PCTニュースレター 02/2015: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
明白な誤記の訂正のための請求が権限のある機関に拒否された場合、どのような対応ができますか?
Q: 国際出願と共に急いで準備した非公式の図面を提出しました。その後、公式の図面を準備しているときに、元の図面に小さな間違いがあることに気がつき、公式の図面で修正しました。しかし、後に提出した公式の図面は元々提出していた図面と差異があったため受理官庁より拒否されました。そのため、PCT 規則 91.1 に基づく明白な誤記の訂正のための請求を差替え図面と修正の説明と共に国際調査機関(ISA)に提出しました。残念ながら、当該請求はその後 ISA より拒否されました。本件を是正するために国際段階にて可能な対応はありますか?
A: 訂正のための請求を許可する権限のある機関(本件では ISA)が PCT 規則 91 に基づく訂正の許可を拒否する場合、国際段階において誤記を訂正するさらなる機会はありません。しかしながら、PCT 規則 91.3(d)に基づき、当該訂正のための請求や当該機関による拒否の理由、当該訂正のための請求を弁護するために提出することが可能な簡単な意見書を公開することをIBへ要請することができます。IBはすでにISAから当該訂正のための請求の写し、当該請求に対する ISA の拒否の通知及び拒否の理由を直接受け取っているでしょう。
訂正のための請求、拒否の理由、及び提出することが可能な意見書を含む情報の公開の要請は、訂正のための請求の拒否の日から 2 ヶ月以内に IB へ到達すべきであり、同時に PCT 実施細則第 113 号(c)に規定される特別な手数料、これは PCT 出願人の手引 附属書 B2(IB)(http://www.wipo.int/pct/guide/en/gdvol1/annexes/annexb2/ax_b_ib.pdf)にも記載されていますが、その支払いが条件となります。手数料は現在、50 スイスフランに 1 頁を超える頁毎に 12 スイスフランが追加されます。なお、出願人は ePCT(https://pct.wipo.int/ePCT) の"ドキュメントアップロード"機能を利用して IB へ公開の要請を提出できます。
拒否された訂正のための請求に関する情報は、その要請が国際公開の技術的準備が完了する前に受理された場合には、国際出願と同時に公開されますが、そうでなければその後公開されます。
拒否された訂正のための請求に関する情報とともに提出することが可能な意見書の公開を要請することにより、当該情報は PATENTSCOPE にて閲覧可能となり、指定(又は選択)官庁(及び第三者)は、誤記を含む図面や国内段階において誤記の訂正のための請求をする可能性があることに留意するでしょう。明白な誤記の訂正に関する国内法令や実務に従い、指定官庁に対してさらなる要請をすることもできます。
明白な誤記の訂正のための請求に関する詳細は、PCT 出願人の手引 国際段階の概要のパラグラフ 11.033 から 11.044 をご覧ください。
(http://www.wipo.int/pct/en/appguide/text.jsp?page=ip11.html#_rectif_mistakes)