2025年は、マドリッド制度にとって節目の年であり、大胆な変革、サービスの拡充、グローバルな取り組みの強化によって特徴づけられる年となりました。商標管理を一新する完全統合型のeMadridの立ち上げにより、手続の合理化から、プロセスの自動化、そして規則の改正に至るまで、より迅速かつスマートに、またより簡単に、商標をグローバルに保護できるようになりました。

出願も活発化しており、昨年は約58,000件の国際商標出願が処理されました。これは、1営業日あたり230件に相当します。
見逃した出来事があるという方のために、2025年に起きた重大な出来事についていくつかご紹介します。
新eMadridでワークベンチを統合
ライフサイクル全体にわたって国際商標登録を管理するためのパーソナルなワークベンチを備えた完全統合型のデジタル環境である新eMadridへの移行が、5月から12月にかけて成功裏に行われました。

- 100か国以上のユーザが現在このプラットフォームを使用
- 既存の国際商標登録うち65%がeMadridを通じて管理
- 活動が活発なユーザのうち70%以上がeMadridワークベンチを通じてアセットを一元管理
- マドリッド制度の歴史において最も重要なデジタルマイルストーン
実務界のニーズを満たすプラットフォームを提供できるよう、設計段階やベータ段階においてプラットフォームの形成やテストを手伝ってくださった何百人にも及ぶマドリッド制度ユーザグループの皆様を含む、グローバルコミュニティに感謝申し上げます。またカスタマーサポートチームが、新規ユーザに対するオンボーディングやワークベンチの初期設定から、パワーユーザに対する最も高度な機能の指導まで、個別ニーズに沿った支援を提供しました。
2026年には、eMadridでさらなる機能強化をお届けできることを楽しみにしています。
国際商標登録のセキュリティを強化
11月からは、国際登録の名義人と代理人のメールアドレスの届出が必須となり、次の点が強化されました。

- ログインで使用されたメールアドレスと登録されたメールアドレスが一致するかどうか照合し、または電子認証 (電子署名) を求めることで、手続申請者の本人確認を行うことができます。
- 国際登録への不正アクセスの防止に役立ちます。
- 重要な問題が発生した場合に直接連絡できます。
注意: WIPOが第三者にメールアドレスを共有することは一切ありません。提供された連絡先情報は、国際商標登録の管理とセキュリティ確保のためにのみ使用されます。
メールアドレスが記録されていない国際登録がある場合、「Change holder details」 (名義人の表示の変更) または「Manage representative」 (代理人の管理) からメールアドレスを追加してください。
Madrid e-Filingの導入拡大
Madrid e-Filingサービスは、マドリッド制度の加盟国によって幅広く採用されており、より多くのユーザが以下の機能を利用できるようになりました。

- オンラインでの国際商標出願
- 本国官庁との直接連絡
- WIPOが発する欠陥通報への受領・応答
現在、40近くの加盟国がこのサービスを提供しており、2026年にはさらに多くの加盟国が加わる予定です。
AIを活用してスピードと正確さを実現
2025年には、マドリッド制度の運営における特定のプロセスに人工知能ツールが導入され、以下のことが可能になりました。
- 特定のルーチンタスクの処理時間の短縮
- 品質と正確さの維持
- より複雑で付加価値の高いユーザニーズに専門スタッフの時間を充当
2026年もAIに対する探求を続け、信頼できるインテグリティを維持しながら、より速く、よりスマートなサービスを提供していきます。
規則の改正: 皆様の権利とWIPOの手続を強化
2025年には、マドリッド制度の規則の重要な改正が行われ、手続がより明確かつ迅速になり、国内制度との整合性が高まりました。
- 暫定的拒絶への応答期間の確保: 暫定的拒絶通報を発した官庁は、最低2か月の応答期間を名義人に与えなければならなくなりました (2025年2月1日以前に官庁がオプトアウトした場合を除きます)。
- 部分代替の許容: 官庁は部分代替を認めなければならなくなり、登録されている商品・役務が重なる場合、代替を記録すれば十分になりました。
- 大半の手続でメールアドレスが必須に: 名義人と代理人は、手続を行う際に固有のメールアドレスを提供しなければなりません (更新を除く)。
- 個別手数料をスイスフランで再計算: WIPOでは、関連する為替レートが変動した場合 (5%未満)、個別手数料をスイスフランで再計算するようになりました。これにより、マドリッド制度の手数料と国内手数料の足並みがより揃うことになります。
ウェビナーを通じたグローバルなつながり
公開ウェビナーを7言語で40回以上開催し、100か国を超える国から5,200人以上が参加しました。ウェビナーは、ユーザの皆様と直接つながり、皆様のご質問にお答えする貴重な機会となっています。
2025年に最も人気のあったセッション:

- eMadridパワーユーザ向けヒント (9月) – 約680人の参加者がポートフォリオ管理、アクセス権、スマートアラートについて学びました。[英語での録画]
- eMadridマスタークラス (9月) – 600人以上の参加者が新しいワークベンチの初期設定と構成の仕方について学びました。[英語での録画]
ウェビナーを見逃したという方は、2025年のウェビナーの録画をご覧ください。また、1月から開催される2026年の新しいウェビナープログラムにご注目ください。
アウトリーチの拡大: 皆様とのつながりをより深く、よりスマートに
皆様との関わりをより効果的なものとするために、2025年、グローバルなアウトリーチを強化しました。
- ターゲットを絞ったデジタル・マーケティング・キャンペーンによる、目的に合わせたやりとりの調整
- リード・マネジメント・イニシアチブによる個別のフォローアップ
- コールバックサービスによる、より多くのサポートを必要とするステークホルダーへのより迅速なフォローアップ
- WIPOのジュネーブ本部での1対1のミーティング、セミナー、ワークショップ、および各国訪問を通じた、皆様との直接の交流
- より積極的なSNSの使用により、ニュース、ヒント、最新情報をフィードに直接配信
まだフォローしていないという方は
WIPOのLinkedInコミュニティ「WIPO – Brands and Design」にご参加ください
2026年の計画
API連携の強化を通じて、他のWIPO知的財産 (IP) サービスや国/地域の知財庁とこれまで以上に緊密な一元化を行い、より速く、よりスマートで、より連携性の高いサービスを提供することで、マドリッド制度の刷新を続けていきます。
AIを活用したカスタマーサポートの拡大、最大97%の精度を実現する分類ツール、形式審査におけるパイロット自動化など、AIと自動化は、これまで以上に大きな役割を果たすでしょうが、これらすべてに強力な品質管理とヒトによる監督が必要です。
ターゲットを絞ったサポートと研修機会の拡大を通じて、コミュニティとの関わりを深めていきます。
目標は、現代的で利用しやすく、信頼できるグローバルな商標保護の枠組みとしてのマドリッド制度の地位をさらに強化し、ユーザの要望に応え、技術的に最先端の、世界規模での継続的な成長に備えたものとすることです。
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