1984年、メキシコのソノラ州で、何軒かの先駆的な農家が、共通のビジョンを掲げて事業に乗り出しました。それは、世界各国の舌の肥えた消費者の味覚を満足させる高品質の豚肉を生産するということでした。こうして誕生したのがKOWI社です。
それから時が流れて、今日では、KOWI社は豚肉の加工から販売までを手掛けるメキシコ有数の企業になりました。クリアカン、グアダラハラ、メキシコシティに配送センター、メキシコ全土に29の小売店舗を展開し、信頼されるブランドとして、メキシコ国内で確固たる地位を築いています。
しかし、同社の野望は国内にとどまりません。設立当初の理念のとおり、KOWIブランドは既に世界市場で事業を成功させています。それには、WIPOの国際商標制度 (マドリッド制度) が大きな役割を果たしました。これは、国境を越えて商業的アイデンティティを保護しようとする企業を支援する強力なツールです。
品質と信頼: ブランド成功の根幹
ブランドを成功に導く基礎は品質と信頼であり、KOWI社も例外ではありません。
実際のところ、ブランドを成功させる大きな秘訣は、最高品質の製品の提供を通じ、結果的に、顧客との永続的な信頼を構築するという取り組みを揺らぐことなく継続することにあります。
KOWIブランドの生産プロセスのあらゆる段階で、健康と安全に関する最高の基準を満たすことができるように、同社は、垂直的なインテグレーション戦略の構築に注力してきました。
メキシコの味わいを世界に
KOWI社は、製品の品質と信頼-そして効果的な商標登録戦略-を複合的に活用することによって、設立当初の夢を現実のものにしています。同社は今日、燻製肉、コールドカット、チョリソ、ハムおよび季節限定商品という形で、メキシコの味わいを世界各国のマーケットに届けています。
マドリッド制度がなければ、この長期目標の達成は困難でした。
国外展開を初めて視野にいれたとき、標準化された制度が利用できれば、海外で自社の商標を保護する際にメリットがあることをすぐに認識しました。そうすることによって、端的に言えば、海外マーケットにおける強固なブランドの地盤を、より迅速に構築することができるのです。
マドリッド制度を利用すれば、複数国での商標登録・管理手続を合理的に行うことができ、まさにその目的に適うものでした。KOWI社は時間とリソースを節約すると同時に、全ての輸出相手国のマーケットで、ブランドを一元的かつ効果的に保護することができるようになったのです。

マドリッド制度の強力な下支えを受けて、KOWI社は既に、カナダ、中国、日本、韓国、米国に進出を果たし、世界企業として認知され、信頼を獲得しています。
KOWI社の事例におけるマドリッド制度の重要なポイント
1. 簡素化された国際商標登録手続
マドリッド制度を活用することで、輸出マーケットごとに異なる法的要件に合致させる煩雑さから解放されます。特にこの点において、マドリッド制度はKOWI社に大きな変革をもたらすものでした。また、単一通貨で単一の手数料を支払うことによりプロセスの簡素化が図られ、予測可能性が向上しました。さらに、為替変動の懸念も回避できます。
「マドリッド制度を戦略的に活用して、ブランド保護の手続を複数国で一括して行い、時間とコストを削減することができました。当社がグローバル展開に取り組む際に、このような効率性は不可欠なものでした」と、KOWI社法律顧問のRafael Beltrán Rivera氏は語っています。
2. T世界市場への展開を容易にする完璧なツール
マドリッド制度は、130か国以上をカバーしており、海外に販路の拡大を目指すブランドオーナーにとって完璧なソリューションです。柔軟な制度設計で、企業は数か国での限定的な商標保護から小規模にスタートし、ビジネスの成長に合わせて、徐々に他の主要マーケットに拡大することができます。
「マドリッド制度を活用してみて、自社ブランドが十分に保護されることが分かったので、他のマーケットにも自信を持って参入できるようになります」
KOWI社輸出担当マネジャー Patricia Hurtado氏
3. 直感的に操作できるツール
KOWI社にとって、マドリッド制度のオンラインツール (手数料の自動計算機能などを含む) は、「国際商標登録手続の最大限の効率化」に役立っています。また、マドリッド制度のオンラインデジタルゲートウェイであるeMadridを利用することで、場所や時間を問わず、世界中でブランドを管理することが可能になります。
貴社は、マドリッド制度を他の企業に推奨しますか? もちろんです。
「他の企業にも、マドリッド制度を活用するよう強く勧めたいと思います。この制度のおかげで、商標登録手続がとても簡単で効率的なものになりました。ただし、些細なことですが、対処が必要なこともありました。例えば、日本で保護を受けるためには、手数料を2回に分けて支払わねばなりません。これは全く予想していませんでした。総じて言えば、マドリッド制度を活用してみて、とても良い印象を持っています」
Patricia Hurtado 氏
関連情報: 従来、日本を指定国として国際商標出願を行う場合、手数料は、①日本を指定国とする (または日本を事後指定する) 国際商標を出願する時点、および②日本国特許庁が商標権の一部または全部の付与を行う時点、の二段階に分けて納付することになっていました。日本では2023年4月に制度改正が行われ、手数料の全額を一括して納付する方式に変更されています。
知的財産 (IP) に関する強力な法的サポートが実効性を担保
有能な法務部門が専任でサポートしたことも、KOWI社がマドリッド制度に的確に対処できた理由の一つでした。
この点について、Rafael Beltrán Rivera氏は、日常的にコミュニケーションをとり、ブランドを保護する戦略を定期的に見直すことが重要であるとしています。そして、「これらの課題に対処し、法的側面でもビジネスの上でも一貫性を保てるように、少なくとも3か月に1度はミーティングの機会を設けています」と言っています。
このような地道な努力を通じて、KOWI社は、事業を展開する世界市場の全てで、強固なブランド保護対策を効果的に行っているのです。
輝かしい未来

KOWI社の事例は、イノベーションとブランド保護を通じてグローバル展開を実現した好例と言えます。同社のブランドは、世界的な認知の獲得に至る道筋を順調に歩んでいます。そして、もしかすると、世界中の消費者に選ばれるブランドを目指すという究極の目標も達成できるかもしれません。
時間が経てば明らかになることですが、KOWI社は今後も成功の機会を逃すことなく、自社のコアバリュー (中核となる価値観)、ブランドイメージ、国際的な商標保護戦略に磨きをかける努力を続けていくでしょう。
同社のこうした経験から、適切な知的財産ツールを活用すれば、中小企業が自らの可能性を最大限に引き出し、製品を世界市場に送り出せることが分かります。
KOWI社の国際商標登録番号1601673の詳細については、こちらをご覧ください。
マドリッド制度について
マドリッド制度は、単一の言語による単一の出願を提出し、手数料一式を支払うことで、最大130か国で商標を登録することができる、便利で費用対効果の高いソリューションです。