「2026年国際女性デー:権利、正義、行動。すべての女性と少女のために。」
3月8日の国際女性デーに先立ち、世界知的所有権機関(WIPO)と世界80以上の知的財産(IP)およびイノベーション推進機関は、共同メッセージを発表し、女性と少女が創造、イノベーション、知的財産の分野で活躍できる環境を世界的に推進していくという共通のコミットメントを改めて表明しました。
共同メッセージ PDF
過去数年の共同メッセージに続き、今年のテーマは「権利・正義・行動:すべての女性と少女のために」。すべての女性と少女が、自らの発明や創作、イノベーションを保護する権利を持つことを強調するとともに、利用しやすい知的財産制度へのアクセス、知的貢献から生まれる成果の所有と管理、そしてイノベーターやクリエイターとして正当に認められ、その存在が可視化されることの重要性を示しています。
しかし、知的財産エコシステムにおいて女性の割合は依然として低い状況にあります。2025年版「世界知的財産指標(WIPI)」報告書によると、2024年に公開されたPCT国際出願における女性発明者が占める割合は、わずか18%でした。こうした状況を踏まえ、知的財産制度やイノベーション支援の枠組みに残る不均衡に対処し、女性の参加をさらに拡大していくことが求められています。女性のイノベーションへの参加拡大は、生産性や競争力の向上、経済成長にもつながる重要な要素です。
女性のイノベーションを支える取り組み
「知的財産エコシステムにおける女性の割合が少ないことは、世界にとって大きな機会損失です」と、リサ・ヨルゲンソンWIPO事務次長は述べています。
「女性は重要なイノベーターでありクリエイターです。彼女たちが自らの発明や創作を知的財産によって守り、活用できるよう、適切な支援と制度を整えることが必要です。WIPOは世界の知的財産機関と連携し、その実現に取り組んでいます。」
世界各国の知的財産・イノベーション推進機関は、女性のイノベーションへの参加を支援するため、次のような取り組みを進めています。
- 構造的・社会経済的な不平等を踏まえ、知的財産制度へのアクセスと利用の障壁を軽減する
- 女性の発明者・クリエイターの活躍を広く発信し、次世代のロールモデルを育てる
- 知的財産の保護、管理、商業化、権利行使に関する教育やアドバイザリーサービスを強化する
- 技術的ソリューションや新興技術へのアクセスを支援する
- 政策立案や進捗把握に役立てるため、性別ごとに分計された知的財産・イノベーションデータを収集・分析する
WIPOの国際女性デー関連の主な取り組み
WIPOアカデミーでは、3月8日から12日まで奨学金プログラムの応募を受け付けます。女性応募者を対象に、上級レベルの無料オンライン講座(DLコース)が提供されます。
3月10日には、世界知的所有権機関(WIPO)が主催するオンライン・パネルディスカッション(アラビア語)が開催されます。知的財産を活用して、自身のアイデアを社会に影響力のある革新的かつ持続可能なビジネスへと発展させたアラブ諸国の女性起業家たちが登壇します。
また、3月8日の国際女性デーに合わせ、WIPOと国連人口基金(UNFPA)は共同ブログを公開します。このブログでは、イノベーションにおける女性の役割に関するデータを分析するとともに、イノベーションシステムが女性のニーズにも十分に応えているかという観点から、依然として残る課題について考察します。
さらに、3月17日には、WIPOナイジェリア事務所主催の「IP and Women Business Summit」が開催されます。本イベントはハイブリッド形式で実施され、女性リーダー、イノベーター、起業家が一堂に会し、女性主導の経済変革を推進するうえで知的財産が果たす役割について議論します.
世界知的所有権機関(WIPO)は、イノベーションおよびIPの分野で女性を支援するグローバルなコミュニティの構築を進めており、世界各国の知的財産・イノベーション機関、政策担当者、イノベーターを結びつけています。
その取り組みの一環として、WIPOは加盟国と定期的にハイレベル会合や知識共有のためのセッションを開催しています。これらの会合では、女性イノベーターへの法的・財政的支援のあり方に加え、メンターシップやリーダーシップ育成などの課題について議論が行われています。こうした取り組みをさらに発展させる形で、WIPOは「Women and IP Symposium」2026を開催予定です。本シンポジウムでは、世界の知的財産・イノベーション機関が集まり、経験を共有するとともに、知的財産分野における女性の参加を拡大するための戦略について議論します。
WIPOによる女性と知的財産に関する継続的な取り組みや各種イニシアティブについては、Women and IPウェブページをご覧ください。