PCTニュースレター 04/2011: 実務アドバイス
注意: 以下の情報は PCT ニュースレターに当初掲載された時点では正しいものでしたが、一部の情報はすでに適用されない可能性があります。例えば、関係する PCT ニュースレターが発行されて以降、PCT 規則、実施細則、そしてPCT 様式に修正が行われた可能性があります。また、特定の手数料の変更や特定の出版物への参照は、すでに有効ではない場合があります。PCT 規則への言及がある場合は常に、実務アドバイスの掲載日に施行されている規則がその後修正されていないか慎重にご確認下さい。
出願人が補充国際調査を希望する可能性のある状況
Q: 既に出願した多くの国際出願に関する調査手数料を支払っています。国際調査が高品質であるはずであることを踏まえれば、なぜ補充国債調査を請求した方がよいのでしょうか。
A: PCT において、全ての国際調査機関は本来高品質の国際調査報告を提供するはずであり、通常の目的には十分なものです。国際調査が PCT 最小限資料だけでなく国際調査機関が国内官庁としての機能する場合に調査される追加の文献範囲をカバーしているにもかかわらず、この国際調査は全ての関連先行技術文献を見つけることが保証されていないという事実が存在します。国際調査機関の中には、異なるデータベースへのアクセスが可能であり、その審査官は他の調査機関の審査官とは異なる言語スキルを有していることから、補充国際調査の実施を請求することが有用である状況もありえるでしょう。
多くの国々の国内段階に移行することは費用がかかるものであり、またその国内段階中に新規の先行技術文献が発見される可能性が常に存在し、もしその先行術文献の存在を事前に知っていたならば国内段階に移行しないと判断したあるいは移行前に大幅な補正を行ったかもしれない、といった点を踏まえることは特に重要です。補充国際調査はこのようなリスクを軽減する授けとなり得るものです。
国際調査機関として選択することができる官庁は基本的に国際出願が提出された受理官庁によって決定されることにご留意下さい。そして、多くの場合、選択できる官庁はかなり少なくなります。もし官庁の選択が可能な場合には、おそらくコスト、国際調査報告の提供の典型的な適時性及び認識されている調査の品質を複合して決定するでしょう。しかしながら、補充国際調査に関しては、国際出願を提出した受理官庁の如何にかかわらず、補充国際調査のサービスを提供しているいかなる官庁に対しても請求することができます(ただし、主国際調査を行った官庁に対しては補充国際調査を請求することができないという制限があります)。さらに、もし希望する場合、同じ国際出願について一以上の補充国際調査を請求することも可能です。補充国際調査は現在次の国際調査機関が提供しています。
AT オーストリア特許庁
EP 欧州特許庁
FI フィンランド国立特許・登録委員会
RU 連邦知的財産特許商標行政局(ロシア連邦)
SE スウェーデン特許登録庁
XN 北欧特許機構
各補充国際調査機関によって個別に決定される補充国際調査の対象及び料金を元に補充国際調査の選択を行うことも可能です。
- オーストリア特許庁は、異なった手数料のサービスの選択肢を提供しています:ドイツ語文献の場合は国際調査の通常の手数料のほぼ半額、欧州及び北米文献の場合はもう少し高額あるいは国際調査の手数料とほぼ同程度
- 連邦知的財産特許商標行政局(ロシア連邦)は、通常、基本的にロシア語文献及び旧ソ連及び CIS 諸国の他の特定の特許文献の調査を低料金で提供していますが、主国際調査機関によって国際出願が人体又は動物の体の処置方法に関するものであるため国際調査報告を作成しない旨宣言されている場合、より高い料金を課し、国際調査と同程度の調査を実施します。
- サービスを提供するすべての他の国際調査機関は、通常の国際調査と同額で通常の国際調査と同程度の調査を実施します。
しかしながら、もし国際出願が国際調査機関によって認められていない言語で提出されている場合、翻訳を提供する必要があるかもしれない点ご留意下さい。-特定の補充国際調査機関によって認められている言語に関する情報は PCT 出願人の手引きの該当する附属書 SISAを参照
補充国際調査の請求を希望する最もありうる状況として次のものがあげられます。
- 商業的観点、又は、国内段階への移行を検討している国数の観点から、国際出願が特に重要なものである場合
- 国際出願の技術分野が、先行技術の重要なコレクションが補充国調査機関の公用語であって主国際調査機関の公用語とは異なっている言語で公表されている技術分野である場合
- 補充国際調査機関としても行動する特定の国際調査機関による国際調査を特に希望していたが、受理官庁が提供するオプションに含まれていなかった場合
- 主国際調査機関によって関連性の低い先行技術文献が提示されていることに不思議に思い、国内段階の費用をかける前に他庁の見解を求めたい場合
- 補充国際調査機関が、国内段階に移行しようとしている官庁である場合-補充国際調査が国内審査における調査の全体又は一部の代わりと国内官庁がみなす可能性があります。欧州特許庁の場合、補充国際調査報告がオーストリア特許庁、フィンランド国立特許・登録委員会、スウェーデン特許登録庁、北欧特許機構によって作成された場合、補充欧州調査手数料の減額を提供しています。
したがって、補充国際調査を請求する前に、主国際調査、特定の出願の商業的価値の可能性、及び、主国際調査機関の専門性の高くない言語で作成されていることが知られている特定の技術分野に関連する公知物(文献)数を考慮すべきです。補充国際調査のオプションを認識しておくことは、それが有用な場合に請求することを可能にするためにも有用です。出願人が国際段階での追加費用が価値あるものと信じる場合に補充国際調査は特別の情報を提供してくれるでしょう。
補充国際調査を希望すると決断した場合、様式 PCT/IB/375 を用いて優先日から 19 ヶ月までに(該当する国際機関ではなく)国際事務局に対して請求及び手数料の支払いを行う必要があります。補充国際調査機関は補充国際調査の請求及び国際調査報告を受理した時点、あるいは国際調査報告が遅れている場合には少なくとも優先日から 22 ヶ月の期間満了時点から補充国際調査を開始します。補充国際調査報告は優先日から 28 ヶ月までに作成されます。補充国際調査は出願時の請求の範囲、通常は最初の請求の範囲に係る発明について実施されます-PCT 第 19 条及び 34 条に基づく補正は考慮されません。補充国際調査の請求に関するさらなる情報は PCT Newsletter 2008 年 12 月号第 1 及び 14 ページ、2009 年 2 月号第 9 ページ、PCT 出願人の手引きの段落 8.001 から 8.053 をご参照下さい。
http://www.wipo.int/edocs/pctndocs/en/2008/pct_news_2008_12.pdf
http://www.wipo.int/edocs/pctndocs/en/2009/pct_news_2009_02.pdf
http://www.wipo.int/pct/guide/en/gdvol1/pdf/gdvol1.pdf