PCTニュースレター 06/2008: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
指定の取下げに必要な署名の要件
Q: 代理人として、日本の国内出願を優先権主張して国際出願を出願しました。その際、日本の国内保護を求めないようにするために、第 V 欄「国の指定」のチェック欄にチェックするのを忘れてしまいました。チェックをすることで、国内法に基づいて先の出願がみなし取下げになるのを避けることができます。したがって、先の出願から 15 ヶ月以内に日本の指定を取り下げなければなりませんが、時間があまりありません。日本を指定国とする出願人は企業の出願人のみなので、取下書の署名については米国のみを指定国とする出願人/発明者の署名は必要ないのでしょうか。特許協力条約上、私のこの考え方は正しいのでしょうか。(願書に出願人は署名していません。受理官庁は委任状の提出要件を放棄しており、委任状は提出されていません。)
A: PCT 規則 90 の 2.5(a) に従い、指定の取下げを含む取下書は出願人が署名しなければなりません。二人以上出願人がいる場合には、全ての者によって署名されることが必要です。しがたがって、出願人/発明者が米国のみを指定国とする出願人であって、日本を指定国とする出願人でない場合あっても、全ての出願人の署名が必要となります。例え、PCT 規則90.2(b)に基づいて、企業の出願人が共通の代表者とみなされたとしても(「みなされた共通の代表者」)、他の出願人を代表して取下書に署名することはできません。
受理官庁としての日本国特許庁は委任状の提出要件を放棄していますが、PCT 規則 90 の 2.1から 90 の 2.4 までの取下書には適用されません(PCT 規則 90.4(e)参照)。もし、取下書が全ての出願人に署名されていない場合には、全ての出願人に署名された委任状が必要になります。
出願人/発明者が上述した指定国の取下書に署名する必要があることに対する唯一の例外は次の場合になります。発明者が出願することを国内法令が要求している国(つまり米国)を指定国とする出願人/発明者がいる場合に、その指定国についての発明者である出願人を相当な努力を払っても発見し、又は、連絡することができなければ、PCT 規則 90 の 2.2 に基づく取下書には少なくとも一人の出願人が署名し、かつ、次の条件を満たせば、その発明者である出願人の署名は必要ありません。
- その発明者である出願人の署名がないことを、場合に応じ、受理官庁、国際事務局が満足するように説明した書面を提出すること
- 願書が少なくとも一人の出願人に署名されており、その発明者である出願人の署名が願書にないことを、受理官庁が満足するように説明した書面を提出すること
受理官庁によって委任状の提出要件が放棄されていたとしても、又は、署名の要件を満たすために願書に複数の出願人のうち一人が署名すればよいとしても(PCT規則4.15(a)及び26.2の 2(a))、代理人又は共通の代表者は、委任状への署名又は願書への署名によって、全ての出願人の署名を取得しておくべきか注意深く検討することが必要です。事前にこのような署名を取得しておくことによって、全ての出願人の署名が必要な、又は全ての出願人が署名した委任状が必要な取下げについても関係官庁/機関に直ちに手続きをすることが可能になり ます。したがって、署名を取得するための遅れが発生しません。例え、これらの署名を代理人/共通の代表者が現実に提出せずに、代理人/共通の代表者のファイルに単に保管していたとしても、後でその署名が必要になった場合に使用できます。
一般的な取下げについての詳細は、PCT 出願人の手引きのパラグラフ 452 から 463 をご参照ください。
www.wipo.int/pct/guide/en/gdvol1/pdf/gdvol1.pdf
指定国の取下げについての詳細は PCT ニュースレターNo. 02/2004 の「実務アドバイス」をご参照ください。
www.wipo.int/edocs/pctndocs/en/2004/pct_news_2004_2.pdf