プラスチック廃棄物を燃料に変換する

2020年世界知的所有権の日 - 環境に優しい未来のために革新する-を記念して、WIPO GREENではWIPO GREEN オンラインデータベース で特集された気候に優しいテクノロジーの数々を紹介しています。

(写真: gettyimages/gopixa)

世界銀行によれば、世界人口の16パーセントに過ぎない高所得国が世界の廃棄物の約34パーセント(約6億8,300万トン)を創出しています。工場や大規模小売業者のような大規模な廃棄物生産者を規制することが現在の統治手順となる一方で、例えば、世帯やオフィスレベルなど、廃棄物を小さい規模で創出する者の管理の対応はより困難です。今日、現代のオフィスでは、プラスチックの包装容器から小型または中型の電子機器や設備に至るまで、かなりの量の廃棄物が創出されています。このような廃棄物は分離するのが容易ではなく、そのため、適切にリサイクルするのは困難です。

(画像:富士通株式会社提供)

日本の情報通信技術(ICT)企業で、WIPO GREENのパートナーである富士通株式会社(富士通)は、大規模な工場や小さいオフィスで使用できる廃プラスチック変換技術を開発することで、この課題に取り組んでいます。廃プラスチックを液化するその方法は、多くの場合、リサイクルされない廃棄物またはリサイクル不可能な廃棄物から再利用可能な油を生成することを可能にします。これらの材料には、ラップトップなどの分離が難しい様々な種類のプラスチックから作られた製品、コンピューターケーブル、キーボード、マウスなどの金属要素と混合しているプラスチック、およびリサイクル不可能な梱包材が含まれます。このテクノロジーにより樹脂が効率的に除去され、他の方法では焼却される廃棄物からレアメタルを回収することが可能になります。

富士通研究所で発明されたテクノロジーは以下で構成されています。::

  • 溶融した廃プラスチックを保管するための分解容器。
  • • 溶融した廃プラスチックを保管するための分解容器。
  • 分解容器の底の表面から廃プラスチックを加熱するための第一加熱部品。
  • 分解容器の上面から廃プラスチックを加熱するための第二加熱部品。
  • 分解容器内で気化した分解ガスを冷却するための冷却容器。これにより、分解油の副産物が生成されます
(画像:富士通株式会社提供)

このテクノロジーでは、対流制御を使用して、溶融プラスチックの底面と液体表面の間の温度差を低減しています。これにより、有効蒸発面積が減少し、エネルギー損失が相殺されます。発明者が概説する廃プラスチックの液化のがもたらす環境上の利点は次のとおりです。:

      • 焼却からリサイクルに切り替ることにより二酸化炭素およびその他の環境への影響を削減する。
      • 廃プラスチックを燃料として使用できるオイルに変換することでエネルギーを生産する。
      • 樹脂やレアメタルなどの消耗する天然資源を回収する。

富士通は、新技術が「リサイクルを可視化」し、プロセスがミクロレベル(オフィスなど)でさらにアクセス可能で一般的なものになるようにし、世界中の企業がプラスチック廃棄物のリサイクルや暖房、冷房、発電などオフィスのニーズに応じた燃料の生産を通じて完全に持続可能になるよう促すことを望んでいます。富士通はまた、エネルギー市場の変動への依存を回避し、ユーザーがエネルギー生成において高い自由度を得ることを支援することなど、テクノロジーの経済的利益に注目しています。

富士通は、「循環型社会の構築」など、国連持続可能な開発目標(United Nations Sustainable Development Goals 、SDGs)への貢献に取り組んでいます。富士通は、2017年にWIPO GREENに参画して以来、廃プラスチック技術の液化を含む500件以上の環境関連の知的財産をWIPO GREENオンラインデータベースに登録してきました。

WIPO GREENについて

WIPO GREENは持続可能なテクノロジーのためのマーケットプレイスで、気候変動に対処する世界的な取り組みを支援しています。そのオンラインデータベースと地域的活動を通じて、WIPO GREENは環境に優しいソリューションを促進し、環境に優しいテクノロジーへの移行と普及を加速するために環境に優しいテクノロジーを求める側と提供する側を結びつけています。