PCTニュースレター 01/2021: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
PCT-SAFE から ePCT への移行 (受理官庁としての米国特許商標庁に対して出願する出願人の例
Q: 当社は、受理官庁としての米国特許商標庁 (RO/US) に対して多数のPCT出願を提出しています。これまで出願様式の作成にはPCT-SAFEソフトを利用してきましたが、多くのユーザのソフトをインストールしたり、ソフトを頻繁に更新するのは面倒で時間がかかります。RO/USに対する出願における出願様式を作成するためのePCTの利用に関する規制が緩和されたと知りました。もし外国出願許可があれば、今後ePCTを利用できるのでしょうか?また、国際出願の出願方法や管理を学べるePCTスタートガイドのトレーニングはありますか?
A: 米国特許商標庁 (USPTO) が2020 年 9 月 30 日付で外国出願許可に関する規則改正を採択したことは、PCTニュースレター 2020年10月号でお知らせしました。当該規則改正では、受理官庁としての USPTO (RO/US)1 に対して出願するための国際出願の作成支援を目的として、出願人による ePCT の利用を促進しています。これにより、米国のPCT出願人は以下を条件として、
- 出願前に必要な外国出願許可を取得済みであることを含む国の安全に関する規定を充足していること、そして
- USPTOから取得した外国出願許可の範囲内に含まれていない追加の発明の対象を入力 (転送) しないこと
今後は ePCT を利用して国際出願を作成することができるようになりました。そして、要約のテキスト、検証済みの出願様式や発明の名称を含めた .zip ファイルを生成して、残りの出願部分と共にRO/US にアップロードできるようになりました。なお、このアップロードはUSPTO の電子出願システム(EFS-Web か Patent Centerのうちいずれか)を介してでき、これまでの技術データを ePCT へ入力 (転送) する際の心配は不要になりました。詳細は、PCTニュースレター 2020年10月号2ページ (「国際出願の電子出願及び処理」のトピック) を、以下のリンクからご参照下さい。
/pct/ja/newslett/2020/10_2020.pdf#page=2
また、米国連邦公報に掲載された情報は、以下のリンクからご覧下さい。
https://www.federalregister.gov/documents/2020/09/30/2020-18743/facilitating-the-use-ofthe-world-intellectual-property-organizations-epct-system-to-prepare
当該規則改正を受け、必要な外国出願許可に関する要件が充足されていることを条件として2、米国のPCT出願人は、ePCT を利用してPCT出願を作成する際のメリットを享受しながらRO/USに対し出願することができます。上述したPCTニュースレターの記事では、ePCT を利用する主な利点についても概説しています。特にePCTシステムはウェブベースの出願であるため、PCT-SAFEとは異なり、煩雑なソフトのインストールや更新が必要ない点などです。また、RO/USが国際事務局 (IB) に対して出願を送付すると即時に、その出願は、作成時に当該出願にアクセスできていた (又はアクセスを付与されていた) ePCTユーザの「ワークベンチ」にて利用可能になります。
WIPOウェブサイトには、ユーザのePCT 利用開始を支援する豊富な情報が掲載されています。
例えば、以下のリンクからアクセスできる各種機能の説明書に加えて、
https://pct.wipo.int/ePCTExternal/pages/landing.xhtml
PCTのeServices Helpウェブページ上には、ユーザガイドや手順書が掲載されています。以下のリンクからご利用下さい。
https://pct.wipo.int/pct/en/epct/pdf/pct_wipo_accounts_faq.html
以下は、特にあなたのケースに関連したページです。
- 「ePCTスタートガイド」(日本語版): /pct/ja/epct/pdf/epct_getting_started.pdf
- "Filing an application" (英語版): /en/web/epct/learnmore?N=196 特に、 "Filing at RO/US using ePCT in combination with EFS-Web" (英語版): /en/web/epct/learnmore?N=452
- "eOwnership, eHandshakes and Access Rights" (英語版): /en/web/epct/learnmore?N=693
ePCTシステムでは、デモ版が設定されており、出願人は「実際の」出願を提出する前にシステムに使い慣れておくことができます。
また、依頼があればWIPOは、企業向けのオンライントレーニングを実施することができます。セッションはニーズに合わせて、参加者のPCT知識のレベルによって対応可能です。ePCTを使い始めるユーザ向けのトレーニングでは、以下の内容を紹介することができます。
- 高度認証を使ったWIPOアカウントの作成
- eHandshakes、アクセス権の付与と出願のデフォルト設定
- ePCTワークベンチのナビゲーション
- 新規国際出願 の作成と提出、そして
- 提出した国際出願の管理
すでに基本的なePCT機能を熟知しているユーザや、ePCTが提供する広範な一連の機能について学びたいユーザには、上級者向けトレーニングも実施可能です。幅広い一連の機能を使うことで、PCT出願の管理がより効率的になります。
ニーズに合わせたPCTトレーニングの依頼に関する詳細は、以下のリンクから、PCTニュースレター 2018年10月号に掲載された実務アドバイスをご参照下さい。
/pct/ja/newslett/2018/newslett_2018.pdf#page=69
ePCTに関する具体的なトレーニングの実施可能性については、pct.eservices@wipo.intまで電子メールをお送り下さい。
また、ePCT関連のセミナーやウェビナーについては、以下のリンクから、PCTセミナーカレンダーもご確認下さい。
/pct/en/seminar/seminar.pdf
なお、大半の受理官庁では、すでにPCT-SAFE出願の受理を停止しており、受理官庁としてのIB (RO/IB) も、停止予定の日はまだ公表していませんが、今後その意向である点にご留意下さい。そのため、まだPCT-SAFEを利用しているユーザの皆様には、国際出願を提出する受理官庁にて利用可能であれば、ePCTの利用開始を強くお勧めいたします。ePCTを利用した国際出願を受理しているROの現時点での一覧は、https://pct.wipo.int/ePCTExternal/pages/EFilingServers.xhtml?lang=jaからご覧下さい。
リマインダのためお知らせしますが、PCT締約国の国民及び/又は居住者がRO/IBに対して出願する場合、適用される国の安全に関する要件が充足されていることを条件として、ePCTを利用したPCT出願を提出することができます。
- 先の外国出願許可の規則では、外国の PCT 受理官庁 (例えば、受理官庁としての国際事務局) に出願するための国際出願を作成する目的で、ePCT を利用して技術データを入力 (転送) することは、以前から許可されていました。一方、同規則では、RO/US に対して出願するための国際出願を作成する目的で、ePCT を利用して技術データを入力 (転送) することは、許可されていませんでした。
- ePCTで願書様式や要約を作成し、 .zipファイルを生成してRO/USに対してアップロードする時点でまだ外国出願許可を得ていなければ、要約及び/又は発明の名称の形式として技術データを ePCT へ入力 (転送) することが心配な場合があるでしょう。この場合には、その時点で、ePCT出願データパッケージの内容から要約及び/又は名称を削除することができます。なお、外国出願許可があっても、出願にその許可の範囲を超える追加の主題が含まれている場合にも、この方法が推奨されます。