【プレスリリース】視聴覚的実演に関するWIPO北京条約が成立

2012/06/27

北京  2012年6月26日

PR/2012/714

視聴覚的実演家のための新条約を仕上げるための 外交会議は、W IPOの加盟国からの交渉官たちが視聴覚的実演に関する北京条約(交渉の最終ラウンドを主催した都市にちなんでこの名称になりました)に署名して、2012年6月26日に成功裡に終了しました。新条約は、視 聴覚的実演家を総合的に国際著作権の枠組みに初めて組み入れます。
 
議論を特徴付けた素晴らしい雰囲気を歓迎しつつ、WIPOのフランシス・ガリ事務局長は、中国政府及び北京市に対して、2 012年6月20日から26日に会合した視聴覚的実演の保護に関する外交会議のきわめて優れた運営に感謝しました。ガリ事務局長は、外交会議の開催のリーダーシップとその寛容さに関して、と りわけ中国国家版権局及び北京市に対して謝意を表明しました。
 
議長の木槌がWIPOの下で行われてきた12年に及ぶ交渉に終わりを告げました。ガリ事務局長は、国際著作権の歴史におけるこの大きな進展を多数国間システムの成功として賞賛しました。「 北京条約の成立は視聴覚的実演家にとって国際著作権制度におけるギャップを埋めるための重要な出来事であり、多数国間のプロセスの協力的な特質を反映したものである。」とガリ事務局長は述べました。彼は「 国際著作権制度は、もう特定の実演家を差別しない。」としました。
 
ガリ事務局長は、他の重要な分野煮におけるWIPOの作業を進展させるためにこの素晴らしい「北京スピリット」に基づいて加盟国が引き続き事を進めていくことへの希望を表明しました。< /div> 
閉会式において、中共中央政治局委員で北京市市委書記の劉淇氏は、条約を北京の誇りであると表現しました。そして「知的財産の尊重は必須である。」、「 我々はこの機会を更なる知的財産の強化の機会として捉え、北京を知的財産の一番の都市にする」と述べました。
 
外交会議の議長を務めた中国国家版権局の局長の柳斌杰氏は「すべての代表団によって示された建設的な雰囲気、協力の精神、柔軟性及び現実的な態度」を賞賛し、加盟国が条約の批准、加 入の手続きを迅速に行うことを求めました。
 
閉会式には北京市市長の郭金龍氏、国家版権局副局長の阎晓宏氏及び北京副市長の鲁炜氏も出席しました。
 
外交会議は中国共産党中央政治局委員の劉延東氏と北京副市長の鲁炜氏によって 開会されました。
 
外交会議の開会において、世界各国からの俳優 -- アメリカのメリル・ストリープ、ブラジルのソニア・ブラガ、中国の梅葆玖、そしてスペインのハビエル・バルデムとアントニオ・バ ンデラスを含めた俳優 – が条約の採択を訴えました。 Video, Actors Call for Treaty ビデオ
 
閉会のメッセージにおいて、外交会議に参加した国際的俳優が条約の成立を賞賛しました。 Video, Reactions from international actors, Beijing Treaty ビデオ
 
中国の実演家の王晓棠氏、インドの映画製作者のボビー・ベディ氏、そして国際俳優連合理事長のアグネット・ハーランド氏が閉会式で発言をしました。
 
外交会議は、156の加盟国、6の政府間機関、そして45の非政府機関が参加しました。これはWIPOの外交会議において最大の出席です。122カ国が条約のファイナル・アクトに署名し、4 8カ国が条約自体に署名しました。
 

効力の発生

条約は国、一定の政府間期間を含めて30の的確な国に批准されると効力を発生します。
 
条約への署名は、当該国が条約を国内で検討し批准を検討する意図を示すことによって予備的な支持を構成しますが、署名は条約を批准する法的義務を発生させません。
 
批准又は加入は条約の文言に法的に拘束されることへの同意を意味します。加入は批准と同じ法的効果を持ちますが、手続きが異なります。批准の場合は、当該国は最初に署名してから、批准します。加 入手続きは、一つの手順のみで、署名行為は先になされません。
 
多くの場合、条約を支持する国は条約の採択の後、署名します。そして国内で必要とされるすべての法的手続きが満たされたときに条約を批准します。他の国は国内承認手続きから初めて、国 内手続きが完了したときに、条約に最初に署名することなく、条約に加入することもできます。
 

視聴覚的実演に関する北京条約のインパクト

視聴覚的実演に関する北京条約は、映画俳優や他の実演家の経済的権利を強化し、更なる収入をもたらし得るでしょう。これは実演家が視聴覚的生産物によって国際的に生み出された収入に関して、製 作者と収益を共有することを潜在的に可能にするでしょう。
 
重要なことには、新条約は、(視聴覚的実演の)保護に関するより明確な国際法的枠組みを提供することにより、視聴覚的実演産業における実演家の不安定な立場を強化するでしょう。< /div> 

背景と歴史的文脈

著作者の権利の保護に関する国際会議が1883年に開催されたとき、さまざまな国々からの文学界、芸術家、作家、出版者の代表団は、草案を、す べての国が受け入れられるように著作権についての法的枠組みを統一化して原則をまとめるような明確で簡潔な条項にしようと試みました。そ の結果のベルヌ条約は著作者と芸術家の創造的作品についての知的財産権の保護に成功しました。
 
20世紀初頭、無声映画、その後程なく発生映画(トーキー)といった産業全体の発展がありました。俳優や歌手といった実演家は、初めて録音され、彼らの実演は複製され、国内的、国際的に配布されました。 これはライブの聴衆より多くの聴衆に届くことになりました。これが、ベルヌ同盟、世界労働機関(ILO)そしてユネスコが、1961年の実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約(ローマ条約)を制定した一つの理由です。ローマ条約は聴覚的実演家に対して保護を与えましたが、視 聴覚的実演については限定的な権利を与えていただけでした。
 
1996年に, WIPO実演・レコード条約(WPPT)が署名され、2002年に効力を発生しました。W PPTは聴覚的実演家に対して国際的基準を近代化しました。視聴覚的実演家とその実演は国際的基準によって依然として法的に保護されていない状態が続いていました。
 
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