PCTニュースレター 04/2015: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
受理官庁に対して出願人を代理する資格がない場合の通知のためのあて名の表示
Q: オランダに拠点を置く法人出願人(住所及び国籍がオランダ)を代理して PCT 出願を提出する予定です。当方は米国にある当該企業の子会社の特許部に在籍する弁理士です。できれば受理官庁としての欧州特許庁(EPO)に対して出願を提出したいのですが、米国に拠点のある当方が EPO に対し出願人を代理して行動できるのかどうか教えて下さい。
A: 国際出願が受理官庁としての欧州特許庁(RO/EP)へ提出されるのであれば、出願人が欧州特許条約(EPC)の締約国の何れかの国に住所又は主要な事業所を有する場合は、EPOは、出願人が受理官庁としての EPO に対し代理人を選任することを要求しません。
しかし、代理人が選任されるのであれば、代理人は以下の者に限られます。
- EPO が備える該当名簿に登載されている職業代理人(http://www.epo.org/applying/online-services/representatives.html を参照)、又は、
- 欧州特許条約の締約国の 1 国において特許に関し手続を行う資格を有し、かつ、当該国に営業所を有する法律実務家
上記の EPO に対する代理人の条件の何れにも合致しない場合は、出願人は RO/EP に対して出願人を代理する資格のある別の代理人を選任するか、PCT 規則 4.4 (d) に従い、資格のある代理人を選任しないことを条件に、通知のためのあて名として願書様式に記載することが可能です(願書様式の第 IV 欄に氏名及びあて名を記載し、"通知のためのあて名"を選択する)。RO に対して出願人を代理する資格がないにもかかわらず、願書様式に"代理人"として記載された場合には、RO は何れの場合においても、"代理人"の表示を職権により削除し、代わりに"通知のためのあて名"と表示する旨ご注意下さい(PCT 受理官庁ガイドラインのパラグラフ 117 を参照)。
通知のためのあて名の利点は、あて名はどこであっても可能であり、特定の国に縛られないことです(PCT に拘束されていない国であっても可能です)。通知のためのあて名に記載された者には、通常出願人又は代理人へ送られる国際段階での国際出願に関する全ての通知が送付され、出願に関する支払いをすることも可能です。
しかしながら、通知のためのあて名に記載された場合、出願人の代理人として行動する資格がないことにご注意ください。RO 又は国際機関への何れの提出にも出願人(又は複数の出願人がいる際は共通の代表者とみなされた者)による署名が必要となります。特定の手続の期限が迫っているのであれば、出願人の署名を得るのに時間のかかることが問題になる可能性もあることにご注意下さい。
RO/EP に関して、2014 年 11 月 1 日に当該官庁は、代理人が選任されていない場合に提出された国際出願において出願人によって与えられる通知のためのあて名に関する特定の規制を緩和するよう実務を変更しました。これらの変更には、EPC 締約国の通知のためのあて名の規制解除を含み、その結果現在は通知のためのあて名は如何なる国の如何なる者でも可能になりました。EPO の改訂された実務の詳細については、下記のリンク先の"職業代理人又は代理人がいない場合の EPO に対する手続における通知のためのあて名の使用に関する 2014 年 9 月 4 日付け欧州特許庁の通知"をご覧下さい。
http://www.epo.org/law-practice/legal-texts/official-journal/2014/10/a99/2014-a99.pdf
国際段階における代理人の選任に関する他の PCT 受理官庁の要件については PCT 出願人の手引の附属書 C を、国内段階における代理人の選任に関する指定(又は選択)官庁の要件については、PCT 出願人の手引の関連する国内段階を下記リンク先にてご参照下さい。
http://www.wipo.int/pct/en/appguide