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WIPO Arbitration and Mediation Center

紛争処理パネル裁定

VOLVO Trademark Holding AB 対 Kathleen Kim

事件番号 D2017-0819

1. 紛争当事者

申立人は、VOLVO Trademark Holding ABであり、その住所地はGothenburg, Swedenである。申立人代理人は、日本国に住所地を有するTMI総合法律事務所である。

被申立人は、Kathleen Kimであり、その住所地はJincheng, Chinaである。

2. ドメイン名および登録機関

紛争の対象であるドメイン名は<volvocarss.com>(以下「本件ドメイン名」という)であり 、本件ドメイン名の登録機関はGMO Internet, Inc. d/b/a Discount-Domain.com and Onamae.comである。

3. 手続の経過

本件申立書は、2017年4月24日にWIPO仲裁調停センター(以下「センター」)へ提出された。センターは2017年4月24日にメールにより本件ドメイン名の登録確認を登録機関に要請した。2017年4月25日に登録機関はメールによりセンターへ登録確認の返答をし、被申立人がドメイン名登録者であることを確認し、その連絡先細目を通知した。

センターは申立書が統一ドメイン名紛争処理方針(以下「処理方針」という)、統一ドメイン名紛争処理方針手続規則(以下「手続規則」という)およびWIPO統一ドメイン名紛争処理方針補則 (以下,「補則」という)における方式要件を充足していることを確認した。

手続規則第2条および第4条に従い、センターは本件申立を被申立人に通知し、2017年5月2日に紛争処理手続が開始された。手続規則第5条に従い、答弁書の提出期限は2017年5月22日であった。被申立人は答弁書を提出しなかった。したがって、センターは被申立人の義務の不履行を2017年5月23日に通知した。

センターは、Haig Oghigianを単独のパネリストとして本件について2017年5月31日に指名した。紛争処理パネルは、同パネルが正当に構成されたことを確認した。手続規則第7条の要請に従い、紛争処理パネルはセンターへ承諾書および公平と独立に関する宣言を提出した。

4. 背景となる事実

被申立人が答弁書を提出しなかったため、背景となる事実は、原則として、本件申立書に基づいて認定する。

申立人は、Volvo Car AB及びVolvo Car Corporationが共同かつ平等に所有する会社である。申立人は、世界中でVOLVOマークに関する商標権を有しており(例えば、中国の商標VOLVO、登録番号1,079,820、1997年8月14日に登録される)、また、複数の国又は法域でVOLVO CARマーク及びVOLVO CARSマークに関する商標権を有している(例えば、ヨーロッパ連合の商標VOLVO CARS、登録番号010,728,731、2012年10月12日に登録される)。

本件ドメイン名は、2016年12月12日に登録され、本決定の時点で主に、オンラインカジノのバナー広告、ポルノ・コンテンツ、及びポルノサイトへのリンクを含むウェブサイトのために使用されている。

5. 当事者の主張

A. 申立人

申立人は、本件ドメイン名の移転を求めている。

申立人は、本件ドメイン名が申立人が商標権を有するVOLVOマーク、VOLVO CARマーク及びVOLVO CARSマークに混同を引き起こすほど類似していると主張する。すなわち、本件ドメイン名<volvocarss.com>は、VOLVO CARSマークにアルファベットの「s」を付加したにすぎないなどと主張する。

また、申立人は、被申立人は本件ドメイン名について権利又は正当な利益を有しないと主張する。すなわち、被申立人はVOLVO CARS又はVOLVO CARという文字列を含む商標登録を有しない、申立人は被申立人に対してVOLVO CARS又はVOLVO CARという文字列をドメイン名として使用することを一切許可していないなどと主張する。

さらに、申立人は、本件ドメイン名が不正の目的で登録かつ使用されていると主張する。すなわち、本件ドメイン名はオンラインカジノのバナー広告やポルノ・コンテンツのバナー広告を含むウェブサイトのために使用されている、申立人グループ会社が運営するサイトのURL「www.volvocars.com」を綴り間違いにより入力した者がかかるポルノ・コンテンツ等を含むウェブサイトに誘引されているなどと主張する。

B. 被申立人

被申立人は答弁書を提出しなかった。

6. 審理および事実認定

処理方針第4条(a)にしたがい、申立人は、ドメイン名の移転を求めるにあたって、次に掲げる要件を証明しなければならない:

(i) 被申立人のドメイン名が、申立人が権利を有する商標又はサービス・マークと同一であるか、又は混同を引き起こすほど類似すること;

(ii) 被申立人が、当該ドメイン名について権利又は正当な利益を有しないこと;及び

(iii) 当該ドメイン名が、悪意で、登録かつ使用されていること。

A. 同一又は混同を引き起こすほどに類似していること

処理方針第4条(a)(i)にしたがい、申立人は、被申立人のドメイン名が、申立人が権利を有する商標又はサービス・マークと同一であるか、又は混同を引き起こすほど類似すること、を証明しなければならない。

申立人の商標に記述的用語又は一般名称を追加したとしても、争いとなったドメイン名及び当該商標間の類似性を軽減しないことは、処理方針の下での先例として確立している。例えば、Cantor Fitzgerald Securities, Cantor Index Limited対Mark Mark, Chen Xian Sheng/Whois Protect,WIPO 事件番号 D2014-0125及びJ. Choo Limited対Weng Huangteng, WIPO事件番号D2010-0126参照。

さらに、争いとなったドメイン名が申立人の商標を完全に包含する場合には、当該ドメイン名が当該商標と同一又は混同を引き起こすほど類似していることは処理方針の下での過去のUDRP決定により承認されている。例えばKabushiki Kaisha Hitachi Seisakusho (d/b/a Hitachi Ltd) v. Arthur Wrangle, WIPO 事件番号D2005-1105参照。

申立人は、世界中でVOLVOマークに関する商標権を有しており、また、複数の国又は法域でVOLVO CARマーク及びVOLVO CARSマークに関する商標権を有している。そして、本件ドメイン名<volvocarss.com>は、VOLVOマークを完全に含み、これに自動車を意味する「cars」、アルファベット「s」、及びジェネリック・トップ・レベル・ドメイン(「gTLD」)「.com」を追加したにすぎない。VOLVO CARSマークについて見れば、本件ドメイン名は、申立人のVOLVO CARSマークを完全に含み、これにアルファベット「s」及びgTLD「.com」を追加したにすぎない。

したがって、本件ドメイン名は、申立人のVOLVOマーク及びVOLVO CARSマークに混同を引き起こすほど類似している。よって、申立人は、処理方針第4条(a)(i)の要件を満たした。

B. 権利又は正当な利益を有しないこと

処理方針第4条(a)(ii)にしたがい、申立人は、被申立人が本件ドメイン名について権利又は正当な利益を有しないこと、を証明しなければならない。同第4条(c)は、被申立人がかかる権利又は利益を有することになる例示的な事情を提供する。かかる事情は以下のとおりである。

(i) 被申立人が、この紛争についての何らかの通知を受ける以前に、善意による商品又は役務の提供を行うために、当該ドメイン名を使用していた、又は、使用のための明白な準備をしていたこと;

(ii) 被申立人が、商標権を取得していなくても、そのドメイン名の名称で一般に知られていたこと; 又は

(iii) 被申立人が当該ドメイン名を、正当にして非商業的に又は公正に使用しており、その際に、消費者をそらす、又は、当該商標を毀損する意図を有していないこと。

申立人が、被申立人が当該ドメイン名について権利又は正当な利益を有しないことを疎明した場合、立証責任が転換し、被申立人は、自己の権利又は正当な利益を示す適切な主張及び証拠を提出しなければならない。被申立人がそのような適切な主張及び証拠の提出に失敗した場合、申立人は、処理方針第4条(a)(ii)の要件を満たしたものとみなされる。例えばCroatia Airlines d.d. 対Modern Empire Internet Ltd.,WIPO事件番号D2003-0455及びBanco Itau S.A. 対Laercio Teixeira, WIPO 事件番号D2007-0912参照。

VOLVOマークが少なくとも自動車に関して国際的に著名なマークであることは紛争処理パネルに顕著な事実であり、また、VOLVO CARSマークも、著名なVOLVOマークに自動車を意味する「CARS」を付加したにすぎないことに鑑み、自動車に関連して広く認知されていると推認される。本件申立書付録5によると、本件ドメイン名は、主にオンラインカジノのバナー広告、ポルノ・コンテンツ、及びポルノサイトへのリンクを含むウェブサイトのために使用されてきている。著名なVOLVOマークの文字列を含む本件ドメイン名をこのようなウェブサイトのために使用すること自体が本件ドメイン名の不正使用を推認させるものであるが、被申立人は、センターからの通知にかかわらず、本件紛争処理手続に関して答弁書の提出その他の応答を一切行っていない。

したがって、紛争処理パネルに提出された主張及び証拠を前提とする限り、被申立人が、善意による商品又は役務の提供を行うために、本件ドメイン名を使用していた又は使用のための明白な準備をしていたとは認められず、また、被申立人が本件ドメイン名を正当にして非商業的に又は公正に使用していたとも認められない。

さらに、本件紛争処理手続において、被申立人が本件ドメイン名の名称で一般に知られていたことを基礎付ける証拠は一切提出されておらず、申立人が、被申立人による本件ドメイン名の使用を承認又は許可していた事実を示す証拠も提出されていない。

以上からすると、申立人は、被申立人が本件ドメイン名について権利又は正当な利益を有しないことを疎明したといえる。そして、前記のとおり、被申立人は、本件紛争処理手続に関して一切応答を行っておらず、自己の権利又は正当な利益を示す主張又は証拠を全く提出していない。

したがって、被申立人は本件ドメイン名について権利又は正当な利益を有しないと認められる。よって、申立人は、処理方針第4条(a)(ii)の要件を満たした。

C.ドメイン名が悪意で、登録かつ使用されていること

処理方針第4条(a)(iii)にしたがい、申立人は、本件ドメイン名が、悪意で、登録かつ使用されていることを証明しなければならない。

前記のとおり、VOLVOマークは少なくとも自動車に関して国際的に著名なマークであり、VOLVO CARSマークも、自動車に関連して広く認知されていると推認される。そして、本件申立書付録5によると、VOLVOマーク及びVOLVO CARSマークの文字列を完全に含む本件ドメイン名は、主にオンラインカジノのバナー広告、ポルノ・コンテンツ、及びポルノサイトへのリンクを含むウェブサイトのために使用されてきている。被申立人は、センターからの通知にかかわらず、本件紛争処理手続に関して答弁書の提出その他の応答を一切行っていない。

以上からすると、処理方針第4条(b)(iv)にしたがい、当該ドメイン名は、悪意で、登録かつ使用されていると認められる。したがって、申立人は、処理方針第4条(a)(iii)の要件を満たした。

7. 裁定

以上の理由により、処理方針第4条(i)項および手続規則第15条に従い、紛争処理パネルは当該ドメイン名<volvocarss.com>を申立人へ移転することを命じる。

Haig Oghigian
パネリスト
日付: 2017年6月14日