PCTニュースレター 02/2009: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
補充国際調査のために選択した機関に対し業として手続きをとる権能を有する代理人の選任
Q: ある国際出願の代理人ですが、国際調査機関(ISA)に対する手続きのために復代理人を選任しました。そして、ISA と同じ官庁である国際予備審査機関(IPEA)に対する手続きのために同じ代理人を選任する予定です。技術の特徴と発明の潜在的な重要性から、補充国際調査を行う価値があると思っています。この場合に、補充国際調査のために選択した機関に対して、当該復代理人が代理人として手続きすることができるのでしょうか。
A: 補充国際調査(SIS)のために特別に代理人を選任する必要はあまりありません(通常はその機関と代理人の間で連絡を取ることはありません。あったとしても、非常に限られた書類を当該機関に提出する必要があるだけです(必要な場合には、電子形式による配列リストの写し又は SIS を行う機関が認める言語への翻訳文))。しかし、復代理人を選任することは可能です。特に、国際調査及び予備審査のために復代理人を既に選任している場合には、復代理人を選任することを希望する場合もあると思われます。
ただし、PCT 規則 90.1(d)(ii) に従って、復代理人が、補充国際調査機関として行動する国内官庁又は政府間機関(以後「官庁」と言う)に対し業として手続きをとる権能を有する場合には、補充国際調査(SIS)のために選択した当該機関に対して手続きをとる代理人として、当該復代理人を選任することができます。この場合に該当していれば、SIS のために選択した機関に対する手続きを含むように、現在の復代理人の選任の範囲を広げることが可能です。そうするためには、補充調査請求書様式(PCT/IB/375)の第 III 欄の 3 番目のチェック欄にマークをし、当該欄に代理人の詳細を記入することが必要です。
現在の復代理人が、SIS のために選択した機関として行動する官庁に対し、業として手続きをとる権能を有していない場合には、その機関に対する手続きのために、ご質問者(代理人)が一般的な代理人として行動することが可能です(出願人に特定されていなければ、国際段階全てに関して業として手続きをとる権能があります。)。なぜなら、PCT 規則 90.1 に従って、国際出願が出願された官庁に対し業として手続きをとる権能を有する者(国際出願が国際事務局(IB)に出願された場合には、IB に対する国際出願に関して業として手続きをとる権能を有する者(PCT 規則 83.1 の 2 参照))は、受理官庁、IB、国際調査機関、SIS のために選択した全ての機関及び国際予備審査機関に対して、出願人を代理する代理人として選任することができます。この場合、補充調査請求書の第 III 欄の最初のチェック欄にマークをして、当該欄の必要箇所に記入することになります。
SIS のために選択した機関として行動する官庁又は機関に対して業として手続きをとる権能を有している復代理人を更に選任したい場合には(PCT 規則 90.1(d)(ii))、補充調査請求書の第 III 欄の 3 番目のチェック欄にマークをし、新しい代理人の必要な情報を記入することになります。ご質問者(代理人)は、選任された代理人として、復代理人を選任できますので、出願人の署名は必要ありません。選任された復代理人は SIS の手続きのみを行うことができます。他の事項については手続きを行う権限はありません。
国内及び広域官庁に対して業として手続きをとる権能を有している者に関する情報は、PCT出願人の手引きの関係する国内編(概要)をご覧ください。(http://www.wipo.int/pct/guide/en/index.html) 若しくは、関係する官庁にお問い合わせください。復代理人の選任についての詳細は、PCT出願人の手引き、国際段階、パラグラフ 81 及び 413 をご覧ください。新しいSISサービスに関する情報はPCT規則 45 の 2 及びPCT Newsletter No. 12/2008をご覧ください。