注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。

微生物(又は生物材料)への言及を含む国際出願の提出

Q: バイオテクノロジー分野に関連する発明について国際出願を提出する予定ですが、国内出願を提出する際に寄託機関に寄託された微生物への言及を含むべきですか。もしそうなら、どのような言及が必要なのか、それはいつ届け出なければならないか教えてください。

A: PCT は国際出願に関連する微生物や他の生物材料(以下"微生物")への言及を国際出願に含むように義務付けることを明確に規定していません。PCT は単に、もしそのような言及が行われるのであれば、規則 13 の 2 に従って行わなければならないこと、そしてもし行われるのであれば、そのような言及の内容やそれらを届け出るための期限に関して、各指定国の国内法令の要件を満たしているとみなすことを規定しています(PCT 規則 13 の 2)。

しかし、少なくとも一つの指定国において国内法令が発明の適切な開示の目的でそのような言及を行うことを規定しているときは、国際出願において微生物の寄託への言及を含むことを強くお勧めします。PCT 出願人の手引の附属書 L には、特許手続きのために寄託された微生物への言及を国内法令が規定している締約国の国内/広域官庁又は締約国のために行動する国内/広域官庁がリストアップされています。

PCT 規則 13 の 2.3(a)は、寄託された微生物への言及には以下の表示を含むよう規定しています:

  • 寄託をした寄託機関の名称及びあて名
  • 寄託した日付
  • その寄託機関が寄託について付した受託番号
  • PCT 規則 13 の 2.7(a)(i)の規定により国際事務局(IB)が通知を受けた追加事項 — 一部の締約国は、PCT 規則 13 の 2. 3(a)に規定の表示に加え、出願人が可能な限り、微生物の特徴の短い説明を要求しています。PCT 出願人の手引の附属書 L は、各国内(又は広域)官庁について、要求される追加の表示について掲載されています。

国際出願に寄託された微生物への言及を含むための期限については、PCT 規則 13 の 2.4(a)にいかなる表示も優先日から 16 ヶ月以内又は国際公開の技術的な準備が完了する前に届け出ることが規定されています。しかし、次のような状況ではより早い期限が適用されます。

  • 指定国の国内法令でより早い時にその言及の届出が要求されている旨を当該指定国がIB に通知している場合(PCT 規則 13 の 2. 4(b))、又は、
  • 国際出願の早期公開が請求されている場合は、寄託された微生物への言及は、この請求時までに届け出なければならない(PCT 規則 13 の 2.4 (c))。

PCT 規則 13 の 2.7(a)(ii)に従い、多くの官庁(PCT 出願人の手引の附属書 L に掲載されているように、指定(又は選択)官庁から IB に提供された情報によると 15 官庁)が、出願時にそのような表示が行われることを要求していることにご注意ください。それゆえ、出願時に表示を届け出ることが最善の方法です。寄託された微生物への言及が適用される期限内に届け出られなかった場合、その言及は指定官庁により所定の期限までに行われなかったものとみなされます。

寄託された微生物への言及の形式に関し、多くの指定官庁、例えば日本国特許庁や韓国知的所有権庁(関連する官庁の要件の詳細については PCT 出願人の手引の附属書 L を参照)により適用される国内法令に基づき要求されているので、明細書にそのような言及を含むことが強く推奨されます。しかし、その言及が明細書に文言として含まれていないのであれば別紙にて行い、それは明細書の用紙の一つとして番号付けします。なお、別紙としては様式 PCT/RO/134(寄託された微生物又は他の生物材料に関する表示の届出)が推奨され、次のリンク先から利用可能:http://www.wipo.int/pct/en/forms-ro-editable-ed_ro134.pdf

その言及が明細書に含まれている場合、願書様式の第 IX 欄の"寄託した微生物又は他の生物材料に関する書面"にチェックすべきではありません。一方、もし当該様式を国際出願本体とは別に国際出願時に提出したのであればチェックする必要があります。ただし、微生物への言及がすでに明細書に含まれているが、詳細情報を様式 PCT/RO/134 で連絡したい場合にのみそうすることをお勧めします。

PCT-SAFE を利用して国際出願を作成する場合("生物"タブを参照)、該当する表示が入力されれば、その様式を自動的に生成します。微生物の寄託に関する表示が明細書に含まれ、国際出願が PCT-SAFE を利用して作成された場合、そのような表示がなされたページや行の番号、段落番号は適切な欄に挿入しなければなりません。

ePCT 出願機能を利用して国際出願を提出する場合は、"生物"タブにおいて"追加"ボタンをクリックすることで以下のことが可能です。

  • 様式 PCT/RO/134 のオンライン作成、又は、
  • 様式 PCT/RO/134 の添付

"追加"ボタンをクリックした際、出願時の国際出願の明細書に寄託された微生物及び/又は他の生物材料への言及を含むという情報を確認できます。

寄託された微生物への言及は、ある特定の指定国のみのために行われていることが明確に表示されない限り、全ての指定国のために行われたとみなされます。さらに、微生物の異なる寄託への言及を異なる指定国のために行うことが可能です。

国際段階において、微生物への言及が所定の期間内に行われたか否かを判断するためにチェックはしませんが、当該表示が国際公開のための技術的な準備が完了した後に受理された場合、IB は出願時の国際出願に含まれていなかった表示が IB に届けられた日付を指定官庁に通知します。出願時の国際出願において、寄託された微生物への言及(又はその言及に必要な表示)を含まなかったこと、又は所定の期間内にその言及(又は表示)を届け出なかったことは、その官庁により適用される国内法令に基づき適用されるものと同じ影響を与えます。微生物への言及を含むことに関する詳細は、PCT 出願人の手引 国際段階の概要のパラグラフ 11.075 から 11.087 をご覧ください。PCT Newsletter 2014 年 9 月号では特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に関する一般情報と当該条約に基づく寄託数や分譲された微生物や生物材料の試料数の統計を紹介しています。(http://www.wipo.int/edocs/pctndocs/en/2014/pct_news_2014_9.pdf を参照)

ブダペスト条約に基づく国際寄託当局(IDA)により受託される微生物の種類やお問い合せ先、IDA の手数料に関する詳細はブダペスト条約のウェブサイトをご参照ください。

http://www.wipo.int/budapest