仏山市海天調味食品 (中国) : WIPOのマドリッド制度を通じて、由緒ある中国ブランドを保護する

400年を超える長きにわたり、中国南部の仏山市にある古くからの醤油醸造所からは、醸造中の醤油の香りが漂い続けてきました。今日、その伝統的な職人技は世界的な成功物語へと発展しました。これは、老舗ブランドが国際的に事業を拡大する中で、いかにしてその評判を守ることができるかを示す好例です。

白い服を着た人物がガラス瓶から皿に醤油を注いでいる様子が、クローズアップで映し出されている。
(写真: “海天”)

古くからの醤油店から、現代のグローバルな調味料企業へ: 海天の400年の歩み

仏山市海天調味食品 (以下「海天」) の起源は、明代の万暦年間に遡ります。古くから続く一群の醤油店から始まったこの企業は、現在では世界第5位の調味料メーカーへと成長し、その製品は100を超える国と地域で販売されています。

その変化は目覚ましいものでした。1955年、初代の「海天醤油店」や「茂隆醤油店」を含む25軒の老舗が合併し、「海天醤油工場」が設立されました。

数十年の間に、海天は、伝統的な手作業の工場から、知的な現代企業へと進化を遂げてきましたが、その職人のルーツを決して捨てたことはありません。

高明区にある製造拠点では、60万平方メートルを超えるガラスを敷き詰めた発酵槽が列をなして並んでいます。この醤油は現在も昔ながらの製法で作られており、自然光の下でゆっくりと発酵・熟成しています。同時に、ビッグデータを活用した発酵システムが酸素濃度、温度、湿度を自動的に制御し、バッチごとに安定した保管状態を維持します。2025年までに、海天は世界初かつ唯一の醤油「ライトハウス工場」 (模範工場) に認定されました。

伝統的な中国風の建物の外で、労働者たちが醤油で満たされた大きな壺や樽を運び、積み上げている歴史的な街並みを描いたセピア調のイラスト。
海天の歴史の遺産 (画像: “海天”)

グローバルな展開を目指すブランドにとって、国際的な商標保護がなぜ重要なのか

1990年代、強固な国内基盤を土台として、海天は国際市場への進出を目指しました。しかし、世界規模の成功は世界規模の課題を伴います。自社製品を海外で店頭に並べることで、同社は深刻な脅威にさらされることになります。4世紀かけて築き上げてきたブランドを乗っ取ろうとする商標の不正取得者や偽造業者たちの存在です。

馴染みのない市場へ進出する中国の老舗ブランドにとって、そのリスクは存亡にかかわるものでした。たった1つの偽造品が、世界中の消費者の信頼を損なう恐れがあります。たった1人の商標不正取得者が、海天の新たな市場への参入を阻む可能性があります。

「海外に進出するにつれ、ブランド価値を守り、商標の不正使用を防ぐことが極めて重要になりました。」
Haitian海天

転機となったのは1997年、海天がWIPOの商標の国際登録に関するマドリッド制度を発見した時でした。そこには、同社のグローバルな野心にふさわしい枠組みがありました。それは、複数の国や地域において、ブランドを同時に効率的に保護する方法でした。

海天は迅速に行動し、同社の主力ブランドである「海天」の商標を保護するため、世界の50超の市場を対象とした初の国際商標出願を行いました。その登録は、当初海天が指定したすべての地域において、現在も保護されたままです。これは、海天の先見の明あるIP戦略を物語っています。

醤油、オイスターソース、料理酒、ペースト、調味料、飲料など、多種多様な中国のソースや調味料が、緑の植物と柔らかな白の壁をアクセントとする明るくモダンな背景の前に、整然と並んでいる様子。
海天の調味料 (写真: “海天”)

それから30年近くが経ち、同社の国際商標登録ポートフォリオは飛躍的に拡大しました。海天は現在、「haday」や「海天 (Haitian) 」を含む9件の有効な国際商標登録を保有しており、世界中の市場をカバーすることで、事業の成長に合わせてブランドを守るグローバルな保護策を築いています。

世界的な商標保護ネットワーク: WIPOマドリッド制度の利点

「WIPOのマドリッド制度の利点は、まさに目に見える形で現れています」と同社は述べています。

  • 簡素化された手続: 海天は、中国国家知識産権局に対し、中国語で単一の国際商標出願を行っています。これにより、国ごとの翻訳や公証が不要となり、効率が大幅に向上しています。
     
  • 費用対効果: 1件の国際商標出願を行うことで多くの国で複数の区分をカバーできるため、海天は個別の国別出願を行う場合よりはるかに少ない費用で済ませることができ、ブランドのグローバルな保護において顕著なコスト削減を実現しています。
     
  • 一元管理: マドリッド制度を活用することで、海天はすべての商標の状況や更新登録期限を一元的に監視することができ、世界規模のブランド監視システムの基盤を築き、国際商標登録を確実に維持しています。

このような包括的でグローバルな商標保護により、400年を超える歴史を持つこの中国ブランドは、世界市場で競争力を維持することができ、海天は自らのビジョンを追求する自信を得ています。

「マドリッド制度のおかげで、私たちは世界中で強力なブランド保護戦略を構築しており、『中国の味を世界中に届ける』というビジョンに向けて着実に前進しています。」
Haitian海天

海天の世界的な成功: 大手調味料ブランドから香港証券取引所へ

海天の成功は、公的な評価と市場での実績の両方から明らかです。2006年には中華人民共和国商務部より、最初の「中国老舗ブランド」の1つに認定され、中国調味料市場において複数年連続で首位を獲得しています。そして2025年6月、海天は香港証券取引所のメインボード (日本でいうプライム市場) に上場し、歴史的な快挙を成し遂げました。同社は二市場 (本土と香港) ・二株式 (A株とH株) 区分構造を採用した中国初の調味料企業となり、今後のグローバルな事業拡大に向けて強固な基盤を築いたのです。

世界進出を目指す老舗ブランドにとって、海天の歩みは明確な教訓を与えてくれます。すなわち、伝統と革新には、戦略的な知財の保護が不可欠であるということです。

仏山海天調味料・食品株式会社の国際商標登録について、詳細はこちらをご覧ください。

マドリッド制度について

マドリッド制度は、単一の言語による単一の出願を提出し、単一の通貨で手数料一式を支払うことで、130超の国で商標を登録することができる、便利で費用対効果の高いソリューションです。

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