『神秘の丘』 (Running Up That Hill): 80年代のヒット曲が『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のおかげで数百万ドルの印税を獲得

2022年5月にNetflixで配信された『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の第4シーズンでは、イギリスのシンガーソングライター、ケイト・ブッシュの1980年代のヒット曲『神秘の丘』 (原題: 『Running Up That Hill (A Deal With God)』) が使用されています。このヒット曲は (ネタバレ注意)、シリーズの中でも最も感動的なエピソードの一つである『親愛なるビリー』において、登場人物マックス・メイフィールドがお守りとして選んだ曲です。

Netflixの人気シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のおかげで、『神秘の丘』がリリースされてから37年経った今、何百万人もの若者がこの曲を初めて耳にしました。 (写真: Netflix提供)

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のスタッフは、マックスの命を救う曲をどの曲にしようかと頭を悩ませていましたが、1985年 (物語の舞台の1年前) にリリースされたケイト・ブッシュの『神秘の丘』をマックスのお気に入りの曲にすることを思いつきました。Netflix効果で人気が再燃した『神秘の丘』は、SpotifyとiTunesにおいて3週連続で再生回数トップ10に入り、米国や英国などの8か国で最も多く再生された楽曲となり、ハリー・スタイルズ、バッド・バニー、カロルGなどのヒット曲をしのぐ結果となりました。

ケイト・ブッシュは、歌以外にこの楽曲の作詞、作曲、演奏、プロデュースも自ら行っており、自分自身の独立系レーベル、Noble and Brite Ltd社を通して、『神秘の丘』だけでなくアルバム『愛のかたち』 (原題: 『Hounds Of Love』) の経済的権利を所有しています。Yahoo!Financeのレポートによれば、リバイバルヒットの結果、ケイト・ブッシュはストリーミングから得られるロイヤルティとして推定237万ポンドを受け取っています。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のファンの多くが、このシリーズを見た後にYouTube、iTunes、Amazon、Spotifyなどでこの曲を再生しました。『神秘の丘』は、2021年版ローリングストーン誌の選ぶオールタイム・グレイテスト・ソングに選定され、「最も心に響く80年代の楽曲の一つ」として、60位にランクインしています。

「ダファー兄弟 (『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の監督) がマックスの守護霊として『神秘の丘』を使いたいと思ってくれてとても嬉しかったです。今この最新シリーズを全部見終わって、ジェットコースターのような彼らの旅の一部にこの曲が選ばれたことをとても光栄に思います」と、ケイト・ブッシュはブログに投稿しています。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』 (シーズン4) は、2022年度エミー賞に13部門でノミネートされ、ケイト・ブッシュの『神秘の丘』がZ世代の心をつかんだエピソード『親愛なるビリー』で音楽スーパービジョン賞を受賞しています。


動画: 1985年にリリースされた前衛的な歌、『神秘の丘』によってマックスが救われるシーンをご覧ください。

『神秘の丘』の最近の成功から、質の高い音楽作品は時間を超越して生き続けることがわかります。また、作詞家や作曲家、そして演者にとって、自分の権利を効果的に管理することがいかに重要であるか、特に、作品の創作者がロイヤリティを確実に受け取れるようにするために重要な役割を果たしている著作権管理団体に自分の作品を登録することの重要性が浮き彫りになっています。

アーティストが報酬を受け取り、その作品が認められるようにする仕組みを確実にするための活動については、ABBAで有名なCISAC会長、ビョルン・ウルヴァースのインタビューをお読みください。


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