PCTニュースレター 07/2013: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
発明の単一性が欠如しているとの認定に対処するための国際出願の補正
Q: 国際出願を行ったのですが、国際調査機関(ISA)から部分的な国際調査の結果と共に、様式 PCT/ISA/206(追加手数料、及び、該当する場合には、異議申立手数料の求め)を受けました。その様式によれば、ISA による発明の単一性の欠如の認定により、5 発明分の追加手数料を支払うよう示されていますが、この認定は過大であると考えています。とは言うものの、請求の範囲は単一の発明であることがより明確になるように起草可能であったとも思っております。部分的な調査の受理後に、PCT 第 19 条に基づいて請求の範囲を補正することは可能でしょうか。発明の範囲を補正することによって発明の単一性を主張し、高額な追加手数料の支払いを避けることができればと思っております。
A: お問い合せの段階において、手続き上、貴殿の国際出願について発明の単一性に関する再評価を得ることはできません。また、PCT第 19 条に基づく請求の範囲の補正は、国際調査報告(ISR)(PCT/ISA/210)の受理後にのみ可能です。貴殿が受理されたものは部分的な国際調査の結果1であり、PCT第 19 条に基づく補正はできません。当該国際出願に対するISRは、追加手数料が支払われるまで、または当該手数料の支払い期限(求めの日付から 1 ヶ月)が満了するまで、発行されません。追加手数料を支払わないと決めた場合、追加手数料を支払う意思がないとISAに報告されることを避けることはできず、ISAは比較的早くISRを発行することもあります。(ただし、出願時に納付された国際調査手数料によって充当しうる最初に記載された発明に基づき作成されます)。
PCT 規則 13.1 によれば、国際出願は一つの発明又は単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明についてのみ行う(発明の単一性の要件)と規定されています。発明の単一性の詳細は国際調査及び予備審査ガイドライン(下記 URL)第 10 章をご覧ください。
http://www.wipo.int/pct/en/texts/pdf/ispe.pdf
調査手数料は、国際出願に関する国際調査を行うために ISA でかかる費用を充当するものですが、これは出願が発明の単一性の要件を満たす範囲に対してのみです。これにより、ISAは出願人に対し追加の発明ごとに追加調査手数料を支払うよう求める権利を有しています(PCT 規則 40.1)。もし追加手数料が納付されなければ、ISA は当該国際出願の一部、つまり請求の範囲の最初に記載された発明に関する ISR を作成します。すなわち、それは様式PCT/ISA/206 にあるようなものと同じ結果となるでしょう。
異議申立て(PCT 規則 40.2(c))に基づき追加手数料が払い戻される可能性はありますが、当該手数料は、該当する場合には異議申立手数料とともに(異議申立手数料の有無は各 ISAに関する PCT 出願人の手引 附属書 D を参照)、様式 PCT/ISA/206 で ISA が示した期限内に前もって納付する必要があることにご注意ください。異議申立てに基づく手数料に関する詳細は PCT 出願人の手引 国際段階の概要のパラグラフ 7.019 と 7.020 をご参照ください。追加調査手数料の一部を納付することもできます。その場合、納付額に応じた発明の数のみ調査対象となり、ISAによって調査されない部分が生じます。しかし、出願人は国際調査を希望する請求の範囲をISAに特定することが可能な場合があります。2
国際出願の未調査部分に関する国際調査報告の欠落は、それ自体、国際出願の有効性に関しいかなる影響力もなく、その手続き(指定官庁への送達を含む)は継続されます。しかし、PCT 第 17 条(3)(b)及び第 34 条(3)(c)に基づいて、指定(又は選択)官庁の国内法は、出願人が当該官庁に特別手数料を支払った場合を除くほか、そのような国際出願の未調査部分は取り下げられたものとみなすことを定めることができます。なお、そのような規則を適用する官庁は数庁に限られています。特別手数料の詳細は、PCT 出願人の手引のそれぞれの国の国内段階の概要をご覧ください。
請求の範囲(及び明細書、図面)を補正するさらなる機会は、PCT 第 34 条に基づき(出願人が、国際予備審査請求を行った場合に限る)国際段階中に可能であり、また PCT 第 28 条及び第 41 条に基づき国内段階移行時点でも可能です。しかし、たとえ出願人が国際予備審査機関(IPEA)に対して PCT 第 19 条補正及び/又は第 34 条補正に基づいて審査をするよう求めたとしても、IPEA は(ISR で)調査されていない発明に関する請求の範囲を国際予備審査の対象とすることを要さず、通常行いません(PCT 規則 66.1(e)を参照)。同様に、出願人が国際出願に対して補充国際調査請求をした場合でも、補充国際調査機関は、国際調査の対象でなかった請求の範囲を補充調査から除くことができます(PCT 規則 45 の 2.5(d))。
国際予備審査及び国内段階での、国際出願の単一性の欠如の認定の結果についての詳細は、PCT ニュースレター2008 年 9 月号の実務アドバイスをご参照下さい。