 に基づく申立ての提出一般に関する詳細は、以下のリンク先をご覧ください。

  • PCT 出願人の手引、国際段階(パラグラフ 5.074 から 5.083A 及び 6.045 から 6.050) 及び国内段階(パラグラフ 5.003 から 5.005)
    http://www.wipo.int/pct/en/appguide/
  • 実施細則(第 211 号から第 215 号)
    http://www.wipo.int/pct/en/texts/pdf/ai.pdf
  • 願書の第 VIII 欄への備考
    http://www.wipo.int/pct/en/forms/request/ed_request.pdf
  1. 出願人が、先の出願に基づく優先権を主張する出願人の資格に関する PCT 規則 4.17(iii)に基づく申立てを提出する場合(例 えば、出願人が先の出願を申請した出願人と同一でない場合、又は先の出願の提出以降に出願人の氏名が変更された場合)、 申立てには国際出願日における状況も示す必要があります。