PCTニュースレター 01/2023: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
国際出願の優先日を補正する方法
Q: 数か月前に国際出願を行いましたが、先の出願の出願日が、国際出願日に先立つ12か月の期間内に該当しないことを指摘する通知PCT/RO/110 (優先権の主張に関する補正命令書) を受け取りました。今になり、当方が間違った日付形式を使用し、正しくは07.12.22とするところを、12.07.22と間違い2022年12月7日と表示していたことに気づきました。優先日を補正することはできますか?また、補正を行う期限はありますか?そして、どの官庁に補正を請求すべきかを教えて下さい。
A: 適用する期間内に請求が行われる場合には、優先権の主張は補正が可能です。特に優先権の主張の補正又は追加に関連する専門用語の幾つかを以下に説明しましょう。
国際出願が優先権の主張を含む場合、「優先日」とは、優先権が主張された出願の出願日を意味します。二つ以上の優先権の主張を含む場合、「優先日」とは、優先権が主張された最先の出願の出願日を意味します。国際出願に優先権の主張がない場合、「優先日」とは、国際出願の出願日となります。
「優先期間」とは、国際出願において優先権が主張された先の出願の出願日から12か月の期間を意味します。12か月の期間の末日が受理官庁の閉庁日又は法定の休日に当たる場合、優先期間は次の就業日に満了します (PCT規則2.4(b) 及び80.5参照)。有効な優先権として主張するためには、国際出願は常に優先期間内に提出される必要があります。国際出願が、優先期間が満了した後であっても一定期間内に提出される場合には、限定された状況の下ではありますが、優先権の回復を請求することが可能な場合があります (詳細はPCT規則26の2.3(e) とPCT出願人の手引 国際段階5.062から5.069項に掲載/pct/en/guide/ip05#_5.062以下参照)。ただし、この規定は、特定の国の受理官庁に適用される国内法令と適合していないため、全ての締約国に適用されてはいません (規則26の2.3(j) に基づく不適合を国際事務局 (IB) に通知している受理官庁については、/pct/en/texts/reservations/res_incomp.html をご参照下さい)。
国際出願における日付、又は関連する通信に用いる日付は、PCT実施細則第110号に従い、日をアラビア数字で、月をその名称で、年はアラビア数字の順番 (dd month yyyy) で表示するものとします。願書に表示した日付の後、下又は上に、日と月を示すそれぞれ2桁のアラビア数字、その次に年を表す4桁の数字をこの順番で表示し、日及び月の数字の後にピリオド、斜線又はハイフンを付した日付を括弧付きで表示します。例えば、
2023年12月7日 (07.12.2023)
又は 2023 年 12 月 7 日 (07/12/2023)
又は 2023年12月7日 (07-12-2023)
この二重表示の目的は、まさに今回のような誤りを回避するためです。二つの日付が一致しない場合、受理官庁又はIBは、その旨を出願人に通知できますし、正しい日付が十分に明確であれば、職権で日付の一つを訂正することもできます。また、ご留意いただきたいのは、国際出願の提出にePCTを利用することでそのような誤りを回避できる点です。ePCTでは、各優先権の主張が、優先権の主張に関するPCTの規定に確実に準拠しているかの検証を行うためです。
上記の背景を踏まえた上で、今回の事例の質問により具体的にお答えしましょう。出願人 (若しくは記録の代理人) は、受理官庁又はIBに対し書面を提出することで優先権の主張を補正する又は願書へ追加することが可能です (写しは双方へ送付することが望ましく、IBに対する写しについては、ePCTから文書タイプ 「優先権主張/優先権書類 ー 優先権の主張の補正又は追加 (PCT規則26の2.1)」をアップロードして下さい)。書面の提出期間は、優先日から16か月の期間又は、優先権の主張の補正又は追加により優先日について変更が生じる場合には、変更された優先日から16か月の期間のうちいずれか早く満了する期間となります。さらに、適用する16か月の期間がいつ満了するかにかかわらず、書面は、国際出願日から4か月を経過する前であればいつでも提出できます。詳細は、PCT規則26の2をご参照下さい。
/pct/en/texts/rules/r26bis.html#_26bis
通知PCT/RO/110 (優先権の主張に関する補正命令書及び/又は優先権の回復のための請求の提出の可能性に関する通知) に対し所定の期間内に応答しなかった場合、当該優先権の主張はPCTの手続上無効とみなされることにご注意下さい (規則26の2.2(b))。ただし、国際出願日が優先期間が満了した日よりも遅く、なお、当該満了の日から2か月以内であれば、補正書が提出されていなくても、当該優先権の主張は無効とはみなされません (PCT規則26の2.2(c)(iii))。この場合には、上述した通り、PCT規則26の2.3(j) に基づく不適合通知 (上記の解説参照) が適用されないことを条件に、受理官庁に対し優先権の回復請求を行うことができます。優先権の回復請求が受理官庁に対し期間内に行われなかった場合、又は請求が認められなかった場合であっても、出願人は、PCT規則49の3.2に基づき国内段階移行時にも優先権の回復請求を行うことができます。