2020年世界知的所有権の日 - 環境に優しい未来のために革新する

知的所有権がどのようにして持続可能な低炭素経済への転換を支援できるか

環境に優しい未来への道を切り開くことは、現代において必要不可欠なことです。「2020年世界知的所有権の日」では、イノベーション、そして、それを支える権利を、低炭素な未来を形成する取り組みの中心に据えています。環境保護のための行動を起こす必要性に対する認識が世界中で高まっています。人々、企業、政府は、気候変動に対処するための行動を起こし始めました。例えばヨーロッパでは、欧州委員会が欧州連合に対し2050年までにカーボンニュートラルとなるよう目標を定めました。また一部の都市や地域は、それよりも早い目標達成に向けて動き出しています。コペンハーゲンは、2025年までに世界で最初のCO2ニュートラルな都市になることを目指しています。

2019年12月にスペインのマドリッドで開催された国連気候変動枠組条約会議(COP25)では、グリーンランドの氷床が1990年代に比べ7倍も速い速度で溶けており、世界人口の4分の1が水供給問題のリスクにさらされていることが報告されました。過去10年以上に渡るNASAによるデータでは、2010年以降、地球では歴史上最高気温を記録した年が5年もあったことが示されています 。

新しい10年が始まるにつれ、気候変動の影響を地球全体で実感しています。ほとんど毎日のように、嵐、洪水、干ばつ、山火事など、異常な天候関連のニュースとそれらが引き起こす惨状を耳にします。すでに気候変動関連の出来事が、より頻繁に、そして集中的に起こることが予測されています。

グローバルな気候危機への取り組みは、手ごわい挑戦です。私たち一人一人が、気候危機に取り組み、環境に優しい未来を築くという共通の目標を共有しています。

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気候変動に取り組み、環境に優しい未来を築くことは現代において必要不可欠です。 (写真: Getty/Gehringi)

テクノロジーは解決策の一部としてますます認識されています。これにより、安定した国家のイノベーションシステムを築くための取り組みを倍加し、環境に優しい未来への転換に必要とされているテクノロジー、製品、サービスの開発および展開を支える効果的な国家の知的財産制度へのアクセスを可能にする必要性が強調されています。 低炭素な未来への転換には、疑いもなく複雑で多角的な努力が必要になります。しかし、私たちには環境に優しい未来を築くためにより効果的な新しい方法を考え出すための共通の知恵、創意工夫、創造力があります。そして、知的財産制度はこの道のりにおいて私たちを支える上で極めて重要な役割を担います。それでは、その役割について確認していきましょう。

知的所有権の主な目的は、発明者やクリエーターが自分たちの仕事に対して正当な対価を受け、それにより生活費を稼げるようにすることで、さらなるイノベーションや創造性を推奨すること、そして、ブランドに帰属する信用を保護することです。

異なる権利が異なる種類の知的財産を保護します。例えば、環境に関する発明(特許)、ブランド(商標地理的表示)、デザイン(商業デザイン権または意匠)、映画、テレビ番組、歌、劇のようなクリエイティブワーク、そして、それを保護する必要性(著作権および関連する権利)などです。

権利の保有者は知的所有権により、他の人々が保有者の許可なしに彼らの知的財産を模倣または使用することを停止することができます。これにより、権利の保有者が彼らの知的財産の使用に対して費用を請求できるようになり、収入を得る機会が生まれます。これらの利益は後続の研究開発の資金となり、企業成長や雇用を支援します。経済的報酬という側面が、企業のイノベーション、クリエーション、ブランド製品、サービスの開発に対する投資を促進し、これにより私たち、そして環境も恩恵を得られるようになります。

知的所有権は柔軟です。知的所有権により企業が環境に優しい商品の開発に費やした時間、労力、資金に対する見返りを得られるようになる一方で、選択すれば、イノベーションを非商業目的またはオープンソースのような取り決めで使用することもできます。発明者が自身の発明品を公有財産として留めることを望む場合は、保護されている知的所有権により、第三者は発明者の承諾なしに発明品を商業目的で使用できないようになります。

ほとんどの知的所有権には限られた有効期間があり、特定の条件を満たした場合にのみ権利が許諾されます。また、限られた特定の状況において、権利の所有者の許可を得ることなく、異なる種類の知的財産を使用できるという規則もあります。このような取り決めはイノベーターおよびクリエーターの興味と一般の興味のバランスを保つのに役立ち、これにより全員が知的財産の恩恵を受けることができるようになります。

環境に優しい未来を創造するために必要なことを行うことがビジネス上理に叶っているということについて幅広い理解を促進することは、行動を変え、 環境に優しい新しいテクノロジーを主流にする最も迅速な方法の一つです。

企業が環境に優しい商品の開発に費やした時間、労力、資金に対する投資の見返りを得るために知的所有権を求める一方で、企業はイノベーターや起業家がイノベーションを非商業目的またはオープンソースのような取り決め使用すること許可することもできます。

知的所有権は、環境に優しいテクノロジー、製品、サービスの開発を含むあらゆる分野においてイノベーションと創造性を促進します。

「2020年世界知的所有権の日」キャンペーンでは、イノベーション、そしてそれを支える権利を環境に優しい未来を方向付ける取り組みの中心に据えています。そして、様々な知的所有権がどのようにこれらの開発を奨励および促進し、市場に参入させ、消費者に提供することにおいて重要な役割を担っているかについて検証します。

私たちのコミットメント、つまり、私たちが毎日何を選び、どのような製品を買い、どのような研究に融資し、どのような企業を支援し、どのような政策や法律を展開するかによって、どれだけ環境に優しい未来を築けるかが決定します。革新的な思考や知的所有権の戦略的な使用があれば、持続可能性は手の届くところにあります。

 

気候変動への取り組みには、新しい発明や技術、既存のビジネスのやり方の改善、持続可能性イニシアチブに報酬を与え、認識する手段が必要になります。この分野では、特許および企業秘密が重要な役割を担います。

疑いもなく、炭素に基づく経済を支えてきたテクノロジーの多くが環境崩壊を引き起こしてきました。しかし、テクノロジーは解決策の一部でもあります。環境に優しい新しいテクノロジーは、環境に優しい未来を支える解決策の開発の鍵となります。

1941年、米国特許商標庁(United States Patent
Office 、USPTO)でP.C. Putnamによって出
願された最初のメガワット規模の風力タービン
の特許図面。

特許について

特許とは、発明(例えば、一般的に、何かをする新しい方法や問題に対する新しい技術的な解決策を提供する製品またはプロセスなど)に許諾される専用の権利です。

特許を得るためには、テクノロジーは国内法に制定されている特許性の条件(例えば、新規性、進歩性、有用性など)を満たさなければなりません。さらに、出願者は特許出願上で発明に関する技術的な情報を開示しなければなりません。この特許出願は一般に向けて公表および公開されます。

特許の所有者は、限られた期間、他人を発明品の製造、使用、販売、輸入から除外する法的権利を有します。




特許制度は、様々な方法で技術開発を支えています。:

  • 商業的価値のある発明品に関して発明者を認識し、彼らが報酬を得られるようにすることで、よりクリーンで効率的な新しいテクノロジーの開発に引き続き投資するよう促します。
  • 特許法では、発明品を特許出願で完全に開示することを求めています。出願は一度公表されると、研究のため、一般および他の研究者もアクセスできるようになります。これにより、研究が一般に公開され、さらなるイノベーションを生み出すきっかけとなります。
  • 特許が許諾されるたび、公的に利用可能な技術的知識のデータが拡大します。例えば、WIPOの特許データベース、PATENTSCOPEでは、ユーザーは約7,800件の特許資料を無料で検索できます。特許情報に対する一般のアクセスは、環境に優しい新テクノロジーの効率的な開発において中心的役割を担い、公有財産である既存の環境に優しいテクノロジーの普及および適用を支えます。
  • 特許により強制、販売、ライセンス許諾できる法的権利を与えられるため、特許を持つ企業は、イノベーションを商品化するのに必要な融資および投資を呼び込んだり、それを確保したりしやすくなります。
  • 特許はまた、環境に優しい新しいテクノロジーの普及や環境に優しいビジネスの成長を促します。例として、特許ライセンス許諾、テクノロジーの移転協定、非商業的ライセンスおよびその他の取り決めなどが挙げられます。
  • 特許権はまた、国際知的財産保護協会(International Association for the Protection of Intellectual Property 、AIPPI)PDF, 2014 report by the International Association for the Protection of Intellectual Property出版の2014年版報告書に概説されている複雑なグローバル環境課題に取り組むために必要な、様々なビジネスコラボレーションの発展を支援できます。特許で保護されているテクノロジーはすでに環境に優しい未来への転換を支えています。例えば、 :
    • 再生可能エネルギー源の提供– 太陽光発電、風力発電、波エネルギー発電。
    • 改良された新しいエネルギー貯蔵のオプション開発の促進(例えば、電池など)。
    • よりエネルギー効率の良い照明源(例えば、LED照明など)
    • より良い廃棄物管理およびリサイクル処理過程、適切な資源の使用および環境害の軽減を可能にする汚染が少なく資源効率の良いその他のテクノロジー。

世界で最も速く成長している経済圏の一つとして、中国は太陽光発電および風力発電、そして電気自動車のようなテクノロジーに率先して投資し、都市部の大気質の改善に取り組んでいます。これらの取り組みはすでに、経済的および環境的利益に転換されています。ファイナンシャル・タイムス紙に掲載された報告書では、「現在、中国の11の省にあるソーラーパネルによる電力は、石炭火力発電所による電力よりも安く生成することができる」と報告しています。

2019年、ヨーロッパでは、デンマークの西海岸でHorns Rev3沿岸風力発電所が操業開始しました。その49台のタービンは、“デンマークの約425,000件の家庭の年間電力消費をまかなうのに十分な”407メガワットを生成する能力があります。

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デンマークのVattenfall Horns風力発電所。ヨーロッパの主要電力会社であるVattenfallは、「一世代で化石燃料フリーな生活を可能にする」ことを目指しています。(写真:Vattenfall 提供)

2020年、モロッコでは、約140万平方メートルに及ぶNoor(アラビア語で「光」を意味する)太陽光発電所が、100万件以上の家庭に供給するのに十分な電力、580メガワット(MW)の電力を生成するために設置されました。世界経済フォーラム出版の報告書によれば、この発電所により、モロッコの二酸化炭素排出量はすでに数十万トン削減されました。

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モロッコのワルザザート近郊にあるNoor太陽光発電所。完成すると、世界で最も大きな太陽光発電所の一つになります。これにより、モロッコの化石燃料への依存が大幅に削減されます。(写真:モロッコ持続可能エネルギー庁 Masen提供)

特許による投資の誘致

特許は、企業がこのようなプロジェクトに必要な莫大な投資を確保する際に役立ちますが、 その多くが開発途上国の資源不足のコミュニティの利益を追求している小規模のイノベーションにとっても非常に貴重です。

例えば、世界でも最奥地にある一部の世帯は、クリーンかつ安価で安全な照明源を提供するテクノロジーのような、特許で保護されているテクノロジーから恩恵を受けています。 例として、灯油への依存を軽減することを追求している Nokeroや SaLTのような社会的企業によって製造されたランタンが挙げられます。

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ジンバブエのヴィクトリアの滝周辺にある村の子供達は、Nokeroランプが装備されたおかげで、十分な照明源を得ることができ、日没後も最長4時間、勉強できます。(写真:Nokero International Limited)

また、特に水や下水道へのアクセスが不可能な開発途上国の農村部のコミュニティでは、衛生(および健康)や環境を改善するにあたり、EcoSan PDF, EcoSan waterless toiletのような小規模のイノベーションによる恩恵を受けています。CloudFisher®のような先駆的な霧収穫テクノロジーもまた、乾燥した沿岸地域で水不足の軽減に役立っています。.

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CloudFisher®は、深刻な水不足に直面している霧の多い沿岸部の乾燥地帯や山岳地帯のコミュニティに安価かつ持続可能で清潔な水源を提供する先駆的な新しい水テクノロジーです。(写真:Aqualonis提供)

企業秘密

もう一つの手段として、企業が新しいテクノロジーを守るために企業秘密に頼ることを選ぶ場合があります。企業秘密は、独自のノウハウや商業的価値のある情報を守るために、全経済セクターの企業によって幅広く使用されています。

特に中小企業はイノベーションを保護するために、様々な理由から企業秘密に頼っています。例えば、特許と違い、企業秘密の特徴として以下が挙げられます。:

  • 有効期間の制限がない。
  • 主題に制限がない。
  • 登録費用がかからない。
  • 即座に有効になる。

しかし、特許と違い、開示された場合、または強制が困難な場合は、他人に使用される可能性があります。

特許および企業秘密が発明品の機能を保護する一方で、意匠権(または意匠特許)などその他の知的所有権もまた、クリーン・テクノロジーおよび関連製品、サービスの開発、商品化および取り込みにおいて重要な役割を担います。

製品の環境パフォーマンスの改良には、しばしばデザインの生産が関わっています。例えば、より空気力学的な車両や飛行機を製造することによりエネルギー消費を抑えるためのデザイン、または電子機器を使用する方法を最適化することにより、魅力的なルック・アンド・フィールを維持しながらハードウェアの要素を取り戻すためのデザインなどです。

製品の美しさ(その形とフォーム)は意匠権(一部の司法管轄では意匠特許と呼ばれている)により保護することが可能です。意匠権は対象となる国により登録する場合また未登録の場合があります。

無駄をなくし、ライフサイクル(誕生してから再生されるまで)を通じて製品が環境に及ぼす影響を考慮する必要性について製品デザイナーの間で高まる認識は、ますます増加している環境に優しい製品の開発を後押ししています。また、ミレニアル世代の間でそのような製品の需要が高まっているのは言うまでもありません。企業は、家具からファッション、個人用電子機器から包装用品など、持続的に製造された環境に優しい製品やサービスを保護するために意匠権を使用しています。

2018年デザイン・ヨーロッパ・アワード 小企業・新興企業部門のファイナリスト、Nico Less チェア。この椅子は、その70パーセントが再利用したプラスチックボトルで出来ているフェルト生地で作られています。

「Nico Lessは、地球上の二酸化炭
素排出量を削減し、廃棄物を未来
の産業資源として再発見するという
人間のニーズへの回答です。」
(写真:Primoz Jeza Studio提供)

世界のプラスチックの蔓延に対処するための任務に関して、インドネシアの新興企業、Evowareは、プラスチック食品パッケージに代わり、海藻からできている植物ベースの代替品(食べることができ、栄養も満点!)を開発しました。

世界で2番目に汚染度の高いセクターであるファッション業界では、特に布地の再利用およびリサイクルに関して、持続可能性および地球に優しいイノベーションに対する認識が高まっています。

2015年以来、非営利のH&M基金グローバル・チェンジ・アワードは、「地球と私たちの生活環境を保護し、循環型ファッション業界への移行を促す解決策を考案したイノベーター」に助成金を提供しています。例えば、2018年の受賞者の1社、Algalifeでは、水の使用を減らし、より少ない薬品を使用し、二酸化炭素排出量を減らす工程を採用した衣料製品を開発するためにバイオテクノロジーを活用しています。

2019年には、スポーツウェア企業のアディダスが、「パフォーマンスランニングシューズは再生するために作られる」をコンセプトとしたFUTURECRAFT.LOOPを発表しました。この100パーセントリサイクル可能なランニングシューズの製造には、業界で初めて、「プラスチックごみ問題に取り組むことを目的としており、原素材が繰り返し再利用される「クローズド・ループ」または循環型製造モデルを可能にした」ことが同企業のウェブサイトで紹介されています。

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2019年4月にAdidasより発売された100パーセントリサイクル可能なスニーカー、FUTURECRAFT.LOOP 。企業は、「再生するために作られるスニーカー」として宣伝しています。(写真:Adidas提供)

商標、企業名、ドメイン名を含むブランドは、企業が、例えば、環境のチャンピオンとしての評判を市場で築き、消費者とコミュニケーションを図るための手段です。

商標について

商標は、言葉、ロゴ、スローガン、シンボル、またはこれらの組み合わせです。商標は、ある企業の商品およびサービスの出所を特定し、他の企業の商品やサービスと区別します。商標はまた、パッケージの革新的な形、色、ロゴ、スタイルも対象としています。つまり、商標は特定の商品やサービスの商業的な由来を知らせ、混み合った市場で似たような商品または関連商品の中から何を買うべきか選び、決定する際に役立ちます。

時に、「エコ」、「環境に優しい」、「環境的」などの言葉を単純に追加することで、環境に優しい製品であることを顧客に知らせることができます。例えば、 ベルギー出身の受賞ブランド、Ecoverは、洗濯用洗剤、食器洗い用洗剤、ハンドソープなど幅広い製品を展開しており、製品すべてに生分解可能な素材およびリサイクル素材のパッケージを使用しています。

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Ecover は、21世紀で“クリーン”が何を意味するのかを再定義するというミッションに取り組み、本当の違いを生み、考え方を良い方向へと変化させる製品の政策に努めています。(写真:Ecover提供)

購入する製品および好みのブランドに関して「環境に優しい」ものを選ぶことで、私たちは環境に優しい製品およびサービスの需要を満たすことができ、これにより企業が持続可能性の課題に取り組み、環境に優しい未来に向けて独自の道のりを開拓することを促すことができます。

WaterAidのようなチャリティーもまた、取り組みを宣伝し、信頼を集め、環境認識を築き、ドナーやサポーターの誤解を招かないようにするため、商標を使用しています。

認証マーク

商標の特別な種類である認証マークもまた、企業が環境認証を強化し、消費者の購買選択をサポートするのに役立ちます。

認証マークは、製品が健康、安全性または環境に関連している独立認証機関によって設定された基準を満たしているかを確認するあらゆる当事者によって使用されています。

「ウールマーク」は、現在50億以上の製品に使用されており、100パーセントウールから作られるものを使用した製品の品質認証です。

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認証マークは、企業が環境認証を強化し、消費者の購買選択をサポートするのに役立つ特別な種類の商標です。(写真:The Woolmark Company提供)
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エネルギースター団体マークにより、
購買者が持続可能なエネルギー節約
製品を選択しやすくなりました。
(写真:Energy Star提供)

「フェアトレード」は、おそらく世界で最も広く認識されている倫理的認証ラベルの一つで、50カ国以上で使用されており、フェアトレードの基準に準拠した商品は、とりわけ持続可能な生産の促進を目指しています。

「エネルギースター」団体マークは、エネルギーの効率性を促進するために、アメリカ政府が後援しているシンボルです。このマークにより、消費者や企業が、環境を保護し、費用効率が良く、エネルギーを節約する製品を購入しやすくなりました。

認証マークを管理する組織は、組織の名前やロゴを使用する広告または営業素材を承認する必要があります。

地理的表示

地理的表示は、特定の地理的原産地があり、その原産地に由来する品質や評判を有する特定の商品の持続可能な生産を支える知的所有権の種類の一つです。地理的表示は、その商品の品質、特性または評判が製造された場所と強く繋がっている商品を特定するために使用される表示です。

商品の真正性およびその原産地を消費者に保証すると同時に、地理的表示は、持続可能商品の基準を守るのに重要な役割を担っています。これらの基準は、地理的表示を共同所有する生産者によって設定されています。

例えば、スコッチウィスキーの地理的表示の場合です。スコッチウィスキーの生産者は、協会が「スコッチウィスキー産業環境戦略」を発表した2009年以降、環境的な持続可能性にコミットしてきました。戦略は2016年に改訂され、現在も更なる見直しが行われています。「スコッチウィスキーにとって繁栄している自然環境は非常に重要です。私たちはさらなる行動を起こし、スコッチウィスキー、そして私たちの自然環境のために持続可能な未来を確保することを決意しました。」と協会のウェブタイトに掲載されています。

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スコッチウィスキー蒸留所。商品の真正性およびその原産地を消費者に保証すると同時に、地理的表示は、持続可能商品の基準を守るのに重要な役割を担っています。(写真:スコッチウィスキー協会提供)

同様に、地理的表示の生産者、Banano de Costa Ricaもまたしばらくの間、環境的に持続可能な生産にコミットしてきました。公的機関と提携しているバナナの生産者たちは自発的にバナナ環境委員会(Comisión Ambiental Bananero 、CAB)を設立し、地理的表示の対象となる農場のバナナ生産に関する環境問題を監視してきました。委員会によって実施されてきた環境監査により、水の最適な使用、プラスチック素材の再利用、森林保護を確実に行うバナナの生産過程を可能にしてきました。

著作権は、オリジナルの文学や地図、絵画、建築作品、ソフトウェアプログラム、画像、ドキュメンタリーや音楽を含む映画やテレビ番組のような視聴覚作品などの芸術作品を保護します。

文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(1886年)の規約では 、著作権は自動的に発生し、一般的に正式な登録のプロセスを一切伴わないものと定められています。

著作権は、環境に優しい未来の恩恵に関する展望を創造するのに重要な役割を担うクリエーターたちが、彼らの作品によって生活できるようにします。例えば、10代のスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリ氏は、最近出版された彼女の演説集「No one is too Small to Make a Difference 」の売り上げによる収益(チャリティーに寄付される予定)を受け取ります。同様に、著作権制度は、今行動を起こさなければ何が起こるかを考えさせるBBCの「ブルー・プラネット」や「セブン・ワールド・ワン・プラネット・シリーズ」のような興味深いドキュメンタリーの制作を支えています。

前述したとおり、知的財産制度全体で、発明者やクリエーターの興味と一般の興味の間のバランスを取ることに努め、前者が、私たち全員が恩恵を受けることのできるオリジナルで新しい作品を制作することでインセンティブを受けられるように努めています。しかし、特定の状況においては、このバランスを保つために許諾された権利を限定または停止する必要があります。

例えば、著作権法のもとではオリジナルのデータベースを作成した人物が作品に対する独占権を有します。これにより、コレクションからデータを検索する必要のある研究者がこれら作品の著作権を侵害するという状況も起こり得ます。そのため、研究者が著作権侵害のリスクなしに、気候傾向、気象パターン、その他関連する事項に関して情報を生み出すためにデジタル形式の記述やデータを分析する場合に関して、欧州連合を含む様々な法的管轄が正式に詳細に規定しています。

知的財産法の観点から、人工知能を作るアプリケーションを支えるプログラムを含むソフトウェアプログラム、機械学習、深層学習は文芸作品として認識され、著作権法により保護されます。

環境に優しい未来への転換を実現するテクノロジーの多くに、需要を管理し、行動を分析し、より効率的なリソースの使用を達成する高度なコンピュータープログラムが含まれています。

そのようなテクノロジーは、自動車からスマートメーターまで、あらゆるものにおいてますます存在感を増すでしょう。例として、アフリカ全体のオフグリッド世帯に太陽光製品およびサービスを提供する Azuri HomeSmartテクノロジーが挙げられます。

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キャプション 13 Azuriは「未接続を接続し、オフグリッドなアフリカにエネルギーを供給します。」その革新的な太陽光モバイルシステムは、特に遠隔地域に住む何百人もの人々に安価でクリーンな電力源を提供しています。(写真:Azuri提供)

このテクノロジーでは、個人顧客の平均的な電力消費を反映し、気候条件を考慮するためにソーラーシステムによる電力を調整する際に機械学習を使用しています。人工知能、機械学習、深層学習の急速な発展は、大規模な範囲でリソースの使用を追跡および最適化し、多くの地域における環境パフォーマンスを改良しています。

人工知能のアプリケーションは、すでに渋滞の管理、通勤・通学時間の削減、燃料節約の想像、公共の安全性の促進、食品廃棄物の最小化、製造過程および農産食品システムの最適化(例えば、自立農作業ロボット、農作物および土の監視、収穫高に対する天候の環境的影響を予知する予測システムなど)のために使用されています。

これらテクノロジーの急速な革命は、知的財産システムが環境に優しい未来への転換を含む人間の進歩を支援するために、どのように人工知能の開発および適用を促進するのかについて、重要な課題および国際的な論議を呼びました。

自然資源および遺伝資源の管理のような課題に取り組む重要性について考察すると、伝統的知識は気候変動への取り組みにおいて重要な役割を担っています。

パトリシア・エスピノサUNFCCC事務局長が述べたように、「先住民は気候変動に対する解決策の一部となる必要があります。なぜなら、先祖から受け継いだ伝統的知識があるからです。その知識の重要な価値は、軽視できず、また、軽視されるべきではありません。あなたもまた、今日、そして未来のための解決策を見つけることに関して必要な存在です。パリ気候変動協定でもこれについて認識しています。協定は、気候影響に直面した際にレジリエントな世界を築くためのあなたの役割についても認識しています。」

まさに、先住民や地域のコミュニティは何千年にもわたり、気候変動を緩和し、その弊害に対応する戦略を発展させてきました。例えば、太平洋諸島のモーケン族は、津波の際に生き残るための警告システムを伝承の中に組み込んできました。バングラデシュのコミュニティでは、これまでになく頻繁に起きている極度の洪水に対処する方法としてフローティング・ガーデンを考案しました。そして、オーストラリアの先住民族はより集中的な山火事を防ぐテクニックとして、土地をクリアにするために小規模の火事を起こします。

コミュニティのメンバーが伝統的知識および文化的表現の枠組み内でイノベーションを起こす時、彼らのイノベーションを保護するために知的財産制度を使用する場合があります。しかし、古い起源を持ち、非公式的に口頭で伝わる知識のような伝統的知識は、従来の知的所有権では効率的に保護されていません。

これは、一部の国が伝統的知識および文化的表現を保護する独自の特別な(独特な)制度を展開するのを促しました。また、これにより、 伝統的知識、文化的表現、知的財産、遺伝資源に対応する国際的な法的手段を開発するための国際交渉が促進されました。

これらの交渉は、WIPO知的財産と遺伝資源、伝統的知識と民間伝承に関する政府間委員会(IGC)内で行われています。委員会の任務は、2019年にWIPOの加盟国によって改訂され、加盟国は引き続き、これらの課題には多国間決議が必要であると考えていることを示唆しています。

IGCに加え、WIPOの伝統的知識部もまた、異なるステークホルダーに対し、能力構築および技術的なサポートを無料で提供しています。

2013年にWIPOによって設立されたWIPO GREENは、環境に優しいテクノロジーの供給者と探求者を繋ぐことを目指すオンラインのプラットホームです。その目的は、この分野のイノベーションを奨励し、より広範に普及して、気候変動、食料安保、環境に関するグローバルな課題に対処する開発途上国の取り組みに貢献することです。

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WIPO GREENは、世界知的所有権機関の持続可能なテクノロジー専用のマーケットプレイスです。環境に優しい発明者と環境に優しいテクノロジーのニーズを繋げることで、気候変動への取り組みを支援します。

中小企業からフォーチュン500の企業に至るまで、100社以上のパートナーによる3,500件以上のテクノロジー、ニーズ、専門家がリストに記載されています。世界中に1,400人以上のユーザーがおり、コラボレーションにつながる可能性のある640件以上のつながりがこれまでに達成されました。WIPO GREEN は、より環境に優しい未来への転換を加速するためのサポートに焦点を当てた戦略的計画によって統制されています。

WIPO GREEN データベースは、プロトタイプから市場性のある商品にテクノロジーを提供し、それはライセンス、コラボレーション、合弁事業、販売に利用が可能です。また、特定の環境課題または気候変動問題に対処するためのテクノロジーを探している企業、機関、非政府組織によって明示されたニーズのリストも掲載しています。

WIPO GREENは、特定の地理的地域または技術的ドメインに焦点を当てた、いわゆる加速プロジェクトを数多く運営しています。これらのプロジェクトでは、供給者と探求者が環境に優しいテクノロジーの移転または展開に至るような重要なつながりを作れるようにしています。例えば、中南米で進行中のプロジェクトでは、現地の課題を調査し、環境に優しい機会の可能性を特定し、気候スマート農業の分野での繋がりの構築に焦点を当てています。

WIPO GREENは、活動と成果の年次評価を発表しました。また、2016年11月にマラケシュで開催されたCOP22で行われたアフリカに着目したテクノロジーのショーケスのような環境に優しい発明の展示を主催しました。さらに最近では、WIPO GREENはCOP25で、アルゼンチン、ブラジル、チリにおける天候スマート農業テクノロジーの普及をサポートするイノベーションおよび技術移転の役割に関して、注目を集めました。

環境に優しいテクノロジーをより迅速に市場参入させ、今後の研究開発を促すことを目的として、複数の知財庁でこれらのテクノロジーに対する適格特許の審査を加速しています。

例えば、英国では、発明品に環境的利点がある場合、グリーン・チャンネル(2009年導入)により、出願者はプロセスの加速を依頼できます。出願者は、出願がどの程度環境に優しく、どの過程(検索、審査および/または公開)を加速したいかを提示する必要があります。これまでに、 2,200件以上の公開特許がグリーン・チャンネルを使用し、出願には出願申請から許諾まで約11か月かかっています。

USPTO グリーン・テクノロジー・パイロット・プログラムが2019年に開始され、3,500件の適格出願が提出された後、終了しました。しかし、特許出願者はまだ、審査を進め、開始されてから12か月以内に最終処分に達するという目標を設定する優先審査(トラック1)プログラムまたは加速審査プログラムが使用できます。

オーストラリア、ブラジル、 カナダイスラエル日本、韓国を含むその他の知財庁では、環境に優しいテクノロジーの特許出願に対する迅速な審査を提供しています。