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特許情報を利用した技術ギャップの発見と経済発展の促進

2023年11月

著者: Lakshmi Supriya氏、WIPO技術・イノベーションサポート部 (Technology and Innovation Support Division)

WIPO Patent Analytics Team (特許分析チーム) は、スリランカのNational Innovation Agency (NIA、国家イノベーション庁) のあるグループから、自国経済発展のために豊富な天然資源の価値を高める方法について質問を受け、特許データを詳しく調査することにしました。WIPOでは、特許情報を利用して定期的にイノベーションの動向を探っているため、調査自体は珍しいことではありませんが、今回の目的はいつもと違いました。

特許出願には、出願人や出願日、出願地、発明者など、多くの情報が含まれています。こうした情報の分析から、特定の技術分野における最新状況、出願件数の近年の傾向、イノベーションが起きている地域などに関する有益な知見が得られます。特許データをさまざまな切り口で詳細に分析することで、特許出願活動があまり活発でない「空白」分野を発見することも可能です。ここに、NIAチームの質問に対する答えの少なくとも一部があります。

特許データを分析することで、イノベーションの動向や好機に関する有益な知見が得られる可能性があります。(写真: Urupong / iStock Getty Images)

特許データの精査を通じた国の経済成長支援

「スリランカは鉱物の宝庫で、非常に純度の高い黒鉛を産出しています」とNIAのシニア・イノベーション・オフィサー、Vindya Wijesinghe氏は言います。「黒鉛はブラックゴールドと呼ばれています」問題は「その大部分を原材料として輸出している」ことだと同氏は指摘します。鉱石のまま輸出するより、実用的な製品に加工して販売するほうが高い利益が得られます。では、どのような製品にすれば良いのでしょうか。答えは簡単ではありません。そこで、まだ特許出願が活発でない技術分野を特定するために、黒鉛に関連する特許を詳細に調査することにしました。

ある技術分野の特許が多いということは、画期的なイノベーションがすでに数多く行われている、ということです。この場合、今後イノベーションのペースは鈍化が見込まれ、知的財産を獲得する余地はほとんど残されていません。しかも、基盤技術の多くは、すでに特許で保護されている可能性があります。つまり、発明の不注意による使用や権利侵害になる使用を回避するため、こうした技術を使用しようとする者は、その使用権を得るために多大な労力を要することになります。

スリランカには世界有数の高純度の黒鉛鉱床があります。特許データを分析することで、この貴重な資源の価値を高める機会が明らかになります。(写真: RHJ / iStock / Getty Images Plus)

特許情報の検討

この問題を回避する一つの方法は、特許で十分に保護されていない技術を発見することです。

特許データからこの技術を探るために、私たちは文献調査や専門家との対話、WIPOの専門知識をもとに、黒鉛製品とその用途を分類し、リストを作成しました。次に、カテゴリーごとに特許出願件数を数え、イノベーションの強度を測定しました。さらに、「最新性 (recency) 」 (技術の特許出願が最初に行われた時期の新しさ) を測定するために、出願された年も記録しました。最新性の数値が高いほど、特許が新しいことを意味します。各カテゴリーについて、イノベーション強度と最新性をグラフ上にプロットすることで、どこに空白があるかが分かります。

古い特許が多く (つまりイノベーション強度が高く)、最新性の数値が低い用途分野は、成熟した技術分野を意味します。逆に、比較的新しい少数の特許がある分野は、イノベーションの潜在的な余地があると考えられます。図1は4つの象限に分けたグラフで、右上の第1象限は現在注目されているイノベーションのテーマを、右下の第4象限は新たに出現した分野を示しています。

図1: 出典: WIPO (2023)Graphite and its Applications (黒鉛とその用途)
ジュネーブ: 世界知的所有権機関 (WIPO)

特許情報の分析で明らかになったイノベーションの機会

黒鉛に関しては、航空宇宙や包装などが新たな用途分野になる可能性があることが分かりました。もう1つの興味深い用途として、最近少数の特許出願が行われているのが、導電性インクです。

導電性インクとは、折りたたみ式携帯電話のようなフレキシブルエレクトロニクスに使用できる印刷可能なインクで、銀や金などの導電性金属の微細な粒子を流体中に分散させたものが一般的です。黒鉛も電気伝導性と熱伝導性に優れています。この調査によると、導電性インクにおける黒鉛の使用は、特許出願活動が低調な分野です。黒鉛を使用した導電性インクは、導電性インク全体の過去10年間の特許出願件数の約5%を占めており、従来の導電性インク市場を支配しているサムスンやHPなどの大企業よりも、小規模な研究機関による特許出願が多くなっています。

WIPOの特許情報分析は、黒鉛を使用した導電性インクにイノベーションの余地があることを示唆しています。

特許分析: 有効な第一歩であるがそれがすべてではない

このような特許分析により、空白分野を知ることはできますが、特許はイノベーションの一指標に過ぎないことを忘れてはなりません。特定の技術分野で、特許出願やイノベーションに差がある理由は、さまざまな要因で説明することができます。

導電性インクを例にとると、この分野の特許出願が少ないことには技術的な理由があるかもしれません。黒鉛を使用した導電性インクは、従来の導電性インクに比べて導電性や安定性が劣る可能性があり、その導電特性を理解するには、基礎的な科学研究が必要でしょう。また、こうした製品に対する市場の需要が、現時点では低い可能性もあります。特許情報は有用な知見を提供し、有益な第一歩となりますが、こうした分析で投資判断の全体像を描くことはできません。投資を行うかの判断は、あらゆる要因を総合的に分析して行う必要があります。   

これはまさに、Wijesinghe氏と同氏のNIAチームが行っていることです。彼らは特許分析で得た知見に基づいて、イノベーションに対する取り組みを構築し、推進しています。「これらの報告書は、スリランカの鉱物に関するロードマップと政策の策定を後押ししています」と同氏は言います。

WIPOと特許分析

2010年以降、WIPOは加盟国の要請を受けて、さまざまな技術分野や地域におけるイノベーションの動向を探るために、特許情報の調査を実施しています。この活動を通じて、特許ランドスケープレポートや分析を行うためのリソースを提供してきました。また、WIPOテクノロジートレンド報告書では、特許データだけでなく、科学文献や専門家の見解、その他のデータを組み合わせて、特定の技術分野をさらに深く掘り下げて考察しています。

これらのリソースや報告書はオンラインで自由にご利用いただけます。

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