気候に優しい衛生廃棄物処理

2020年世界知的所有権の日 - 環境に優しい未来のために革新する-を記念して、WIPO GREENではWIPO GREEN オンラインデータベース で特集された気候に優しいテクノロジーの数々を紹介しています。

世界中で年間20億トンを超える固形廃棄物が排出されています。世界銀行は、この数字が2050年までに34億4,000万トンに増加すると予測しています。現在、世界の廃棄物の約33パーセントは環境に優しい方法で処理されておらず、 これにより環境汚染や環境悪化が発生しています。

生理用品を含む衛生廃棄物の気候に優しい方法での処理は依然として課題です。常時、世界中で8億人以上の女性が月経期間にあります。彼女たちの多くが、分解に800年以上かかる生理用ナプキンなどの使い捨て生理用品を使用しています。インドだけでも、年間120億枚の生理用ナプキンが使用されており、その98パーセントが埋立地、湖、海に行き着いています。

group picture of PadCare Labs team
PadCare Labsチームとその革新的なテクノロジー、Saneco。左から右:Aasawari Kane (プロジェクトアシスタント); Shriniwas Adhe (インターン エンジニア); Ajinkya Dhariya(創立者兼CEO) ; Krishna Malji(デザインエンジニア); Sarika Kulkarni(プロダクトエンジニア、Sanecoの発明者) 。(写真:PadCare Labs提供)

インドのスタートアップ企業であるPadCare Labsは、生理用品廃棄物の処理と、多くの国で最も一般的な衛生廃棄物処理の慣例である焼却(燃焼)に代わる環境に優しい代替策の開発に取り組んでいます。彼らのテクノロジー、Saneco:生理用ナプキンの廃棄およびリサイクルユニットは、WIPO GREENデータベースに登録されており、衛生廃棄物処理に関して安全で環境に配慮した方法を提供し、環境への有害な悪影響の緩和に役立ちます。

このテクノロジーは、若い女性の機械工学士で工業デザイナーのSarika Kulkarni氏によって設計されました。最近のWIPO GREENでのインタビューで、Kulkarni氏は次のように述べています。「女性にとって大きな課題を生み出すため、インドでは今だに社会的および文化的なタブーとされている、この環境問題への解決策を見つけることを思いつきました。」

(写真:PadCare Labs提供)

Sanecoは、「5D」(消毒、脱色、脱臭、失活、粉末化 )化学機械プロセスを使用する環境に優しいリサイクルシステムで、30秒以内に生理用ナプキンを処理します。プロセスは無臭、無色、無煙で、洗面所や個々のキャビンに簡単に設置できます。産出された副産物は、製紙産業の燃料または材料としてリサイクルできます。

現在、このプロジェクトは商業化の前段階にあります。インドのプネーに5台のSaneco機器が設置され、試験運用されています。

知的財産保護に関して、PadCare Labsはその技術を保護するための特許出願を申請しており、その革新的な機器に対する意匠および商標権の取得も検討しています。

(写真:PadCare Labs提供)

PadCare Labsは現在、より環境に配慮した衛生廃棄物処理アプローチへの切り替えと自社施設に同機器を設置することに関心のある企業からの支援を模索しています。

「私たちスタートアップ企業の中核には、知的財産と環境に優しいイノベーションがあります。今年の世界知的所有権の日に参加できることを嬉しく思っています。」とPadCare Labs社 創立者兼CEOのAjinkya Dhariya氏は述べました。

「今日私たちは本当に歴史を作り、 世界の未来のための土台を築いています。この未来が環境に優しく健康的なものになるかどうかは、私たち次第です。だから今日、私は世界中のイノベーターたちに、私たちの生活をより持続可能で環境に優しいものにするため、彼らの取り組みを団結するよう呼び掛けます。世界知的所有権の日に限らず毎日、環境に優しい未来のために革新していきましょう!」とDhariya氏は述べました。

WIPO GREENについて

WIPO GREENは持続可能なテクノロジーのためのマーケットプレイスで、気候変動に対処する世界的な取り組みを支援しています。そのオンラインデータベースと地域的活動を通じて、WIPO GREENは環境に優しいソリューションを促進し、環境に優しいテクノロジーへの移行と普及を加速するために環境に優しいテクノロジーを求める側と提供する側を結びつけています。