注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

ニーズに合わせたPCTトレーニングの依頼

Q: 当社は、PCTを利用する上でのベストプラクティスについて、また、係属中のPCT出願のポートフォリオ管理に役立てるためのePCTの利用について、社内トレーニングの実施に関心があります。そのようなトレーニングを手配することは可能でしょうか?もし可能であれば、どのように依頼できるのでしょうか?

A: WIPOは、多くのPCTセミナー(初心者向け及び上級者向けの両方) にスピーカーを提供しています。セミナーは、ePCTの利用に関するものもあり、WIPOの全ての10の公開言語を用いて世界全域で実施されています。PCTセミナーカレンダーには、一般の方が参加可能なセミナーのみ含まれているため、WIPOスタッフが実施する全てのセミナーは表示されていません。必要な条件が満たされていれば、WIPOは企業、特許法律事務所又は他の機関に対してもプライベートの社内セミナーにスピーカーを派遣します。そのようなセミナーは、多くの場合、企業の社員又は法律事務所の弁理士やスタッフのように特定のグループの人々に通常限られていますが、主催者が希望する場合には一般の方も参加することができます。

WIPOは、社内トレーニングを奨励し支援しています。そのようなトレーニングプログラムの利点のいくつかは、以下のとおりです。

  • 実施団体の特定のニーズや目的にしっかり合わせたトレーニングの機会を提供する。
  • 関心の低いトピックスに費やす時間を省略又は短縮でき、特に関心のあるトピックスは詳細に取り上げる。
  • 参加者のPCT知識のレベルに適切に対応できる。
  • 参加者はより多くの質問をしやすくなり、一般のプログラムよりも彼らのニーズや目的についてより率直に話しやすくなる。
  • 参加者は通常、セミナー会場への移動に時間を費やす必要がないため、移動費用や宿泊費用を避けることができる。

提案されるトレーニングプログラムの出席者の人数が十分であり (望ましくは、最低でも15人)、そのようなトレーニングを提供可能なWIPOスタッフの予定によっては、WIPOは場合によっては1名又は複数名のスピーカーを直接派遣することができます。

別の方法としては、WIPO外部の多くの研修会主催者も、英語やさまざまな言語で、企業向けの社内PCT トレーニングプログラム(一般の方が参加可能な場合とそうでない場合あり) を実施しています。第三者によって主催されるそのような社内PCTトレーニングには、WIPOスタッフがスピーカー又は共同スピーカーとして含まれている場合があります。あるいは、経験豊富な弁理士や各国知財庁のスタッフ1のように、PCTの経験が豊富なWIPO以外のスピーカーのみで実施される場合もあります。

WIPOは、当然のことながら、特定の外部の研修会主催者を支持したり推奨する立場にはありませんが、大抵は以下のPCTセミナーカレンダーでいくつかの主催者の実施例を見ることができます。

www.wipo.int/pct/en/seminar/seminar.pdf

WIPOスピーカーが不在で、セミナーが一般に公開されている場合には、(外部研修会開催者から特に掲載を要請された場合) カレンダーには"PCT event without WIPO speakers" (WIPO スピーカー不在のPCT イベント) として表示されます。WIPOが認識している最近の外部主催の社内PCTトレーニングプログラムには、以下のようなトピックスが含まれました。

  • さまざまな出願のシナリオの探索と、それらのシナリオの⾧所と短所の比較。
  • PCT第ll章の戦略的な利用(国際予備審査請求と第34条に基づく補正) 及び特許審査ハイウェイとの相互関係。
  • 国際特許出願実務のための出願ドラフトに関するベストプラクティス。
  • PCT出願を提出する際の共同ワークフローのためのePCTの利用。
  • 係属中のPCT出願の管理や、企業と社外特許事務所間の調整を目的としたePCTの活用。
  • PCT手続きのドケッティング(書類管理)に関するベストプラクティス。

社内セミナーを主催する際にWIPOの参加に関心がある場合には、WIPOのPCT法務部・PCT ユーザ支援部(PCT Legal and User Support Section) に、望ましくは以下の電子メールアドレスまでご連絡ください。

pct.training@wipo.int

もしくは、外部のプロバイダーにも直接ご連絡いただけます。

WIPOスピーカーを依頼する際には、セミナーで取り上げたいトピックス、参加予定人数や参加者のPCTに関する知識のレベルを明確にしてください。また、WIPOはスピーカーに関わる経費への財政的な支援をお願いする点にもご留意ください。しかしながら、WIPOは講演料の支払いは求めません。また、セミナーの準備には時間を要するため、依頼は望ましくはセミナー開催提案日の少なくとも3ヶ月前に行うようお願いいたします。社内トレーニングの依頼を受けることができるかどうかは、スピーカーのスケジュールの都合や仕事の予定により決まる点にもご留意ください。

またWIPOは、PCTウェビナー又はビデオコンファレンスによるセミナーも提供しております、経費に関わる財政的な支援は必要ありませんが、参加予定者の最低人数を満たすことは必要になります。

  1. 例えば、欧州特許庁や米国特許商標庁ではスタッフをスピーカーとして、PCT セミナーを定期的に開催しています。