専門家委員会がニース分類第11版を承認

2016/11/16

2017年1月1日に、標章の登録のための商品及びサービスの ニース分類(NCL)の (最新版) が発効します。これには多くの追加及び変更が盛り込まれています。

2017年より、商標の名義人は、2016年初めにジュネーブで開催されたニース同盟専門家委員会(委員会)第26回会合で決定した15個のニース分類の類見出しの変更と334個の新しい用語の追加による利益を享受できるようになります。

ニース分類の類見出し及び関連する注釈の変更は、特定の類の範囲をより明確にするために行われるものです。

最新情報

類見出しの変更

第11版の変更箇所の大半は、日本、スイス、米国、EUIPO及びWIPOが提出した共同提案から生じたものです。12個のニース分類の類見出しとその関連注釈の変更に焦点を置いたこの提案は、若干の修正点と併せて委員会により承認されました。当該提案に関与した国々は、将来的に他の類に改正を拡大していくことを要望しました。

最新の改訂版によって影響が及ぶ類見出しは、3、6、10、14、16、17、18、20、21、22、24、26、28、31及び45類です。これら15個の類に加えて、5、11、29、30、35、42及び44類の注釈も変更されました。

おそらく最も顕著な変更点は、第21類に関する委員会の決定です。「table cutlery」「kitchen knives」「other kitchen utensils for cutting」を第8類から第21類に移行させるという提案は承認されなかったものの、「all serving utensils」は2017年1月1日より第21類に分類されることになりました。

商品及びサービスの一覧表の変更

ニース分類に基づく用語のアルファベット順一覧表の変更として、第42類「携帯電話のSIMロック解除(unlocking of mobile phones)」及び第45類「犬の散歩の代行(dog walking services)」「着物の着付け(kimono dressing assistance)」「宗教儀式の実施(conducting religious ceremonies)」を含む複数の新しいサービスが追加されました。

4,600億米ドル規模の世界的な化粧品・美容業界の拡大も、ニース分類第11版に影響を与えました。既存の「つけまつ毛(false eyelashes)」(第3類)、「マニキュアセット(manicure sets)」(第8類)、「ヘアエクステンション(hair extensions)」(第26類)に加え、「まつげ用ブラシ(eyelash brushes)」(第21類)、「ペディキュア用の発泡材でできた足指セパレーター(foam toe separators for use in pedicures)」(第21類)、「化粧用薬草エキス(herbal extracts for cosmetic purposes)」(第3類)が追加されました。

第29類及び第30類には、それぞれ以下のような複数の新たな商品が追加されました。食品関連企業にとって吉報となるこの追加には、「グアカモーレ(アボカドのディップ)(guacamole)」「オニオンリング(onion rings)」「ファラフェル(falafel)」「ビビンバ(野菜と牛肉を混ぜたご飯)(bibimbap [rice mixed with vegetables and beef])」「ドゥルセ・デ・レチェ(菓子)(dulce de leche)」「アーモンドミルク(almond milk)」「ピーナッツミルク(peanut milk)」「ココナッツミルク(coconut milk)」「ナッツを主原料としたスプレッド(nut-based spreads)」「チョコレートを主原料としたスプレッド(chocolate-based spreads)」が含まれます。また、メキシコ及びフランスの提案により、未知の食べ物を好む人に配慮した「エスカモーレス(加工済み食用蟻の幼虫)(escamoles [edible ant larvae, prepared])」「食用昆虫類(生きているものを除く。)(edible insects, not live)」「食用昆虫類(生きているものに限る。)(edible insects, live)」も追加されました(第29類及び第31類)。

健康分野に係るブランドの名義人は、「体組成計(body composition monitors)」(第10類)などを含む複数の類の変更及び追加や、「医療用薬草エキス(herbal extracts for medical purposes)」(第5類)、「医療用植物療法製剤(phytotherapy preparations for medical purposes)」(第5類)の新たな追加による利益を享受することができます。

新規の用語及び類見出しの効力発生

WIPOは、2017年1月1日以降、マドリッド制度に基づき本国官庁が受理したすべての国際登録出願及び国際登録について、ニース分類第11版を適用します。ただし、WIPOは、2016年12月31日以後になされた更新、事後指定又はその他の変更請求に関し、新しい版の発効により影響がでる指定商品・役務リストが含まれていたとしても、ニース分類第11版に基づく再分類はしません。

また、ニース分類第11版に基づき分類された商品及び役務リストには、略字「NCL(11-2017)」が記載されます。WIPOは、この略字を指定締約国への通知、国際登録証明書、公報に挿入します。

第11版に基づく商品及び役務リストを利用者が作成または修正する際のさらなる支援として、Madrid Goods & Services Managerについては、最新の変更箇所を反映し、当該データベースは18か国語で更新されます。「Check acceptance」機能により、商標出願人及び名義人は、各締約国官庁における用語の許容性に関する有益な情報にアクセスすることができ、(「Check acceptance by dCP」(指定締約国における受入れの可否))、商品及び役務は新しいニース分類に合わせて自動的に再分類されます(「Check acceptance by WIPO」(WIPOでの採用確認))。

ニース分類とは

ニース分類(NCL)は、商標登録の際の商品及び役務の分類に用いられるものです。ニース分類では、関連する商品及び役務が様々なカテゴリーや類によりまとめて分類され、それぞれに固有の類見出しが付されています。

ニース分類は専門家委員会により継続的に見直されます。商品及び役務の表示に係る追加・変更・削除についての変更は毎年行われ、類の移行や新設をともなう変更は5年毎に行われます(5年毎の版について、ここでは以下、改訂版といいます)。

ニース分類の各年版には、旧版の採択以降に委員会により採択された全ての変更点が含まれます。改訂版には、5年の見直し期間中に委員会が毎年採択した全ての変更と修正が含まれます。

ニース分類に係る「変更」とは、用語のアルファベット順一覧表への商品及び役務の追加/削除、個々の商品及び役務、類見出し並びに関連注釈の言い回しの変更をいいます。

「修正」とは、一般的に、商品又は役務を、ある類から他の類に移行すること、又は類を新設することをいいます。

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