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WIPO Arbitration and Mediation Center

紛争処理パネル裁定

株式会社東芝 対

Taro Yamada, 株式会社PLAN-B/Whois Privacy Protection Service by VALUE-DOMAIN

事件番号 D2014-0893

1. 紛争当事者

申立人は日本国東京に所在する株式会社東芝。申立人の代理人:日本国所在するみどりの森法律事務所。

被申立人は日本国東京に所在するTaro Yamada、日本国大阪に所在する株式会社PLAN-B、日本国大阪に所在するWhois Privacy Protection Service by VALUE-DOMAINである。

2. ドメイン名および登録機関

紛争の対象であるドメイン名:<toshibabatteryvalues.com>。

本件ドメイン名の登録機関:GMO Internet, Inc. d/b/a Discount-Domain.com and Onamae.com(「登録機関」)。

3. 手続の経過

本件申立書は、2014年5月28日付にてWIPO仲裁調停センター(以下「センター」という。)へ提出された。センターは2014年5月28日付にてメールにより本件ドメイン名の登録確認を登録機関に要請した。 2014年5月30日付にて登録機関はメールによりセンターへ登録確認の返答を申立書に記載された被申立人および連絡先細目と異なる情報を当該ドメイン名の登録者として公開した。センターは申立人へ2014年6月6日付にて登録機関により公開されたドメイン名登録者および連絡先細目を通知した。それに伴い、申立人は申立書を訂正することができると案内された。同日付にてセンターは申立人に申立書の不備を通知した。申立人は申立書の補正書を2014年6月6日付にてセンターへ提出した。センターによる申立書の不備に関する通知に対し、申立人は2014年6月7日付にて署名した申立書を提出した。2014年6月10日付にて申立人は、申立書に対する補正書と申立書の添付物をセンターに提出した。センターは申立書および補正書が統一ドメイン名紛争処理方針(以下「処理方針」という。)、統一ドメイン名紛争処理方針手続規則(以下、「手続規則」という)およびWIPO統一ドメイン名紛争処理方針補則(以下、「補則」という。)における方式要件を満たしていることを確認した。

手続規則第2条(a)項および第4条(a)項に従って、センターは本件申立を被申立人に通知し、2014年6月12日付にて紛争処理手続が開始された。手続規則第5条(a)項に基づき、答弁書の提出期限は2014年7月2日であった。被申立人は答弁書を提出しなかった。したがって、センターは被申立人の義務の不履行を2014年7月3日付にて通知した。

2014年7月8日付にて登録機関は被申立人が紛争ドメイン名を申立人に移転する意思があることをセンターに知らせてきた。同日付にてセンターは申立人に当事者の間に和解の可能性を確認するため、手続きの中止を求めるかについて意見を提出することを案内した。申立人の要請によって2014年7月15日付にて手続きが2014年8月14日まで中止された。申立人の要請によって手続きが2014年8月14日付にて再開された。

センターは、[Ho-Hyun Nahm]を単独のパネリストとして本件について2014年9月12日付にて指名した。紛争処理パネルは、当該パネルが正当に構成されたことを確認した。手続規則第7条の要請に従い、紛争処理パネルはセンターへ承諾書および公平と独立に関する宣言書を提出した。

4. 背景となる事実

申立人は1904年6月25日付にて設立され、日本国内に本社を置いている総合電機メーカーである。申立人は日本国全域にわたって拠点を有しているばかりでなく、海外においても多くの製造・販売拠点を有している。「TOSHIBA」は60年以上、長期間にわたって申立人の商号と商標として申立人によってその製品に積極的に使用されてきた。申立人のこれらの製品の2013年度年間売上高は6兆5025億円に達し、2012年度の広告宣伝費は337億4800万円に達する。

申立人は「TOSHIBA」の名称で多数の商標登録を保有していることがその代表的なものとして、以下の日本国特許庁商標登録を保有している(申立人の証拠6)。

商標(検索用):TOSHIBA/東芝

登録番号:第1492830号

登録日:1981年12月25日

商品分類:7、8、9、10、11、12、17、21

紛争ドメイン名は2014年3月3日付にて登録された。

5. 当事者の主張

A. 申立人

第一、紛争ドメイン名は、申立人が登録し、世界的に知名度が高い商標であるとともに、申立人の登録商標である「TOSHIBA」と混同を生じさせる程度に類似している。

第二、被申立人は、紛争ドメイン名の登録に対する権利または正当な利益を有していない。

第三、被申立人のドメイン名が不正な目的に登録され、使用されているという。

イ.被申立人は、紛争ドメイン名が申立人が有しているTOSHIBA商標と混同を生じさせる程度に類似しているという点において、被申立人は、申立人の高い知名度に便乗するために紛争ドメイン名を登録したものであり、登録者においては、本ドメイン名が申立人に関する名称であることを認識しながら、あえてこれを使用している。

ロ.登録者は、本ドメイン名を使用して、ブログ形式のアダルトサイトを配信してしている。同サイトでは、それ自体がアダルトサイトを構成することは明らかであるが、それとは別に「関連リンク」という項目を記載しており、今後、他サイトの風俗情報等を掲載する準備があることは明白である。

ハ.被申立人、すなわち登録者は、申立人の知名度を利用して多くの閲覧者を募り、アダルトコンテンツによる商業的利益を得ることを意図していたものとしか考えられず、そうであるとすれば本ドメイン名を用いてこれを申立人によるものと混同させた上で、閲覧者をサイトに誘導する不正使用目的を有しているものである。

ニ.本ドメインの登録者は、いわゆるプライベートレジストレーションを用いて、自身の責任を追及される場合を想定して個人情報を秘匿している可能性が高く、この観点からも本ドメイン名を不正な目的で使用しているものである。

B. 被申立人

被申立人は、答弁書を提出しなかった。

6. 審理および事実認定

被申立人が答弁書を提出しなかったので、紛争処理パネルは、規則14(a)、5(e)項及び規則15(a)に従って、申立人の争いがない主張に基づいて本行政手続きの決定を下し、規則14(b)に従って、紛争処理パネルが適切であると判断する推論ができる。紛争処理パネルは証拠が明らかに矛盾しない限り、申立書に記載されたあらゆる合理的な主張や推論を真実なものと認めることができる。参照:Vertical Solutions Management,Inc. v. webnet-marketing, inc., NAF Claim No. FA95095 (被申立人の答弁書の未提出は、申立書の主張の事実に関するあらゆる合理的な推論を真実なものと受け入れることができる);Talk City, Inc.v.Michael Robertson, WIPO Case No. D2000-0009 (答弁書の提出がない場合、申立書のすべての主張を真実なものとして受け入れることは適切である。)

処理方針第4条4(a)によると、申立人が勝訴するためには、以下の3つの要件を全てクリアしなければならない。

i.被申立人のドメイン名が申立人が権利を保有している商標またはサービス標と同一または、混同を引き起こす程度にに類似しているということ;

ii.被申立人がドメイン名に関し、権利や正当な利益を持っているではないということ;および

iii.被申立人のドメイン名が不正な目的に登録・使用されているということ。

A.申立人が保有している商標および役務商標(サービスマーク)と同一または混同を引き起こす類似性

申立人は、本ドメイン名が「toshiba」、「battery」、「values」という各ワードを合わせて成り立っているところ、申立人の名称である「TOSHIBA」と申立人における主要商品の一である電池を意味する「battery」というワードが含まれているために申立人における知名度と相まって、本ドメインを現認してサイトを閲覧した者に対して、そのサイトの内容について申立人の(電池に関連する)役務についてのサイトである旨誤認させ、あるいは誤認する恐れを生ぜしめることは明白であるという趣旨で主張している。

本ドメイン名の構成において、「battery」は電池を意味し、申立人の主な製品の電気製品、特に「電池」の普通名称に該当し、「values」も「価値」を意味して、商標としての識別力がない部分に該当する。また、「.com」はgTLDとして同様に商標としての識別力がない部分であると言える。このため、本ドメインが申立人の商標と混同を引き起こす程度に類似しているか否かを判断するときには、これらの識別力がない要素を除外しなければならないため、これら識別力がない要素を除外して察する場合、本ドメイン名は、申立人の商標と同一という点から本ドメイン名は、申立人の商標と混同を引き起こす程度に類似していると言える。参照:Research in Motion Limited v.Input Inc, Domain Manager, WIPO Case No. D2011-2197(付加された単語「help」は助けを意味するものとして一般的に使われているため、付加された性質表示的な表現は、紛争ドメイン名を申請人の商標と識別されることができない)。Hoffmann-La Roche Inc.v.Hightech Industries, Andrew Browne, WIPO Case No. D2010-0240 (ドメイン名に申請人の商標全体を包含するのは紛争ドメインが申請人の商標と同一、または混同を引き起こす程度に類似しているということを成立させる)。

B.当該ドメイン名についての正当な権利または利益

申立人は処理方針4(a)(ii)に従って、被申立人が紛争ドメイン名に関し、権利や正当な利益がないということを立証しなければならないが、そのような消極的事実は、申立人が完全に立証することは不可能なので、反証がなければそのまま認められる程度の立証をすれば十分であり(a prima facie case)、申立人が反証がなければそのまま認められる程度の立証をした場合、被申立人が紛争ドメイン名に関し、権利や正当な利益があることを立証する責任が被申立人に転換されるということである。参照:Hanna-Barbera Productions, Inc. v.Entertainment Commentaries, NAF Claim No. FA741828 (処理方針¶4(a)(ii)に従って被申立人にドメイン名に関し、権利や正当な利益があることを立証する責任が転換される前に申立人は先にドメイン名に関して被申立人が権利や正当な利益がないことを反証がなければそのまま認められる程度の立証-a prima facie case-をしなければならない。) AOL LLC v.Gerberg, NAF Claim No. FA 780200 (申立人は被申立人が紛争ドメイン名に関し、権利や正当な利益がないということを反証がなければそのまま認められる程度の立証-a prima facie case-をしなければならないが、その立証責任は軽いものだ。申立人がそのような程度の立証を満たせば、被申立人が紛争ドメイン名に関し、権利や正当な利益があることを立証する責任が被申立人に転換される)。

申立人は、登録者が、本ドメイン名を用いて、ウェブサイトを開設しているところで、このウェブサイトの本質はアダルトコンテンツを配信するいわゆるアダルトサイトであり、登録者は申立人との間に何らの関係もない、当然申立人において、登録者に対して商標の使用を認可した事実もない、レジストラないしリセラーに対しても、本件ドメイン名の使用を許諾した事実もないと主張している。また、申立人は、登録者が本件紛争が生じる前から、申立人の「TOSHIBA」あるいはこれに類する名称を自身の商号や名称として使用するため準備をしていたことを裏付ける明白な根拠ないし証拠は一切あなく、本ドメイン名の登録者が事前に「TOSHIBA」あるいはこれに類する名称で一般的に周知されていたという形跡もないと主張している。察するに、申立人の上記のような主張は被申立人に紛争ドメイン名に関し、権利や正当な利益がないことが反証がない限り認められるのに十分であると判断され、被申立人は、申立人の主張に関して何の回答も行っていないため、申立人は処理方針4(a)(ii)の要件事実を立証した。参照:De Agostini S.p.A. v.Marco Cialone, WIPO Case No. DTV2002-0005Accor v.Eren Atesmen, WIPO Case No. D2009-0701)。

C.不正の目的での登録・使用

申立人は、登録者が、本ドメイン名が申立人に関する名称であることを認識しながら、あえてこれを使用しているものと主張している。また、申立人は同サイトでは、「関連リンク」という項目を記載しており、今後、他サイトの風俗情報等を掲載する準備があることは明白であるものと主張ている。なお、申立人は、被申立人が申立人の知名度を利用して多くの閲覧者を募り、アダルトコンテンツによる商業的利益を得ることを意図していたものとしか考えられず、そうであるとすれば本ドメイン名を用いてこれを申立人によるものと混同させた上で、閲覧者をサイトに誘導する目的を有してものと 主張している。申立人は知名度の高い商標と類似ドメイン名を用いて自己のウェブサイトに誘導しようとすること自体が、ドメイン名に係る不正使用目的であると主張しながら、この点、同趣旨の裁定例として、Sony Ericsson Mobile Communications International AB, Telefonaktiebolaget LM Ericsson, Sony Corporation v. Party Night Inc., WIPO Case No. D2002-1128裁定文を提出した。

察するに、申立人の主張と提出した証拠によると、申立人の商標は知名度が高く、特に申立人が日本に主な営業拠点を置いており、被申立人が紛争ドメイン名で開設したウェブサイトが日本語になっているという点など、諸般状況に照らして、被申立人は、申立人の商標の存在と知名度を認知して紛争ドメイン名を登録して使用していると言える。また、インターネット使用者は知名度が高い申立人の商標と混同を引き起こす程度に類似した紛争ドメインの名を見て紛争ドメイン名で開設したウェブサイトが申立人が運営するウェブサイトのものと誤認して当該ウェブサイトを訪問する可能性が高いと言えるが、被申立人はこのような方法でインターネット使用者を自分のウェブサイトに誘導し、不当な利益を得る目的で紛争のドメイン名を使用していることが認められる。参照:eBay Inc.v.SGR Enterprises and Joyce Ayers, WIPO Case No. D2001-0259 (ドメイン名<ebaylive.com>及び<ebaystores.com>と商標EBAYは混同を引き起こす程度に似ているため、そのドメイン名で開設したウェブサイトを見たインターネット使用者は紛争ドメイン名がeBayと関連した会社であったり、後援を受けることと推定する可能性がある。SGRandAyersがEBAYという名称をどうして紛争ドメイン名の構成要素として採用したかに対する納得できる説明がない状況で、eBayの信用に便乗するとしか思われない。)

したがって、被申立人は、紛争ドメイン名を不正な目的で登録・使用していると言えるため、申立人は処理方針第4条(a)項(iii)の要件事実を立証した。

7. 裁定

上述した理由に基づき、処理方針第4条(i)項および手続規則第15条に従い、紛争処理パネルは、当該ドメイン名<toshibabatteryvalues.com>を申立人へ移転することを命じる。

Ho-Hyun Nahm
パネリスト
日付:2014年9月25日