注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

PCT 手数料が受理官庁による国際出願の受理日から1ヶ月以上経過して支払われる場合の後払手数料

Q: ある国際出願の代理人ですが、事務処理の誤りで、送付手数料、国際出願手数料及び調査手数料が、それらの支払期限である1ヶ月以内には支払われず、期限満了の 2 日後に支払われました。当方の支払いは期限内に支払われたものとみなされますか?そうでなければ、受理官庁に対して後払手数料を支払う必要がありますか?

A: 送付手数料、国際出願手数料及び調査手数料の支払い期限はそれぞれ、PCT 規則 14.1(c)、15.3 及び 16.1(f)に基づき、国際出願の受理日から 1 ヶ月となっています。出願時に手数料が未払、又は不足する場合、受理官庁は後払手数料を請求することなく、国際出願の受理日から 1ヶ月以内に不足額を支払うよう出願人に(最初に)求めるでしょう(様式 PCT/RO/102 を使用)(受理官庁ガイドライン(ROGL)のパラグラフ 258、及び PCT 実施細則第 304 号を参照)。これは受理官庁の義務ではありませんので、本件もそうであるように、おそらくこの求めは受け取らなかったのでしょう。

支払期限までに、手数料が受理官庁に支払われていないと当該受理官庁が認めた場合、又は当該受理官庁に支払われた額が手数料又は関連手数料に不足すると認めた場合には、当該受理官庁は、PCT 規則 16 の 2.1 に従い、これらの手数料を賄うために必要な額及び、該当するときは、PCT 規則 16 の 2. 2(ROGL のパラグラフ 259 を参照)に基づく後払手数料を求めの日から 1 ヶ月以内に支払うよう出願人に求めます(様式 PCT/RO/133 を使用)。後払手数料は未払いの手数料の額の 50%、又はこの額が送付手数料より少ない場合には、送付手数料に等しい額となります。額は国際出願手数料(国際出願の用紙が 30 枚を超える場合の追加手数料は考慮に入れません)の 50%を超えません(ROGL のパラグラフ 264 を参照)。出願人が手数料表の項目 4 及び/又は 5 に基づく国際出願手数料の減額を認められている場合は、後払手数料は減額された国際出願手数料に基づいて計算されます。

1 ヶ月の手数料支払期限を逃した場合、後払手数料を支払うか否かは以下の 2 点によります。

  • PCT 規則 16 の 2.1 に基づく求めを送付する前に受理官庁が本件の支払を受領した場合は、PCT 規則 16 の 2.1(d) に従い、PCT 規則 14.1(c)、15.3 又は 16.1(f) に規定する期限の満了前に受領したものとみなされるでしょう。言い換えれば、本件の支払が国際出願の受理から 1 ヶ月より後に受理官庁に届いたが、(追加の)手数料支払の求め(様式 PCT/RO/133)の発行前であり、本件の支払が不足なく全額支払われているときには、不足額の支払の求めは送付されませんし、後払手数料も請求されません(ROGL のパラグラフ 263 を参照)。全ての受理官庁は PCT 規則 16 の 2.1(d) に基づくこの規定に従う義務があります。
  • また、PCT 規則 16 の 2.1 に基づく求めを受理官庁が送付する前に支払が受領されていない場合でも、受理官庁が後払手数料を課することは義務ではありません。それは関係官庁の実務によります(ROGL のパラグラフ 264 を参照)。

手数料の後払いを避けるためにも、国際出願の提出時に必要な手数料はできる限り早く支払うのが最善です。受理官庁は不足額を支払うよう 1 通又は 2 通の通知を出願人に送付しますが、後払いは追加手数料の支払をもたらし、さらに PCT 規則 16 の 2.1 で認められた延長期限満了までに支払われない場合は、最終的に PCT 第 14 条(3) に従い国際出願は取り下げられたものとみなされる(様式 PCT/RO/117)こともあります。PCT に基づき設定された通知の手続き、及び国際出願の公開のかなり前に手数料を支払わなければならないという要件は、国際出願の公開を回避するには遅すぎる時点で当該出願が手数料の未払のため取り下げられたとみなされないようにするのに役立ちます。

手数料の支払いに関しては、小切手による支払は時間がかかり、また特定の小切手は銀行により拒否されることもありますので、小切手による支払はなるべくお控え頂きますようご留意ください。ePCT 出願を利用して受理官庁としての国際事務局(RO/IB)へ提出された出願に関しては、手数料はクレジットカード又は WIPO 当座預金口座からの引き落としにより、オンラインで直ちに支払いが可能です。