注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

国際出願を電子的に出願する際に利用する PCT-SAFE と ePCT 出願の違い

Q: オーストラリアの特許事務所に勤めている者です。当事務所は PCT-SAFE を利用してPCT 国際出願を準備し出願しています。しかし、現在、国際出願を ePCT 出願で(受理官庁としての国際事務局と同様に)受理官庁としてのオーストラリア特許庁に出願することが可能ということがわかりました。これら二つの電子出願はいったい何が違うのでしょうか。

A: PCT-SAFE は、2003 年から利用可能となり、個々のユーザ端末に PCT-SAFE ソフトをインストールして利用します。このソフトは、例えば手数料の額や、管轄官庁といった参照情報を含み、原則年 4 回アップデートされます。ユーザの多くは、使用するコンピュータのソフトをアップデートする際に必要な管理者権限を与えられていないことが多く、出願時にいつも最新版のソフトを使用しているとは限りません。PCT 出願のオンラインでの提出時点まで、インターネットへの接続は要求されません。

ePCT 出願は、ePCT プライベートサービスを利用してウェブ上で国際出願を準備し出願するものであり、すべて国際事務局(IB)で処理されております。適当なウェブブラウザがあり WIPO 電子証明書を入手済みであれば、ご利用のコンピュータに特別なソフトをインストールする必要はなく直接オンラインで作業できます。参照情報は IB で管理する最新のものであり、IB から変更について通知された後、速やかにアップデートされます。

ePCT 出願は、PCT-SAFE よりも優れた確認機能を有しています。ePCT 出願を利用して国際出願を準備すれば、ほとんどの形式的な間違いや物理的欠陥は出願前に検出され、出願人により修正可能となります。また、ePCT では IB が使用する IT システムから出願に関するデータや書類を確認することになるので、ePCT で表示されるものと IB で受領するものとの間に相違がなく、安心してご利用いただけます。

ePCT 出願を利用すると、国際出願は提出前に ePCT アカウントと関連付けられ、必要に応じ、出願前にアクセス権を関係者に与えることが可能です。その結果、オンラインで一件書類を確認したり、出願の手続状況についての通知を受けたりするために、IB に対して別個にアクセス権を請求する必要はなく、出願後の当該出願に関するアクセスは既に確立されています。PCT-SAFE と同様に、ePCT 出願はアドレス帳機能を有し、PCT-SAFE アドレス帳データを ePCT にインポートすることも可能です。このアドレス帳は複数のユーザにより共有が可能です。

IB はユーザの皆様に、可能なときはいつでも ePCT 出願を利用し始めることをお勧めしています。この記事を書いている時点で、ePCT 出願による国際出願を受け付けている官庁は、オーストラリア、オーストリア、フィンランド、スウェーデン、および IB といった受理官庁です。しかし、いかなる PCT 締約国の居住者及び/又は国民である出願人も IB に対して国際出願を提出する資格があるので、国の安全に関する規定を満たしている場合に限り、ePCT出願はすべての出願人が RO/IB に対して利用可能です。

RO/IB やオーストラリア特許庁のようにホストサーバを利用する官庁に対して出願する際、出願の全内容は通常、出願後すぐにオンラインで利用可能です。しかし、スウェーデン特許登録庁のように、独自の電子出願サーバを管理している受理官庁の場合には、当該受理官庁が IB に対して記録原本を送付するまでは、提出された出願の全内容はオンラインで利用可能とはなりませんが、ePCT で出願時のままのものを確認できます。受理官庁、国際調査機関(ISA)、又は、国際予備審査機関(IPEA)が許可すれば(IB は、RO、ISA 及び IPEA としてのオーストラリア特許庁において可能なものが、他の官庁において今後増加することを期待しています)、郵送したり、ファックスしたり、さらには、別個のオンラインアカウントを持つ必要も無く、同じ ePCT インターフェイスからこれらの官庁に対して中間書類をアップロードすることができます。

差し当たり PCT-SAFE を利用し続ける場合であっても、ePCT プライベートサービスが役立ちます。例えば、国際出願に関する eOwnership を有していれば、当該国際出願のファイルにアクセスしたり、当該国際出願に関するさまざまなアクション機能を実行したりすることができます。ePCT から得られる ePCT カスタマーID と一回限りの eOwnership コードを提供することにより、出願時に eOwnership を請求することができます。"Assign eOwnership in ePCT at the time of filing(出願時に ePCT の eOwnership を割り当てる)"というユーザガイドを含む PCT-SAFE の利用に関するさらなる情報については下記のサイトをご覧ください。

http://www.wipo.int/pct-safe/en/support/user_documentation.htm

PCT-SAFE も ePCT 出願も、同様に国際出願手数料が減額されます。下記リンク先の手数料表の項目 4 をご覧ください。

http://www.wipo.int/en/web/pct-system/texts/rules/rtax#_S

PCT-SAFE で国際出願を提出し続けても問題ありませんが、ePCT 出願を利用することで多くのメリットを享受できますので、IB は可能な限りすべての PCT ユーザが ePCT 出願に移行するようお勧めしています。

出願人が ePCT 出願システムを体験できるように ePCT 出願のデモ版を用意し、適宜 ePCT出願に移行できるように配慮しています。詳細は ePCT ポータルをご覧ください。

https://pct.wipo.int/ePCT

あるいは、下記の PCT 電子サービス Help Desk にお問い合わせください。

電子メール: epct@wipo.int電話番号: (+41-22)338 9523