WIPO日本事務所が世界知的財産の日記念イベント2025を開催

2025年4月23日、WIPO日本事務所は、世界知的財産の日記念イベント2025を開催しました。4月26日の「世界知的財産の日(World IP Day)」を記念して、毎年、世界中で、様々なテーマに沿ったイベントが開催されます。今年のテーマは「知財と音楽-Feel the beat of IP」でした。日本においては、本記念イベントを対面で開催し、文化庁長官、特許庁長官に加え、日本を代表する映画・TV番組プロデューサー、AI技術を活用した人材教育を展開するAI研究の第一人者、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーにご登壇を頂き、さらに、日本屈指の名門吹奏楽部に生演奏を披露頂きました。また、会場内において、「世界に通用する日本のグローバルデザイン展」を開催し、世界的に著名なインダストリアル・デザイナーで構成される選考委員会に選定頂いた日本のデザインを展示いたしました。

当日のご講演・演奏動画はイベントウェブサイトにてご覧いただけます。 

(写真: WIPO)

音楽は最も普遍的な創作表現の一つです。頭に残るメロディー、体を動かすリズム、心に響く歌詞など、音楽は私たちの生活を豊かにします。

2025年の「世界知的財産の日」では、音楽を生活の中に脈打たせるために、知的財産が果たす役割と、それを支える創造性やイノベーションにも焦点を当てました。

日本における本記念イベントでは、知的財産と音楽に関して、様々な視点からお話を伺うことで、これらがすべての人にとって重要なトピックであることを認識していただけるよう、文化庁長官、特許庁長官をはじめ、日本を代表する映画・TV番組プロデューサー、AI技術を活用した人材教育を展開するAI研究の第一人者、大阪・関西万博テーマ事業プロデューサーといった、多方面にわたりご活躍の皆様をお招きしました。

開会挨拶、来賓挨拶、基調講演では、以下のトピックについてご講演頂きました。

  • 弊所所長の澤井智毅より、経済複雑性指標から長く世界一の創作性や技術力が認められる日本でありながら、知的財産制度が国民レベルに浸透していないWIPOの世界調査 を引用し、同制度の一層の利活用とその啓発の必要性を訴えました。

  • 文化庁長官の都倉俊一様からは、大量生産、大量消費の時代から、新たな時代に変化する今日、日本が生き残るためには、科学技術、文化、芸術の発展が必要であり、中でも音楽等のコンテンツ分野の発展は著しいとして、著作権制度への期待が述べられました。
  • 特許庁長官の小野洋太様からは、本年のテーマである音楽に関し、ウォークマンの誕生から、今日のストリーミングサービスやノイズ除去技術等を例に、日本の技術が、新しい音楽体験を支えてきたとして、著作権制度に加え、特許制度等の重要性について述べていただきました。
  • 株式会社小学館ミュージック&デジタル エンタテイメント 代表取締役社長の久保雅一様より、国内外で存在感を増し、主要産業の一つに成長するアニメ業界について、AI技術が発展する中、アニメ音楽や声優の声の保護に向け、知的財産権の重要性についてお話を頂きました。
  • 北海道大学大学院 情報科学研究院 教授の川村秀憲様より、ディープラーニングや生成AIの仕組みによる社会の変化に対し、これからの人に求められる能力は、個性や人と異なる発想、意思決定能力であることが述べられました。
  • 株式会社steAm 代表取締役の中島さち子様より、理系教育を超えた「つくる喜びをすべての人に」をコンセプトとするsteAm活動や、これらの活動を活かした大阪・関西万博での取組についてご紹介を頂きました。また、ジャズピアニストでもある中島様、サクソフォン奏者の鈴木広志様、韓国太鼓(チャンゴ)奏者のチェ ジェチョル様からなる“mini KURAGE Band”によるご演奏も頂きました。

そして、「美爆音」のキャッチフレーズで多くのメディア等でも取り上げられ、「第72回全日本吹奏楽コンクール(高校の部)」にて金賞を受賞するなど、優れた演奏力と華やかなパフォーマンスで全国的に高い評価を得る習志野市立 習志野高等学校 吹奏楽部の皆様による生演奏を頂きました。演目は、1.宝島 (作曲:和泉宏隆 編曲:真島 俊夫)、2.鉄道唱歌でたどる東海道線の旅(編曲:高橋宏樹)、3.UFO(作曲:都倉俊一  編曲:山下国俊)、4.サウスポー (作曲:都倉俊一 編曲:山里佐和子)、5.ポケットモンスター メインテーマ、6.合唱「ふるさと(嵐)」(作詞:小山薫堂 作曲:youth case 編曲:山田 香)、7.野球応援メドレー、8.Let's go!習志野、習志野きらっとサンバ、アンコール(マツケンサンバⅡ)を披露いただき、イイノホール全体が大迫力の演奏に包まれ、大きな感動を呼びました。

また、会場ホワイエにおいては、世界的に著名なインダストリアル・デザイナー(仙田 満様、田中 一雄様、永井 一史様、長谷川 豊様、前田 育男様)で構成される選考委員会により選定された「世界に通用する日本のグローバルデザイン展」を開催し、日本の美しい製品に息づく美意識と創造性を再認識する機会を提供しました。世界に通じる日本のデザインに、多くの参加者が、その独自性や洗練された美しさに誇りを感じていました。展示内容はこちら。

展示内容については、特設ページをご覧ください。 

(写真: WIPO)

ホワイエでの展示

(写真: WIPO)

世界的に著名なインダストリアル・デザイナーによる選考委員会の様子

イベントのプログラムと講演者の経歴の詳細については、イベントウェブサイトよりご覧いただけます。


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WIPO Japan Office

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