PCTニュースレター 05/2012: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
ある国の広域指定のための出願人と同一の者によるその国の指定の表示のための要件
Q: 国際出願の代理人が担当する出願についてデンマークの国のみの指定についての特定の出願人の表示を行うことを希望しています。PCT-SAFE を用いた国際出願の完全電子出願を準備しているところですが、PCT-SAFE 版の願書(PCT/RO/101)への記入において、各出願人の指定国の選択の際、PCT-SAFE ソフトウェアでは、デンマーク国内特許のための指定のみについての出願人を入力することができず、欧州特許のためのデンマークの指定が自動的に行われてしまいます。後者(EP)の指定を行わない方法もないように思われます。デンマークの国内特許のための出願人と、欧州特許のためのデンマークの指定についての出願人と異なる者を表示することが可能でしょうか。それが不可能な場合、欧州特許の異なる部分について異なる出願人を表示する、例えば、ある出願人はデンマークを除くすべての EP締約国についての出願人とし、他の出願人を欧州特許のデンマーク部分についての出願人とすることは可能でしょうか。
A: PCT-SAFE ソフトウェアは、ある特定の国の指定のための出願人である者は、当該国の広域指定についての出願人となるよう、該当欄に自動的に入力されるプログラムになっています。なぜなら、実施細則第 203 号(b)に従い、ある特定の国が国内特許及び広域特許の両方に指定されている場合には、同一の出願人を両方の指定について表示しなければならないためです。ソフトウェアによる自動的な選択により、後日必要となる願書への補充という状況を回避しています。紙形式の願書が提出され、出願人がある特定の国内特許の指定について表示されているが、欧州特許のための指定について表示されていない場合が該当します。
しかしながら、EP の指定の残りの国に関する限り、広域特許のために指定された異なる国のために異なる出願人を表示することができます(実施細則第 203 号(a)参照)。よって、デンマーク及び EP の指定についての出願人とデンマークを除くすべての EP 締約国についての別の出願人を表示させることができます。しかしながら、また、ある特定の指定について複数の者を出願人とすることができることから、他の出願人もまた(デンマークを含む)すべての EP 締約国についての出願人として表示させることができます。したがって、他の出願人がデンマークの広域指定についての共同出願人となることを希望していない場合、その状況を明確にすべきです。
特定の指定国についての出願人が複数の者であり、規定の欄がその状況にそぐわない場合についての願書の記入方法に関する情報は、下記をご参照下さい:
(1) PCT-SAFE 出願
「出願人又は出願人/発明者に関する詳細」のタイトル名の画面で「この欄に記載した者は、次の指定国についての出願人である:「特定の指定国のみ」」を選択した後、その出願人が出願人である指定国を「指定国の閲覧/修正」の画面で選択します。
(2) 紙出願
関連する出願人の欄(第 II 欄又は第 III 欄のいずれか)において、「追記欄に記載した指定国」と表示されたボックスをチェックし、追記欄の part 1 (ii)の横に、当該者が出願人である一又は複数の指定国の表示を行うとともに、出願人の名称を繰り返し記入します。例えば、次の通りです。
SMITH, John, applicant for Denmark (national patent and European patent) ジョン・スミス、デンマークについての出願人(国内特許及び欧州特許)