マドリッド制度の活用事例 (ハイライト): Ausnutria社―世界の「乳製品原材料のゴールデンベルト」で生産される粉ミルク
2021/09/02
前回に引き続き、マドリッド制度の主な活用事例のハイライトをご紹介し、様々な業界の企業がどのようにマドリッド制度を有効活用しているかについて実務的な知見をご提供します。今回は、世界中で事業を展開している中国の乳業メーカー、Ausnutria (オースニュートリア: 澳優乳業) 社の事例をご紹介します。
Ausnutria社は、乳製品の調達が極めて困難であった状況を受け、2003年に中国で創業しました。17年にわたり事業を拡大し続け、現在では、原材料調達から製造、商品販売まで網羅した包括的な「ミルクサプライチェーン」を擁し、中国国外に8工場、世界60以上の国および地域に販売サービス網を展開するグローバルな乳業メーカーに成長しています。また、世界最高水準の研究開発機関と連携し、グローバルな知的財産チェーンを構築しています。

最高品質の乳製品を消費者に届けられるよう尽力しているAusnutria社は、創業以来、オランダやオーストラリア、ニュージーランドといった世界有数の乳製品原材料生産国で供給・製造拠点を築き、世界の「乳製品原材料のゴールデンベルト」で戦略的かつ効果的に事業を拡大してきました。
さらに、企業買収や合弁企業の立ち上げを繰り返しながら、世界各地にグローバル拠点を張り巡らせてきました。しかし同時に、事業部の増設や海外市場への精力的な事業拡大を行うにつれ、商標やブランド資産が増えたことに伴い、国際市場でのブランド保護が早急に対応すべき課題となりました。
近日公開予定
WIPOでは、イノベーションを創出する企業の最新事例を幅広い業種にわたりこれから年末にかけてさらにご紹介していく予定です。グローバルな事業展開を進める上でのマドリッド制度の活用方法や、海外市場での商標の保護取得がどのようにして認知度や競争力の向上につながるのかなど、マドリッド制度の活用に役立つ情報を提供しますので、ぜひご覧ください。