注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

白黒で図面(及び該当する場合、写真)を提出するための(継続)要件

Q: 図面を含む国際出願を電子形式で提出する予定です。理想的にはカラー写真の形式で図面の提出を希望しており、カラー写真により発明の理解が非常に容易になります。国際出願においてカラー写真を提出することは許容されるのでしょうか。

A: PCT 規則 11.13 によると、図面は、耐久性のある、黒色の、十分に濃厚な、均一の太さの、かつ明瞭な線及び画で着色することなく作成されたものでなければなりません。現在、PCT には写真に関する規定が設けられていませんが、国際事務局の実務では図面で示すことが不可能な場合に白黒写真を受理しています。PCT 出願人の手引きの段落 5.159 において、例外的に写真が提出する場合には、A4 サイズの用紙に白黒写真で最低限の余白があって直接複製できるものでなければならない、と述べられています。また、カラー写真・カラー図面のいずれも認められない強調されています。

しかしながら、白黒図面又は写真においてでさえ、陰影が存在する点に留意が必要です(すなわち、細部が純粋な白又は黒ではなくグレーの様々な陰影で描写されているもの)。したがって、白黒とみなされている写真においてでさえ、グレースケールの細部は、厳密に白黒でグレーの陰影を正確に再現されない国際事務局の現行の公開プロセス中で歪められる可能性があります。それゆえ、白黒の図面又は写真の場合でさえ、元の図面又は写真におけるグレーの陰影を 100%再現することは保証できません。

国際事務局がカラー図面或いは写真(以下、「カラー図面」)を受理し、出願人が(自発的又は受理官庁からの補充のための通知によって)図面を白黒とする要件に適合する差替え用紙を後で提出しなかった場合であっても、国際事務局は公開目的のために白黒で再現するでしょう。カラー図面の白黒への変換又はスキャンの過程での国際事務局による最大限の努力にもかかわらず、公開された出願の明確性は保証できません。場合によって、受理官庁が国際事務局による図面の受理の前に変換を行うかもしれず、しかしこの場合でも、公開目的の質は保証されないことに留意する必要があります。出願人が国内段階移行時に公開された白黒の図面に問題があるとする場合には、国際事務局は、出願人又は指定(選択)官庁の請求に基づき、指定(選択)官庁に対しカラー図面のカラーコピーを提供します。

国際事務局(又は受理官庁)によるカラー図面から白黒への変換のための努力にもかかわらず、国際事務局は、公開された図面の質をよりよく調整できるよう、出願人自身が白黒の図面(又はカラー図面を白黒に変換したもの)を提出することを推奨しています。

第 3 回 PCT 作業部会において、国際出願でのカラー図面に関して行なわれた議論を知ることに興味があるかもしれません。同作業部会は「特定のタイプの発明の明瞭かつ効果的な開示を行うための写真及びカラー図面の価値を認識し、この問題の早期の進展を望むが、国際出願の一部としてそのような図面の提出及び処理を可能とする際に含まれうる技術的及び法的問題についてさらなる研究が求められることに合意しました」(文書 PCT/WG/3/14rev 段落 197 参照)。

http://www.wipo.int/meetings/en/details.jsp?meeting_id=19682

この問題について発言したすべての代表団は、電子形式で出願された国際出願に対して、カラー図面の提出の可能性を制限することが許容される可能性が高いと考慮しました。この問題に関するさらなる詳細な参考資料は、これらの議論の基礎となった「国際出願における写真及びカラー図面」というタイトルの作業文書(文書 PCT/WG/3/9)をご覧下さい。

ある種の発明の開示のためにカラー図面の提出する出願人の明らかな必要性を考慮して、国際事務局は現在、PCT 規則の改正の可能性を研究しています(PCT 加盟国によりさらに検討されるでしょう)。同様に、そのような出願の国際公開がカラーで行う可能性も研究しています(この言及はあくまで電子的公開のみが対象であって、国際事務局に対する国際公開の紙の写しの提供という特別の要求は除外されています)。しかしながら、多くの技術的、法的、手続上の考慮すべき事項に取り組まなければならず、受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関、指定/選択官庁、特定の関係のある政府間機関、PCT ユーザーを代表する特定のNGO との詳細な議論の結果によってのみ可能になるでしょう。

PCT ニュースレターの読者はこの問題に関する進捗に関する情報を逐次受け取るでしょう。

国際出願における図面の表示に関するさらなる情報について、PCT 規則 11.10、11.11、11.13及び PCT 出願人の手引き段落 5.128 から 5.163 をご参照下さい。

http://www.wipo.int/pct/guide/en/gdvol1/pdf/gdvol1.pdf